2006年07月08日(土) |
雪組Young Bloods!!第一部(超ネタバレ&長文) |
7/8、9、雪組ヤンブラを観て来ました。 実は、私にとってウレシハズカシのバウ初体験だったんです。しかも2日間で、3回観劇。折角ファントムやってんのにそれを観ず、ヤンブラのみ! 私、どれだけかなめ好きなんだよ? 当初、かなめ目当てで行くことを決めた公演でしたが、結果的に、雪の下級生1人1人を良く見るいい機会となりました。この公演出演の下級生たちは、名前と顔は一致するものの、どんな声してんのかとか、何が得意なのか、又、どんなキャラなのか分からない子ばかりだったので、それをガッツリと知ることが出来て、私的に本当に大収穫な遠征となりました。
では感想を書きます。物凄くネタバレします。ラストとか思いっきり触れます。 でも、ご覧になるご予定のない方も多いと思いますので、あらすじも同時に書きつつ、なるべく詳しく書きます。
【Young Bloods!! Act1−雪の血漿(けっしょう)−】 舞台は戦前、戦中、戦後の日本。 アメリカ人の父と、日本人の母を持つ、ハーフの野球少年、ロバート(凰稀)と、兄ウィリー(大湖せしる)の物語。
一言で言えば、時代背景が被ることもあり、『愛しき人よ』の台本スッキリ版か?って感じです。 今まで観て来たの斎藤作品(芝居)の中では、一番まともかもしれません。 花ヤンブラはギャグテイストだったので、雪のもそうなのかと思ってたのですが、ところがどっこい、全くのシリアスでした。 しかし、重い時代背景を扱ってるのに、中身が…相変わらず薄っぺらいです。斎藤だし仕方ないんですけどね。 彼は、この時代背景がただ単にカッコいいとか、軍服萌え〜とか、憧れとか、そう言うもんだけで描いてるんだろうな。 こう言う台詞がを言わせたい、とか、この格好をさせたい、とか、こう言う絵ヅラが見たい、とか、役柄やストーリーを掘り下げるとか以前に、形とかビジュアル重視なんですよね。だから、「えっ、ここでこの人物だったらこんなこと言わないよ(しないよ)」と言う違和感を感じることも多々ありました。 でも、見た目や、演出に拘ってるから、その面ではいいと思ったところもたくさんありました。
第1場「終戦−1946春−」 ・戦後の東京。暗めの照明で東京の男女たち(かなめ以外全員)が静止しているシーンから始まります。幕が上がりきると、照明が明るくなり、『東京ブギウギ』『カンカン娘』など明るい歌を歌います(ここで東京ブギウギ歌ってなかったかも)(汗)。男はスーツにソフト帽、女はレトロな派手柄のワンピ。 ここはね…真波そらちゃんのソフト帽の被り方かっこいいんですよ。それと、せしる君の客席へのアピールが凄かった。超眼光飛ばしまくってニヒルに笑ってたよ!こんな狭いところで釣るな!(褒めてます)
・そして、舞台後方の高くなっているステージから背中を向けて立つ、アメリカ軍の軍服を着たロバート登場。日本に帰ってきたと言う設定。 振り向き、主題歌を歌いながら階段を下りてセンターに来て舞台前方まで来ます。 いやーかなめなんですが、真ん中が可笑しい位似合うんですよ。ファンの盲目的な感情で言ってるのではなく。妙な落ち着きっぷりと堂々さ、まだ研7なのにありえないです。心配していた歌も(全ツワンダーランドの悲劇)、凄く上手くなっていて驚きました。声量もあって、実に伸びやかな歌声で安心して聞けました。
第2場A「ベースボール−大昭和−」 ・ロバートが戦前の幸せだった時代を回想すると、野球少年だった頃の自分が出てきます。 無邪気に野球に夢中になる少年時代のロバート(沙月愛奈)と、兄ウィリー(紫いつみ)。そして、外交官の父アーネスト(大凪真生)、女優の母恭子(やすこ)(森咲かぐや)の幸せな家族の図が繰り広げられます。 お父さんの大凪君…まだ下級生なのに、全く無理なく立派なオヤジっぷりでした。又、お母さんのかぐやちゃんが、赤いスーツにつばの広い帽子で、凄く綺麗なんですよ。喋り方も優しげで大人っぽくて、素敵なお母さんでした。この家族が暖かに見えるのは、この両親役のお陰と言えるくらい、優しく、愛に溢れたいい演技をされてました。大好きこの両親。
