| 2010年06月21日(月) |
1億円以上の役員報酬の個別開示 |
日経(H22.6.21)9面で、『経営の視点』というコラムで、役員報酬の個別開示について論じていた。
金融庁は、上場企業などについて、1億円以上受け取っている役員名と報酬額を公表させることにした。
これに対しては、全面開示を主張する側、個別開示を否定する側の両方から批判がなされている。
個別開示を否定する主な理由は、プライバシーの侵害である。
公表される役員からすれば、自分の報酬を世間に知られるのは嫌であろうから、個別開示に反対する気持ちは理解できる。
他方、個別開示の代表的意見は、「役員は株主が選任するのであるから、株主が役員の報酬を知ることは当然」「業績に見合った報酬を経営陣が得ているのかどうか、株主や投資家によるチェックが必要である」といったものであろう。
このような立場からは、開示する役員を1億円以上に限定する理由はないことになる。
そのため、両方の立場から「なぜ1億円なのか」という批判がなされている。
実際、個別開示の対象を「1億円以上」とするのは日本だけのようである。
しかし、私は、このような妥協案でよいのではないかと思う。
業績に見合わない高額の報酬をチェックできれば、ある程度、個別開示の目的は達成するだろうし、1億円以上であればプライバシーにもそれなりに配慮できるからである。
なぜ「1億円なのか」という疑問には、「切りのいい数字だから」という回答でいいのではないかと思う。
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