たわごと うわごと ひとりごと。

2006年07月19日(水) 麗しの悪夢から目覚めたらあなたはちゃんといた!

ハイ、本日、『アルバトロス、南へ』を観て来ました。二度目にしてMy楽です。
一昨日、初めて観た時と感じ方が全然違う自分に驚きました。
一昨日の日記を読んでいただけると、お分かりかと思いますが、初めて観た時は、過去の描写の印象の方が強すぎて、目の前にコムちゃん本人がいるのに、その存在は夢か幻か残影のように見えてしまい、その実体を掴めなくて、物凄く寂しくて悲しくなってしまったんです。コムちゃんを思い出にしないで、とすら思いました。
だけど、二度目の観劇をしてみると、アラ不思議なことに、生身のコムちゃんを感じることが出来ました。
多分、この作品の観方なんですよね。以下の考えはあくまでも私の場合ですので、何訳分かんない事言ってんだ?と思われるかもしれませんが軽く読んでください。
過去の部分、特に第二部の芝居の部分を思いっきり追ってしまうと、まんまと過去の渦に飲まれてしまうんですよ。
あの二部の芝居は、ストーリーがあるようで、ない。またその逆でもある。
全く別の話が、切れ目がなく、いつまでも上手く繋がって途切れないように出来ています。わっかのように、また水の流れのように、どこまでも繋がって終わらない不思議なストーリーです。
そこに出てくる、ルドルフ、ヴィロンスキー、ラヴィック、彼らが本人だと思って観てしまうと、おしまいです。その過去の永久ループにまんまと巻き込まれてしまうのです。前回がモロにそうでした。
だから今日は、あれらは、あくまでもサーカスのお芝居、サーカスが見せたひとときの夢として観て、現実のコムちゃんと、区別して観ました。
過去に捕らわれてしまうと、本当に思う壺。現実が見えなくなってしまいます。

前回、フィナーレについて、殆ど記憶がなかったのは、そこでかなりコムちゃんの現実の姿を見失ってたからってのもあるんだと思います。
と言うわけで、今回は、ちゃんとフィナーレの記憶があります(笑)。
フィナーレこそ、今を生きているコムちゃんにモロ会えるのに、前回は勿体無いことをしたな。

第二部のお芝居部分が終わると、オーケストラの前にあった紗幕が下り、オーケストラが見えるようになります。
舞台に出演者はおらず、オーケストラの『サヨナラは夕映えの中で』の演奏があります。

演奏が終わると、黒燕尾姿のハマコとキムちゃんが『わたしとあなたは裏表』を暑苦しく歌ってくれます。

ゆめみ姉さまが登場して『夢のかけら(パッサージュ)』を歌います。あの透明感のある、何とも言えない空気を感じます。

そして、コムちゃん登場。『Yesterday Yes A Day〜Holiday(Dancer In The Dark)』に合わせ、オレンジシャツに白シャツを羽織り、ベージュのチノパンと言う、ラフな格好。それがとても身軽で、そして凄く自由にのびのびとして見えて、観てて清清しい気分になります。
その後、頭に羽をつけた白シャツ白パンツの男役、白ホルターネックのチュニックとパンツの娘役全員が出てきて、コムちゃんを囲むように総踊り。
周り全員が鳥に見えて、逆にコムちゃん一人が、人間に見えます。特に『朝海ひかる』そのものを感じられます。いる!コムちゃんが生きている!と凄く感じたシーンでした。
又、すごく暖かさを感じるシーンでした。
そのまま、『愛さずにはいられない(月夜歌聲)』を娘役全員で歌い継ぎます。

そして、『闇が広がる』をコムキムで。
スパンが前身ごろにギッシリとついた黒サテンシャツに黒パンツ姿です。ルドルフも、思い入れが凄くある役なので、楽しみにしていたのですが、実はイマイチ乗れませんでした。
キムちゃんの顔芸が凄すぎてね…(スミマセン)。

そこにハマコが登場し、男役3人で『FAVORITE SONG OF ALL(シトラスの風)』を歌う。熱い未来(NOTハマコ)を感じられる、凄く好きなシーンです。
そのまま3人でカンフーちっくな『Theee Dragon(香港公演)』を。

