今日の日経を題材に法律問題をコメント

2010年04月21日(水) 元明石署副署長を業務上過失致死傷罪で強制起訴

 昨日の日経(H22.4.20)夕刊で、明石市の歩道橋事件について、検察審査会の判断を受けて、指定弁護士が、元明石署副署長を業務上過失致死傷罪で強制起訴したと報じていた。


 今後裁判が始まるが、争点の一つは時効の完成の有無である。


 すでに明石署の部下(地域官)が起訴され裁判中であり、この地域官と共犯とされれば時効は中断する。


 しかし、この事件では過失の有無が問われており、「特定の犯罪を起こすという認識のない過失犯に共犯が成立するのか」ということが論点となる。

 
 記事では、過失の共犯が成立するのは理論的にも難しいかのような論調であったが、それは間違っている。


 最高裁は過失の共同正犯を認めており、一般論としては過失の共犯は肯定されているからである。(もちろん、本件において過失の共同正犯が成立するかは事実認定の問題であり、別である。)


 いずれにせよ、検察審査会の判断は尊重するが、刑事事件である以上、裁判所は過失の有無についての従前の基準を緩和することなく、厳密に判断して欲しいと思う。


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