ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

『峠』の情景 - 2006年08月15日(火)

灼熱の太陽が青く光るコロナという炎を纏って
地上を焼き尽くしている。
『砂時計』=THE YELLOW MONKEYのデビューアルバム
『THE NIGHT SNAILES AND PLASTICBOOGIE』
「真珠色の革命時代」の歌い出し“砂時計の悪戯”から連想するのだけど、
この砂時計は、THE YELLOW MONKEYというバンドの歴史そのものであるように思う。
今、旅立ちの時が遣って来た。遥かな大地を目指して。
狂気の中に微かに浮かび上がった虹を信じて。

『12年前』=この「峠」が出来たのが2000年である事を考えれば、12年前は、
ちょうどTHE YELLOW MONKEY結成直前ではなかろうか。
『うつむいたまま』・・・まだ自分達の力も前途も何もかも未知数で。
けれどやがて、メジャーへの道が拓ける。
巨大なモーターで動くエスカレーターのような「大企業」「販売戦略」そういう
「音楽業界」の枠組みの中で、彼らは、
『野獣のように声を殺して』・・・野生に育った獣のような
賢い人間達の社会(業界)に慣れぬメンバー達は、
本能のままに咆哮する事無く、声を殺して身構えていた。

それでも、吹く風が強かろうと、自分達は、ただひたすらに
歩き続けて行かなければならない。次の「峠」という目標まで。
地位も名誉も富も何も持たない俺たちだけれど、
傍らの道を歩む君たち(特にエマ!)は、綺麗だ。
溢れるこの想いは、間違いなく「愛」だ。
傷つき疲れたこの身体を互いに支えあって、肩を組みながら。

『8』発売当時、吉井和哉がこの「峠」に描かれた情景は、
永井豪の『バイオレンスジャック2巻の最終頁のイメージだ。』と
語っていた事があって、私は、この「峠」を聴く度に、
あのバイオレンスジャックに描かれた巨大地震後、
何もかも破壊され尽した荒野の中に
小さく浮かび上がる4人の戦士の姿を思い浮かべるのだ。
「RED TAPE」オープニングの大地が割れ火を噴出し
黒と白の噴煙を立ち昇らせているシーンと重なって、
『虹』を見つけに歩き続けていった4人が堪らなく恋しくなる。






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