・野球の話になると、熱狂的野球ファンの男たち(東京の男)も出てきて、皆で野球観戦に大盛り上がり。皆で歌って踊ってチアガールたちまで出てきて楽しい幸せな時代。 素直に楽しいシーンでした。野球ファンの男役たちが、皆オッサンくさくてな(笑)。
第2場B「ベースボール−大昭和−」 ・少年時代のロバートとウィリーが袖にはけると、大学時代の2人が歌いながら出てきます…がっ!この時の衣装…! ロバートは『KEIO』と胸に書かれたグレーのユニフォーム、ウィリーは『WASEDA』の白ユニフォーム。 絶対着せたかっただけだ…!くぉら斎藤! ちなみにかなめが泣きそうなほど似合ってなくてね(笑)。 ああ、兄弟早慶対決と言う凄いベタさ! どうせなら、マウンドに立つのをやりゃよかったのに。2人が下手と上手に立って、弟が投げて兄が打って。それで、「ワー!」って言う歓声流して…それだけで違うと思うんだけどな。 なのに陽気に歌いながら出てきて肩組んで歌い続けるだけ。凄く薄っぺらでアホっぽい。ちなみに後にも野球をやるシーンは皆無。話全体に野球への情熱が根底に流れるって設定なのに、こんなだから、中途半端なんですよね。 そこに、「お疲れさまv」と、タオルを差し出すヒロイン小百合(ロバートの恋人。華族出のお嬢様。/大月さゆ)と、愛美(あゆみ)(ウィリーの恋人。出版会社の一人娘。/愛加あゆ)。 ここもベタですよね。斎藤ドリーム炸裂です。さゆちゅわんがきゃわいいのなんぬぉって(ちゃんと喋れ)。 さゆちゃん、良かったですよ。クラシカルなお嬢様の雰囲気が良く出てて、落ち着いていて凛としていて、上品で。又、あゆちゃんが喋ってるのを初めて聞いたのですが、この子は演技が凄く上手い。見た目は中学生みたいに幼いのですが、喋るとちゃんとしっかり者で大人っぽいのが良く出てるんです。
第3場「THE WAR−生きるか…死ぬか…−」 ・押し寄せる戦争の波は、恋人を悲しくも引き裂く運命に。ロバート一家は、アメリカに戻る事となります。 ロバートとウィリーは、再び戻ってくると、小百合と愛美に誓います。そして、最後に愛するものの名を叫びます。「小百合さん!」と。そう、ウィリーも小百合のことが好きだったのです。 いよいよ、旅立つ日が来ますが、ウィリーは、最後の野球の試合に出たい。だからアメリカには行けないと言います。結局、母とウィリーは日本に残ることとなります。 でも、ウィリーが日本に残りたかったのは、小百合を奪う為でした。 なのに「(最後の試合に出たい)ウィリーの気持ち分かるよ」なんて言う単純な純粋なロバートが可愛そうでたまりません。 ウィリーは小百合に、ロバートから…と、もう戻らないと書かれた嘘の手紙を渡します。信じた小百合に「僕は日本からも貴女からも離れません」と、弱った心に入りこむのです。
・赤い照明の下の日本兵VS米兵の戦場ダンス 戦争の描写はこのダンスで終わらされてます。でも、私も現代っ子だからなのでしょうか、その時代の重さを理解していないからなのですが、スミマセン、凄くかっこよかったです。 米兵のロバート、日本兵のウィリー、2人は敵同士となり、各軍の中央で踊ります。 いやー、ここね、各軍の上官に当たる人たちが兵を率いて、左右のブロックに分かれて踊るんですけど、その上官がかっこいいんですよ。超キチク。 米軍の少佐の、テリー織田(真波)の、斜めに被った帽子の下から見える無表情の冷たい瞳にゾクゾクしました。米軍の登場の音楽が、エレキっぽいのがまたいいんですよ。 そして、日本軍の部隊長、今迄ちゃんと見たことがなかったごまちゃんこと愛輝ゆま君。この公演で凄く気になる存在となりました。日本軍の軍服に、日本刀をかざすのたまんないんだよ。斎藤もこれ好きなんだろうなあ…斎藤の萌えどころとシンクロしちゃったところにサブイボなんですけど、中身なくとも絵ヅラ的な萌えってのはあるよな。そして、このごまちゃん、壮君に激似なんですよ!頬骨が高くてその下が急角度なとことか、鼻とか。興奮しちゃったもんね!
