ネットが普及し社会的認知度が高まってきた現在では、ネット経験がない人でも「チャット」という単語を見聞きする場が増えてきた気がします。それは映画のワンシーンかも知れないし、書店の店頭に積まれた新刊小説のなかでかもしれない。チャットの詳しいところまでは知られてないにせよ、文字でやり取りするコミュニティ形態のなかに、チャットというものが確固たる居場所を持つようになってきたのは確かなことでしょう。 そんなチャットという世界のなかに、ライブチャットというものがあります。ライブチャットが生まれた背景には、電話による「ツーショットダイヤル」やネットのアダルトコンテンツにある「覗き部屋」、ICQ(一対一でリアルタイムに繋がるコミュニティツール)にはじまる各種メッセンジャーの登場やYahoo等チャットサイトの隆盛、そして出会い系サイトの増殖というのがありそうに思えるのですが、この2〜3年という短期間にここまで進化を遂げたのは、それら背景を凝縮したものがライブチャットにはあるからなのかもしれません。 ライブチャットは、チャットレディ(以下略してチャトレ)と呼ばれる女性たちと、文字や映像、ときに音声を交えて、客である男性がお金を払ってチャットを楽しむコンテンツです。チャットサイトにはチャトレたちの写真付リストが表示され、客はそのなかから好みの子を選んで、彼女とチャットを楽しみます。多くは「1分いくら」という具合に料金設定されていて、客は前払いで購入したポイントを手に、彼女たちが待つチャットルームのドアをノックすることになります。 文字で書いてしまうとそれだけのものなのですが、ライブチャットにもじつに多くの種類があり、単に相手の映像を見ながら会話を交わすだけでなく、アダルトコンテンツとして女性の裸体を見ながらやり取りするものもありますし、サイトによっては年齢制限を設けて、若年チャトレの多いサイトや年輩チャトレの多いサイトに分かれたりもしています。 そんなライブチャットに集う人たち。それは言わずと知れた「男と女」です。なかにはゲイ用とかレズ用というのもあるのかもしれませんけど、基本はサイトも商売ですので、商業ベースでのライブチャットという視点においては、やはり男と女がさまざまな形で交わる場がライブチャットということになるでしょう。 僕がそんなライブチャットの世界に触れたのは、03年の春でした。これを書いているのが05年春ですから、ほぼ二年前ということになります。僕は元々チャットが大好きであったわけではなくて、当時会員として登録していたアダルトサイトが、新たな会員向けサービスとしてライブチャットを始めまして、会員には何もしなくてもポイントが与えられたので試してみたというのが切っ掛けでした。 手を染めてみるとなかなか興味深い世界でして、単にあちらこちらの女性と知り合いになれるというだけでなく、およそ社会の構図が凝縮されてるのではなかろうかと思えるほど、このライブチャットの世界にはさまざまで風変わりな種族が屯していますし、もちろん男女の恋愛模様も、同じようにこの世界でみることができます。 元来人間観察が好きだったせいか、ライブチャットという世界に組して自身がそれなりに楽しんではいても、どこかでチャトレや客の姿を観察しては自分なりに解析してきたという気もします。そしてふと思い立って、そんな自分の経験をベースにライブチャットに関するコラムを書きはじめ、それを公開する場として作ったのがこの「チャトレの花道」ということです。 本編は、書店に並ぶ書籍にあるコラム集のように、ひとつの本となるように構成していきたいという目論みで書き進めていきます。従ってここでは、コラムを幾つかのカテゴリーに分類しながら整理していくつもりです。日記とは異なりますので、投稿日時は記録されますけど、あくまでメインとなるのはコラム本編でありタイトルであると僕は考えています。ですから、ブログによく見られるカレンダー形式の整理方法はとりません。 どこから読んでも楽しめるように、一方で目的のコラムを見つけやすいように、そう心がけて整理しつつ書き進めていきたいと考えています。 また、近年流行しつつあるブログ類と同じシステムですので、コメント投稿できますしトラックバックも可能となっています(レイアウトの都合上、トラックバックファイルは体裁がちんけなものとなりますが)。お気に留まるコラムがありましたら、どうぞ気軽にコメントなりトラックバックしてください。読者の皆さんの力添えで、チャトレの花道が充実していくことを、僕も心から願っています。
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