山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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| 2003年10月25日(土) |
【写真付】カジカのお刺身 |
週末になると病院内も平和である。いつもの騒々しさがない。平日だと午前5時過ぎには、何人かは検査のための採血に看護婦が回ってくる。そしてもう6時にはその日の容態を聞き取りに看護婦が回ってくるのだ。体温、血圧、脈拍、酸素の取り込み状態、その日の体調を訊ねたりた。
今日と明日はそれもあることはあるが、看護婦さんたちもいつもと違いゆったりとして余裕がる。綿塩場合、6時の痛み止め服用があるので、6時から6時半までには看護婦さんが必ずやってくる。そして「今日の調子はどうですか」と問診を始めるのである。
ステロイド剤をとめてから4日目である。今朝も左足がだるく、膝の裏辺りが突っ張って痛い。極端に疲れたときに痛みのように感じることがあるがそんな感じだ。看護婦さんが湿布をしてみてはどうかという提案を採用し、薬をもらって貼り付けた。最近は湿布薬にも匂いのないものがるのに、この病院のは匂いがする。しかもかなりくさい。こういうのはできればくさくないほうがいい。
昼食前に下水道事務所にいる例の同級生作家岩舘氏がきてくれた。今日は八戸港で吊り上げたという「カジカ」の刺身である。きれいな透明の容器にまるでふぐ刺しのように薄くきれいにスライスされたカジカが並べられていた。ちゃんとワサビまで用意してくれている。私はしょうゆをかけるだけだ。おあつらえ向きに、ビールもどきである「モルト・スカッシュ」まで一緒だ。
そして彼が来ると時のしみは、また新作ができたのではないかという期待だ。案の定「彼方の釣り」という、やはり釣りを題材とした短編が彼の手には握られていた。実際に彼のお嬢さんと出かけたときのやり取りからヒントをえたというだけあって、臨場感あふれる設定である。しかし、この作品は未発表ということもあるので、内容の紹介はこの程度にさせていただく。
途中で実家から戻ってきた妻と一緒に小説や釣りの話をひとしきりした後、冷たいうちに食べろよと言って彼は帰っていった。 「さあ、カジカをたべよう!」と妻にしょうゆと箸の準備をお願いする。 妻はなぜか「えっ、ドンコ?」 私が「カジカ」と言ったのに、なぜか「ドンコ」と反応する妻。同一人物だと思っているらしい。
午睡後、ワッフルを食べながら紅茶を飲んでいるところへ、突然母が現れた。バスを乗り継いで来たのだそうだ。重そうにみかんと栗を持ってきてくれた。今日は中心街でイベントが行われており歩行者天国になっているため、バスが正規のルートを通らずに慌てたらしい。街中のT整形外科にはいとこが怪我をして入院したということで、ついでにその見舞いに寄ったそうだ。階段を踏み外し足首を骨折したそうだ。
父のことや家のことなどをいろいろとしゃべったあと、妻と一緒に帰っていった。
夕方、いとこの和田ひろ子・勝旗夫妻が、果物の入った大きな箱を抱いて来てくださった。私の好きなラフランスやみかん、かき、マンゴー、たくさん入っている。
妻がまだ戻ってきていなかったので、3人でデイルームでおしゃべりに興じた。町内の運動会の話、消防団の話、おいの「まっちゃん」の話など。しゃべっている途中、親父が入院した話になると、突然ストップをかけられた。「聞いてないよ。」それはいってないかもしれない。わざわざお知らせしたりしないから。
さらに途中でガン保険の話になったら、またストップがかかった。 「お前、ガンなのか?この間は言わなかったじゃないか。」 たくさんの人たちにお見舞いいただいているので、誰に何をどこまでしゃべっているかわからなくなっている。言ったかもしれないし、言っていないかもしれない。でも事実として「多発性骨髄腫」という病気であるということを、改めて説明した。(ちゃんと説明してなくてすいません。)
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