・日米のダンス終わり、全員袖にはけるとき、1人の米兵の少年ジム(梓)が転んで、逃げ遅れます。ここは、南方の日本軍の占領地。彼は日本軍に包囲され、殴る蹴るされ、捕虜となります(見ていて気分悪いです)。ここに、ウィリーの姿が。 日本軍の部隊長に言われ、ジムを見張ることとなったウィリー。 さて、このジムですよ。金髪サラサラヘアーのずるいのなんのってな。そして、体育座りして「マム…」っつった!何それ、卑怯じゃね? ジムは、優しく話しかけるウィリーに段々打ち解け、野球の話で盛り上がります。
・そこに、また部隊長の罵声が聞こえてきます。酒を調達できなかった日本兵、阿川茂(祐輝)を攻め立てます。 超ドSの部隊長と、へっぴり腰で、怯えて肩なんてあがっちゃってて、高い声が震えてる、ヘタレ過ぎな阿川茂。「お前…俺に口答えするのくゎあー!」とビシィバシィ殴るわ倒れた阿川の腹踏むわで滅茶苦茶なド級S…! 又、ヘタレなぐっちょんもいいね。金髪チリパーで、今迄彼も鬼畜のイメージがあったぐっちょんですが、今回のモロ日本人黒髪ストレートヘアが新鮮で、この髪型のせいで、すっかり精気抜き取られ、究極骨抜きヘタレに大変身を遂げてました。いいよいいよ、凄く合う!(嬉しくないだろな) それにしても、ドSと、超ヘタレという両極…好きだな、斎藤も。 部隊長は、ジムと阿川に戦えと、命令します。ジムが勝てば解放、阿川が勝てば今迄のことを帳消しにすると。2人の決闘が始まりますが、ウィリーは見ていられず、空にピストルを撃ち、2人をやめさせます。しかし阿川が、そのピストルを奪おうとし、3人は揉み合いになり、ウィリーは誤ってジムを殺してしまいます。「し、始末しとけよ!」と急に動揺して逃げていく部隊長。急にヘタレに。最後が惜しかったな。
第4場「再会−遅すぎた恋人達−」 ・戦争が終わり、日本へ帰ってきたロバート。 身に着けているのは、米の軍服。彼が帰ってきたのは極東軍事裁判のため。戦争に勝った方が正義だと言う上官テリー織田に、二つの血が流れる自分にはそれは違うと言うロバート。「君は危険な思想の持ち主だ」と、目をつけられる。 このそらちゃんが無表情の大きな瞳が怖くてね。去り際につばを吐き捨て、英語で何か卑下する言葉を吐き捨て、それが凄く嵌ってて、この人はとことん最強Sが似合う。
・その後、母親と再会し、ウィリーが戦犯容疑で捕まってることを知る。 ウィリーを助けてと泣き崩れる母。 それにしてもこのときの母恭子の格好が、モンペ姿で髪も乱れててね。あんなに綺麗だったのに…戦争で苦労したのと、歳を取ったのが良く分かって、悲しくなりました。
・そして、かつての恋人小百合との再会。しかし、小百合はウィリーの妻となっていました。それを初めて知ったロバート。 小百合は、ウィリーを助けてと、懇願します。 かなめには報われぬ愛が似合うとは思いますが、久々に再会した恋人が兄に奪われてて、その兄を助けて欲しいと恋人だった人に言われる…可愛そ過ぎる。 斎藤作品って、大体主人公だけなんですよね、まともな人間って。 周りは裏切ったり、利用したり、ドSだったり、卑怯者だったり。 真ん中だけ、純粋で真っ直ぐ過ぎるんですよね。そう言う形で、主人公をドラマティックに見せるのはどうなんだろう。微妙だな。
第5場「悲しき乙女達」 ・戦争で、生きていくために夜の女に身を落とすしかなかった女たちの物悲しい歌声が夜の街に響く。そしてそれを買う米兵たち。その中にあの愛美の姿も。 ちなみに、このシーンで一番その時代の雰囲気に合ってるなと思ったのが紫いつみさん。ポーカーフェイスのミステリアスな感じが、正体不明の妖しい美しさを醸し出してて。 それにしても斎藤は、娼婦とかに身を落とす女を描くの好きだね。 愛しき人よでも、ゆらさんが凄いことになってた気がするしな。 この商売をしている愛美は、まだウィリーが好き。「体は汚れても心は乙女のままだ」、愛美の商売仲間由紀子(夢華)も言われます。つーか、この台詞言わせたかっただけじゃ…。愛美が別に娼婦になる必要は、話の筋的にまったくないですしね。
