今日の日経を題材に法律問題をコメント

2011年01月17日(月) 「財産的損害の3倍」という表現

 日経(H23.1.17)16面で、裁判所の命令を無視しても制裁がないということについて論じていた。


 プリンスホテルが日教組からの予約を一方的にキャンセルした事件について、裁判所は使用を命じる仮処分命令を出したのであるが、その司法判断に従わなかったことから、制裁制度の検討をすべきという論旨であった。


 その論旨の適否はともかく、この事件で、東京高裁は、ホテル側の宴会場使用拒否により日教組などが被った精神的損害について、財産的損害の3倍に相当する約8547万円が相当としていることに注意が引かれる。


 米国では悪質な違法行為に対して懲罰的な賠償制度があるが、「財産的損害の3倍」という高裁判決の表現は、懲罰的賠償を意識したものと思われるからである。


 本来であれば、判決には賠償金額だけを書けばよいのであり、他の裁判官であればそうしたであろう。


 それゆえ、「財産的損害の3倍」という表現はリップサービスのようにも思える(このときの裁判長は園尾隆司裁判官であり、破産事件を大改革した人である。)


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