ぴんよろ日記
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2005年07月04日(月) 地縛霊のように

バタバタとした朝。
クルミの乗った紅イモパンと、ポタージュ、さくらんぼ。
洗濯して、打ち合わせに急ぐ。
思ったより長引いたので、ササッと出てきそうなカフェで、カレーのランチ。
出てきたときは、
そのカフェっぽい盛り方や量に「小鳥の食べものみたい」と思ったけど、
食べ終わったときはおなかいっぱいだった。
カレー自体は、カレーマルシェみたいな味だったけど、おいしかった。
ピーマン、カボチャ、ナスビのスライスの焼いたの、ゆでたまごが、
かわいらしく並んでいた。
白いTシャツを着て、痩せたお姉さんたちが、感じよく働いている。
そんなところも、今どきのカフェっぽい。
でも、あの透明感のあるお姉さんたちにも、いろいろあるはずだ。
あれだけ女子が集まっていて、なにもないはずがない。
さらに、お客なのか、スタッフなのか、身内同然の人なのか、
ちょっと業界っぽい男たちが挨拶を交わしたり、
打ち合わせをしたりしていたのも、なんだかカフェの小道具みたいだった。
「無造作にペンキを塗って、それが剥げつつあるのもいい味なのだと主張する、
手づくりかアンティークっぽい木の棚」とおなじ存在のあり方というか。
夢彩都のスターバックスにいる西欧人たちも、いつもそんなふうに見える。
一時期は真剣に、「この人たちはバイトのサクラではないか」と考えていた。
あと、そこのカフェに限らないけど、やたらスケジュール帳を見る人も。

このカフェは、私が中学生のころ(たぶん)にできたビル(プラザL)にある。
「プラザL」と「パトリエ」って、もう、ほんと、キラキラしてた。
今はどこにでも何でもあるけど、
当時はマクドナルドだって、長崎に現れて数年だったし、
DCブランドの服だって、そのビルができて初めて見たようなものだった。
いまの自分にとっては、マクドナルドもブランドの服も、
優先順位は無いに等しいけれど、
曲がりなりにも色気づいたりしていたあの年代に、
「この世にはまだ、なにか新しくてキラキラしたものがあるんだ!」と思い、
学校帰りに「私たちにとってはここに来ることなんてたいしたことじゃない」
という顔をして、そのビルに入ったりしてみることが、楽しく正しく若かった。
パトリエの2階には、それこそカフェがあって、
そこで「スワン」というケーキとアイスミルクをよく頼んだ。
ぷっ、それって「白鳥さんのケーキ」と「牛乳」じゃん!コドモ〜!
コムサやビギでシャツ1枚買った袋を、後生大事にサブバッグにしてましたなぁ。

そんなことを次から次に思いながら、カレーを食べた。
やっぱり場や建物には、その場に流れた今までの空気の名残が、
たとえはすごく悪いけど、地縛霊のように存在していると思う。
これらの思い出は、思い出したくて思い出したというより、
座っていたら、イタコのようにあふれてきた感じだったから。


お昼からは、久々のナレーション仕事だった。
あとで聞き返したとき、前よりも声が軽くなっていた気がした。
ナレーションをするときにだけ、なぜか現れる、
独特の「ふくみわらいしゃべり」が今日も何箇所かあって、
我ながら、あいかわらずだと思う。
これ以上も以下もない、これで天下取ったるというような野心もない、
ド素人とも違うが、プロでもぜんぜんない、妙な立ち位置のナレーションだ。

夜はその番組の打ち上げだ。お刺身食べたい。
今週はこれからすごく忙しくなりそうだが、
今夜はそのことを気にせず、お刺身に専念しよう。



◇◆◇


昨日の情熱大陸。
作ってる人の「この人を30分じゃできましぇん!」という気持ちの、さらに、
「しぇん!」
の部分だけでできてる感じで、そうするしかねーか、なぁ、という、
情けないような面白さだった。


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