ぴんよろ日記
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2008年07月08日(火) 「東望の浜」に潜る。

 灼熱の空のもと、岡野さんと「ペコロスの唄地図」収録、3回目。長崎の海水浴場にまつわるあれこれを語る。東望の浜やねずみ島が、明るく楽しい海水浴場というだけでなく、「男女」にとってもパラダイスだったというのは初めて聞いた。他にも、とっちらかった話をしつつ、しかし、それがすべて、最終的には大きなテーマにカチリ、カチリとはまっていく感じが面白い。失われた夏、記憶というもの、それらを抱えて生きるということ…。岡野さんは「東望に関しては、話すほど知らんとさねー」と気にしてらしたけど、私が表したいのは、「東望の浜とは、万人にとってどんな場所であったか」ではない。岡野さんにとっては「リアルタイムに存在していたけど『話すほど知らん』」場所であり、私にとっては「母は子どものころよく行っていたと話すけど、自分が生まれた時にはすでに埋め立てられていた」場所であり、岡野さんの知人にとっては、「お姉ちゃんと仲良くなる場所」であり…と、ひとつの場所が、人によって無数の像を持つというようなことだ。それを見てもらうことによって、東望の浜をちらりとでも知る人であれば、「その人にとっての東望の浜」がどんなところであったか思いめぐらし、それはつまり「その人にとっての夏」が、どんな記憶によって形作られているのかを引きずり出す…ことになればいいな、と思う。
 「東望の浜とは?」
 「大正時代から昭和40年代にあった、当時の長崎を代表する海水浴場。遠浅の砂浜」
 というような豆知識は、どうでもいい。知ってることなんてどうでもいい。どうでもいいというのが乱暴ならば、あくまで出発点だ。私にとって、岡野さんにとって、番組を見る人にとって、東望の浜はどんなところだったのか、どんなところではなかったのか、誰と行ったのか、誰と行けなかったのか、いくつもの夏はどんなふうに過ぎ、あなたはこの町でどう生きてきたのか、そんな長崎とは、なんなのか……すごーく恥ずかしげもなく大げさに言えば、そうやって、記憶やイメージの海にもぐるコーナーを目指している。特に今回は、岡野さんの創造の源のひとつでもある、岡野さんのお母さんを訪ねることもできた。これは大変に編集し甲斐のある回になりそうだ。

 でも、あまりの暑さに、タイトルを書いてもらうのを忘れた…。本当に暑かったのだ…。



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