ロマンティスト・テイスト...jovanna

 

 

歌心 - 2006年05月17日(水)

東海林太郎という歌手がいた。燕尾服に直立不動で歌う姿が強く印象に残っている。
きちんと声楽を学ばれた方だそうで、私が覚えているのは、かなりご高齢の晩年の頃
だったろうけれど、とても綺麗な発声で伸びやかな美しい歌声だった。
著書の中で
『これはいつも思うことなんだけど、歌の深さと愛情の深さにはきりがありませんね。
歌って「これが最高だ」なんて、うぬぼれちゃいかん。歌は途方もなく深く広い世界をもっていて
人間の成長につれて、肥っていくものだ。美声が衰えても、内容が変ってくる。』と
述べておられた事を知った。
先日のBS放送での吉井和哉の声が甦る。
『声の出し方をもう一回見直そうかなと・・・
 声帯も衰えていくし
 鍛えていかないと歌えないし・・・
 昔とは違う良さを身につけていきたい』
BSでのLIVEを見て、改めて感じたけれど、
昨年夏のLIVEの時より、吉井の歌は格段に深みを増した。
新しいヴォイストレーナーについているとのことだし、
今回のツアーに向けて相当鍛錬を積んだのだろう。
『ルックスもそうだし、曲もそうだし、歌詞もそうだし、声もそうだし
 今年からまた色々自分の殻を破って多いに変えて行こう』
ホントにROCK!な人だなあ。
常に高みを目指すその探究心と、「歌」への情熱がある限り
吉井の「歌心」は、より深く熱く息づいて行くことだろう。
『ミュージシャンの演奏がビンゴの連続』だという報告も嬉しいけれど、
新作をこんなにも楽しみに心待ちに出来る今が
何より幸せだと思える。
吉井和哉が歌い続けていることに感謝したい。





My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

溶けた砂
時の谷間