| 2011年01月20日(木) |
裁判員裁判と裁判官だけの裁判 |
日経(H23.1.20)夕刊で、放火事件で知的障害がある男性を取り調べた大阪地検堺支部の検事が、「自白調書」を確認する際に犯行状況などを調書の内容に沿うよう誘導していたと報じていた。
たとえば、火が広がった状況について、男性は当初、「見てなかった」と答えたのであるが、検事は、調書内容に合うように、「見てたんか」「見てたのでいいのかな」と繰り返し質問し、男性が「はい、見てた」と翻している。
このような過程が記録されていないと、形になって残るのはすらすらと供述したかのような自白調書だけであった。
検察庁は、「確認の一環であり誘導ではなかったが、裁判員に調書の任意性を訴えるのは難しいと判断した」とのことである。
逆に言えば、裁判官だけの裁判であれば、この自白調書を証拠として提出していたということである。
その場合、裁判所もその証拠能力を認め、それに基づき事実認定をする可能性もあったのではないだろうか。
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