『ザッツ・レビュー(モンパリ)』をハマコが熱唱。
黒ホルターネックにチュチュの様な紫ペチコートのスカートのドレス、頭の羽飾りも紫の娘役が登場。
『Coming Century(Cross The Line)(ブルースワン)』を歌う。

『少年の心(失われた楽園)』を、焦げ茶スーツに青の前身ごろにたっぷりとフリルがついたシャツのコムちゃんが登場し、歌います。

『Many River To Cross(メガ・ヴィジョン)』を、全員で歌います。娘役は香港公演の白地に青いラインが胸と腰に入ったドレス。
オーケストラ紹介もありました。
多分ここなんだけど、ハマコ率いるアカペラでコーラス、そしてコムちゃん登場。
もうね、一部の最後の総踊り、このフィナーレの初めのそう踊りもなんですけど、すっごい愛を感じるんです。
わたしゃ、この作品、キャスト、オギーを、目茶苦茶愛してますよ!熱い!っていうより、あったかい。愛情が入った作品って何て素晴らしいんだろうね。

最後に『Birds on theJourney(リプライズ)』をコムちゃんが1人で。袖がゆったりしてて、上着が長い青の衣装です。

そして幕。

アンコールは月夜の歌声でした(曲を知らないのですが、プログラムによると)。ノリノリで、明るく、幕が下りるギリギリまで腰折って手を振ってくれます。

で、この日のアンコールの挨拶ですよ。
『残すところ、2公演となりましたが、もう青年館の舞台に立つことはないと思うので、一瞬一瞬(一秒一秒だったかも)を心に刻んで行きたいと思います。あと一日頑張ってまいります」みたいな事を言ってね。
…バカー!
スミマセン、暴言吐きました。そんなことぺろっと言ってしまうのがあまりにもコムちゃんらしくて、反射的に一瞬笑ってしまいました。ウケたとかじゃないですよ。もうホントにこの人はもう、えー!?もう。
そして、二度目のカーテンコールで『こうやって皆様のお陰で毎日楽しいです』みたいな事を言おうとして、…噛んだ。
噛んだ!噛んだの!噛んでこそコムちゃんですよね。ますます「生きてるー!」と勝手に喜んでしまいました。「ねっねっ?」と、ほかのメンバー達に同意を求めまくるコムちゃんが死ぬほど可愛かったです。
まったく何でこの人はトップスターなのに、こんなに可愛いんだよ!

と言うわけで、生身のコムちゃんに出会えた公演でした。
殆ど泣きませんでした。前回ありえないくらい泣いたからもあると思うのですが、楽しみとかコムちゃんを感じた喜びが勝ったのかもしれません。
…まあ、条件反射で、凱旋門とか泣きましたがね。あの旋律でもうだめなのですよ(笑)。

さて、第二部のいづるんとのお芝居、凄く好きです。いづるんが最高ですよね。
やせっぽっちで、寂しい目をした少女のような女。だけど、誰よりも女なんですよね。
オギーはね、女性を描くのが上手ですよね。
自分が殺されるのを分かってて、愛した男を逃がした後の、あの揺ぎ無い決意と晴れ晴れとした表情。女の強さをすごくよく描いていると思うのです。
それを表現したいづるんにひたすら感動。ますます好きになりました。あの見た目と、大人の女の強さ、その両方の絶妙さと言ったらもう。奇跡のようだった。
「私があんたの昨日になりたい。あんたが私の明日になって」のようなセリフ、本来はどんな意味なのかは分かりませんが、コムちゃんを好きな者の気持ちとしてはそのセリフそんまんまコムちゃんに伝えたいと思ってしまうような言葉でした。
セリフの一つ一つが胸に沁みるんだよな、セリフに輝きがあるんだよな。オギー、あんな短いシーンで、深すぎるよ(笑)。
それにしても、4人の女が捕まえられなかった、あほうどり、それはあまりにコムちゃん本人のキャラクターにかぶって、ゾッとしますよね。
第二部は、深読みしちゃいけないと思いつつも、セリフと、脈絡なく流れる場面の魔力に、やっぱり心底震えます。
でも、第二部は、恐ろしいけどとても好きです。

