ぴんよろ日記
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2003年12月20日(土) ウニとインド

小さい頃から珍味ものが大好きだ。
肉は内蔵の方が、魚はワタや目玉が、
そしてウニやイクラはもちろん大歓迎である。
よく「寿司屋で安くつく人」という嗜好の表し方があるが、
私は間違いなく、高くつく人だ。すみません。

ウニとイクラ。
これは私の中で複雑な勢力地図を描いていて、
「いいウニといいイクラだったら、だんぜんいいウニだが、
いいウニに出会う確率は、ほどほどのイクラと出会う確率に比べると
かなり低いので、そこそこの寿司屋であっても、
ウニとイクラがあったら、イクラにしといた方が後悔しない、
で、でも純粋にはウニが好き、だけどイクラのプツプツ感も…」
というように、果てしなく続いていく。

まぁ、そんなにまともな寿司屋に行く機会もなく、
まさか回転寿司屋でウニを取るほど阿呆でもないので、
最近はついイクラに気持ちが傾きがちだった。

しかし、先日、野崎島の集まりで、福岡のライターさんがウニを持ってきた。
なんと彼女は壱岐のウニ屋さんの娘さんだった。
彼女が持ってきた、ラベルも貼っていない瓶に詰まっていたのは、
バフンウニに自然塩でひと塩したもの。
それはもう、すばらしい味で、ぎゅっと詰まったウニの味と、
そこに、磯の香りというよりも、
壱岐ののどかな草っぱらに寝っころがっていると、
あぁ、風に乗って海の香りもするねー、というような風味がするのだった。
思わず「イクラに傾きかけていた心がウニに引き戻された!」と告白してしまった。

それから一週間、彼女がくれた「するめウニ」を毎日食べている。
みじん切りにされたスルメがウニであえてあるものだが、
これがまたご飯に合う。このためにご飯を炊いているようなものだ。

彼女はいま、インドに行っている。
それで、ウニを食べるたびに、インドを旅している彼女のことを思う。
暑いのかな、どんな景色を見てるのかな、お腹壊してないかな、
人生観変わったりしてるんだろうか、など。

知っている人が旅をしていると、
その人のことを思っている時間の一瞬だけ、
自分の意識がそこに飛ぶような気がする。
衛生上相性がいいかどうかは分からないが、想像の世界だからいいだろう。
ウニを食べると、インドに行けるこのごろだ。




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