ヲトナの普段着

2005年05月27日(金) はう・とぅ・らいぶちゃっと2

 前回のつづき……。
 
 
6.フィーリングを大切にしよう
 
 ライブチャットというのは、自分が理想とする女をゲットし玩具にする場所ではない。生身の男と女がそこで出逢い、言葉を交わし、情を深めていくのがライブチャットというものだ。だからそこには、当然のように「相性」というものが介在する。相性抜きに関係が繋がるわけがないのは、現実世界もネットも同じということだ。
 
 少し話をしてみれば、相手とフィーリングが合うか否かくらいは判断できるだろう。言葉を投げても、どうも気持ちよく返ってこないなとか、自分のペースとは違うものをチャトレが持ってるなと感じたりすることがあると思う。そういうときは、変に長居をせず、ごめんねとひとこと入れて部屋を出たほうが賢明だと僕は思う。それがお互いのため、というものだろう。
 
7.ときめきを忘れずに
 
 ときめきという感情は、意識的に持てるものではない。だから、チャットするときは常にときめいていましょうという意味ではないよ。チャトレたちは、待機窓の向こう側でドキドキしながら客を待っている。新しい出逢いがあるのかしら。昨日のあの素敵な人は、また来てくれるかしら。想いはさまざまなれど、チャットにインしている間のチャトレの心理というのは、おそらくときめき満開ではなかろうかと思う。
 
 そんな彼女たちの気持ちを、客は理解してあげるべきだろう。そしてここが大切なポイントなんだけど、ときめきというのは分かち合うことができる感情なんだ。もちろん、防御バリアを張り巡らしたり、無頓着な鈍感男では何も分けてはもらえない。チャトレのハートの熱さを感じてあげて、それを自分なりに返してあげれば、自然とそこから、ときめきの交換はできるのだろうと思う。
 
8.無理はしないこと
 
 ライブチャットのポイントは、ほとんどがプリペイド方式。銀行振り込みなら残高が常に把握できるけど、カード決済で楽しんでいると、いつの間にかとんでもない金額をつぎ込んでいたという憂き目に遭わないとも限らない。お気に入りのチャトレができると、あしげく通いたくなるのが人情というものだろうけど、短期集中よりも長い時間をかけてじっくりと親睦を深めたほうが、僕はチャトレにも客にも利があると思っている。
 
 僕が亡父に教わった言葉のなかで、最も好きな言葉が「無理は通っても無理」というものだ。仕事でも遊びでも、人はどこかで感情に走ってしまうところがある。頭では無理だと理解していても、体が言うことをきかない状態とも言えるだろう。そんなとき、僕はその言葉を思い出す。無理が通ったように見えても、そのじつそこには、何らかの歪が生じてしまう結果が少なくない。やはり、無理はしてはいけないのだろうと思う。
 
9.あ・わ・て・な・い・のっ!
 
 べつに慌てて脱ぐなという話ではないし、焦って脱がそうとするなという話でもない。僕もいまだにあるんだけど、チャットというのは、気をつけないと一方的な「語り状態」に陥ってしまうことが少なくない。会話というのは、相手の言葉と自分の言葉が良い按配に交わって、そこではじめて会話として成立するものだよね。話し好きと聞き好きがいれば、一方的でも構わないような気もするかもしれないけど、チャットというのは相互に言葉を交わして楽しむのが原則だろうから、やはり一方通行はいかがなものかと僕は感じている。
 
 相手の言葉を待つというタイミングの取り方は、じつはとても難しいのかもしれない。別な言い方をすると、熟練したチャトレになればなるほど、その辺のタイミングをわきまえているようにも思える。チャットに慣れた客なら造作ないことかもしれないけど、初心者にとっては、相手の言葉と自分の言葉をかみ合わせることに苦慮する経験もしていくことだろう。そういうとき、むしろ自分で会話のペースを作ろうとはせず、チャトレのリズムにあわせてみるのも賢明だと僕は思う。慌てずに、じっくりとチャトレの世界を味わおうじゃないか。
 
10.メールしちゃおう
 
 チャットで楽しい時間を過せたら、是非、サイトにあるメール機能を利用して、チャトレに恋文をしたためてみて欲しい。僕は長いこと書き物をしてるけど、自分が書いたものへの感想メールをいただくときほど、書いて良かったと感じるときはない。同様に、チャトレたちだって、そこで自分が本当にお客さんに楽しんでもらえたのだろうかと、いつも案じているのだろうと思う。楽しいと感じたら、それを何らかの形でお返ししてあげよう。それが、メールということになる。
 
 不埒な客のなかには、チャットもしてないのにメール送信したり、チャットに顔を出さずメールばかりする客もいるようだけど、そういうメールの利用法は、チャトレたちに悪い印象を植え付けるものと心得るべきだろう。だからといって、メールしてはいけないということではないよ。仕事や何らかの都合でなかなかチャットに顔を出せないようなときには、メールで状況を説明して「近いうちにいくね」と書き添えてあげればいい。そういう近況報告に使うのも良いと僕は思う。要は、自分とチャトレとの糸を繋ぐもののひとつが、メールというものなのだから。
 
 
 思いつくままに10項目を書いてみたけど、冒頭(前回分)に書いたように、ライブチャットの楽しみ方というのも人それぞれで、まさに十人十色なのだろうと思う。ただ何事にも「初め」というのがあって、そのときの初心者心理というのは「何が何やらわからない」ものだろうから、ひとつの拠り所としてこのようなコラムがあっても良いのかなと思って書いてみたわけ。
 
 ドアを叩けば、その向こうでは素敵なあの子が待っている。
 
 
【了】


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ヒロイ