だけど、やっぱり、第一部がたまらなく好きなんですよ。
気楽に楽しめる、デパメンのシーンとか最高じゃないですか。
一人でノリノリで強弱つけまくって熱唱するハマコとか、バド風コムちゃんとか、メール夫人の「ベーッサメー!(こっ鼓膜が!)」とか(ハマコばっかだな)。
退団前だからこそ、しかも、退団発表の後の初めての公演だからこそ、何も考えずただ気楽に観て笑えるのがいいじゃないですか。やっぱり今、かなり過敏な時期だから。

以下第一部のツボ
・オンザの後、吹き飛ばされるときのコムちゃんのオーバーリアクションの可愛さと裏腹な、野太すぎる「うわああぁ!」って声がたまらんのー。
・やっぱりバド大好きだな。ちなみに昨日のバドは、ヴィーナスを観て、興奮しすぎて手の震えがとまらず、もう片方の手で震えを静止させてました(笑)。
あのバド、最高に好きなんですけど!3枚目のコムちゃんってホントかわいいですよね。しかも無駄に上手いし。トップになってから、3枚目とかって滅多に観れるもんじゃないから、ちょこっとだったけど観れてよかったなあ。
・かわらぬ思いが凄く好きです。曲自体かなり好きなのですが、コムちゃんの低音なキーとの嵌りっぷりといったら。
しかも、コムちゃんに凄く合う曲ですよね。
・何気にダンスの上手いハマコ。すごくダンス綺麗なんですよね。キャラが目立って、今迄ダンスの上手さとかしっかり見てなかったけど。流石元ダンス部部長(需要のない情報)!
…何か他にもあった気がするけど、言ってしまえば全部と言いたいほどなんですよね。ここまでコムちゃんのために作られた舞台だと、その中からツボを言おうと思っても、意外と難しい。ああもう全部だよ全部!

それと、全編通して思ったことなんですが、オギーって、照明の使い方上手いよな(今更でスミマセン)。
シンプルな白いセットが、照明一つで、全く違った顔になる。ああ言う何にもないセットだからこそ、そのことに気づけた公演でした。
オンザの途中「ぱーっっっ」とミラーボールが回るのとか、サーカスで、少女が歌うところの怪しい原色の照明とか、どこか忘れたけど柄の照明とか凄く好きだったなあ。色々感動してしまいました。

最後にアルバトロス(あほうどり)の意味を。
あほうどりは羽が大きくて歩けないから、すぐにつかまってしまう不器用な鳥。だけど、飛び立ったらその大きな翼でどこまでも飛んでゆける鳥、それがあほうどり。
普通、トップスターの、ましてやサヨナライベントのタイトルに「あほうどり」なんて言葉使わないですよね。
だけど、その「あほうどり」と言う鳥のイメージと、コムちゃんのキャラクターがダブる。ものすごく。
そして、第二部の舞咲のセリフ「あんたって、すぐどっか行っちゃうんだから」。
コムちゃんは、いつだって掴みどころがなくて、大勢の中にいてもどこか孤独を感じるひとです。目の前にいても、その本質とか心とか捕まえることは出来ないし、本当に誰よりも遠いひと。それはファンから見てだけじゃなくて。
そして、本気で、退団後どっかに消えちゃいそうな気がすると言う、自分の中の予感とも重なります。
タイトルからして、ここまで深いんだよ。すっげー計算。
My初日、開演前プログラムのオギーのメッセージの、この「あて書き」を読んだ瞬間、涙腺がブッ壊れましたからね(笑)。
とてつもない愛情が込められまくった作品でした。コムちゃんにも、そして、ファンにも。
たった2回観た公演で、物凄くいっぱい考えさせられたし、凄く神経も使いまくったし、泣きまくったし、感動しすぎたし、辛すぎたしで、ほんっっっっっと、

疲れました(へらり)。

次の大劇場作品が始まったら一体自分、どうなってしまうのでしょうか。骨になっちゃうかもしれません(笑)。
でも、オギーに、とても感謝してます。
だって、コムちゃんがトップになってから、深読みする作品なんてなかったですから。
もう最後です。次の作品もまたオギーです。死ぬほど疲れてやろうじゃないか。

だけど、ホント疲れるな(笑)。今日はこの辺にしておきます。アルバトロス語りもこれ以上無理だと思います。
では、この辺で。拍手レスは明日させて頂きます。かなりお待たせしててゴメンナサイ!

そうそう、DVD早く欲しい〜!とか思ってたら、発売が…

10月っておっそ…(絶句)!


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