日経でなく朝日(H21.12.2)夕刊で、鳩山首相の偽装献金問題で、検察庁は首相を嫌疑不十分で不起訴処分とする方針と報じていた。
しかし、憲法75条は「国務大臣は、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されない」と規定しており、仮に嫌疑があったとしても首相に対する起訴はできない。
もっとも、憲法75条の『国務大臣』に内閣総理大臣を含むのかについては学説上争いがある。
『国務大臣』には内閣総理大臣を含むという見解によれば、内閣総理大臣は、自らの訴追について同意するか否かを決めることになる。
他方、『国務大臣』には内閣総理大臣を含まれないという見解は、内閣総理大臣の在任中は一切訴追できないと解している。
鳩山首相が自己の訴追に同意することは考えられないから、結局、いずれの見解に立つにしても訴追はできないという結論になる。
このように訴追される恐れがないのに、鳩山首相は「司法の判断に委ねる」と弁明し、国民に対する説明を怠っているとして、一部ではこれを『鳩山システム』と呼んで批判している。
確かに、内閣総理大臣は訴追されないにしても、国民に対する説明責任は負っているから、説明から逃げることは問題であろう。
『鳩山システム』というネーミングは別にして、うまい指摘であると思う。 (なお、内閣総理大臣を退任すると訴追されるし、退任するまで時効は停止すると解釈されている。)
|