ぴんよろ日記
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2004年12月23日(木) 筋肉質の曇り

高速で九州を抜け、中国道へ入ると、徐々に青空の覇気がなくなる。
中国道から米子道へ入ると、もうアウトだ。青空の息の根は止まる。
そのかわり、曇り空の曇りが、ぐぐっと筋肉質になる。
身のつまりが違う鉛色の空。
よく山陰の冬空を「鉛色」って表現して、それはすでに陳腐にさえ思えるけど、
山陰の冬空に使う「鉛色」は「色」ではなくて、「鉛」の質感の方に重点がある。
鉛と聞いてイメージする、重さ。
雲の鉛色は、それ自身に鉛色をとどめておけずに、
眼下に広がる空気や風景にも鉛色を薄く、しかしすべてにあふれさせている。
だから車を走らせていると時々現れる標識の赤や黄色が、
妙に生々しくさえ目に刺さる。

「夢千代日記」が大好きで、1人で冬の山陰を歩いたこともあったけど、
あのときはそれでも3月の終わりだった。
雪は積もっていたけれど、明るさへ、向かっていた。
しかし今回の旅は、季節は当然のこと、
人数こそ多いが、油断すればメンバーの気持ちも向かうのは暗い方だったので、
着いた日の夕方から(つまり着いてすぐから)、
九州が南国と言われるわけがとてもよくわかって、
そしてそれが恋しくてたまらなかった。
でも自分はこの中でも南方系なんだし、
ポジションとしてもそう振る舞うべきだと言い聞かせて、
少しでも明るく話したりしていたけど、元々はそんなキャラでもないし、
眠るときにはぐったりと泣きそうになり、
懐かしい人の足を、こっそり触る夢を見た。




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