・愛美にお客が来ます。戦争で心に傷を負ったヘタレ阿川です。「金がない男に興味はないよ」と、冷たくあしらわれますが、「おまえに惚れちまったんだよォ…」と、半泣きですがりつく、とことんなヘタレっぷり。 あゆちゃんは、本当にお芝居が上手い。以前のお嬢さん口調ではなく、口調もぶっきらぼうになって、声も心なしか低くなって、その変化をちゃんと演じ分けてます。阿川に「アンタ、奥さんいるんだろ。奥さんを悲しませるわけにはいかないよ…」と、自分の境遇と重ね合わせて呟くところに、切なさを滲ませるのが抜群でした。
第6場A「JUDGEMENT−裁く者、裁かれる者−」 ・拘束されたウィリーを尋ねるロバート。 自分の恋人を奪った、兄を目の前にして、いつも冷静なロバートが我を忘れたようにウィリーに殴りかかるんです。 「もっと殴れ!俺は卑怯者だ!」とウィリー。…ベタですなあ。 看守に止めに入られるまで、ロバートは殴る殴る…。
第6場B「JUDGEMENT−裁く者、裁かれる者−」 ・母と小百合に「ウィリーを助けて!」と、懇願されて、「黙れ!」と叫ぶロバート。 憎い兄。だけど、大事な兄。断ち切れない兄弟の絆。 許しがたいけど、大事なひとが助けてと言う。母が泣いている。 入り乱れる、苦悩から耐え切れなくなって、口を突いて出た言葉。 弱くボロボロになって行く男性と言うのは、とても惹かれるものがあるはずなのですが、実は今ひとつだったんですよね。 ここだけに限ったことではないのですが、結構色んなシーンで唐突に歌に入ったりするんですよね。 この後も急に主題歌に入るんですよ「ヤ〜ングブラ〜ッズ…」と。余韻がないですよね。大事な感情表現なのだから台詞で聞きたかったです。
・ロバートは、兄ウィリーを助けることを決意します。 南方で起きた事件を調査していくと、阿川茂がキーマンとして浮かび上がってきました。阿川に、法廷で証言をして貰うよう頼み込みます。 そして、裁判のシーン。 下手奥の高いステージの上に、テリー織田、上手奥の高いステージの上に阿川茂、下手手前に、ロバート、上手手前に阿川の妻、幸子。そして、中央に、兄ウィリー。 ウィリーの周りでは、追い詰められたウィリーの精神状態を表現すべく、赤いターバンに黒シャツ、黒パンツのダンサー達が踊ります。 このシーンの演出は上手いなと思いました。 どんどん上がって行く音楽のボルテージに、緊迫した空気、切り替わる照明と共に、錯綜する台詞と、5人の感情。「真実を!」とロバート、「夫は何も知らない!」と阿川幸子、そして、テリー織田は決意した阿川茂の心をゆるがせるような事をそそのかす。揺れ始める阿川の心。 そして、阿川の証言。「殺しました…三浦が!」と、指差す阿川。心の弱い阿川に言える筈がなかった。
第7場「雪の血漿」 ・裁判が終わり、結果を告げに小百合を訪ねる、ロバート。 判決を聞き、揺ぎ無く真っ直ぐな瞳で「さだめよ」と言う小百合。 真っ赤な夕陽を背景に、背中合わせで立つ、かつての恋人同士。 そっと、小百合の手を取るロバート。背中合わせのまま手を繋ぎ、「私達は擦れ違ってばかりね」と小百合。 ここで、ガバッ!とか抱き合ったりしないんです。ただ手を繋ぐだけ。だからこそ、本当に美しい絵でした。切ない。 「悔いは、ありません」強く、そう言った小百合。 「二度と会うことはないでしょう」と言い、去り行く小百合。そして、銃声が…。そう、小百合が自殺しちゃうんですよ。ここ、納得いきませんよ。 斎藤は、自殺が最高の美学とか、最高の愛情表現だとか思ってるのかな。 何だかやりきれないです。簡単にインパクトを出せる方法なんだろうけど、ちゃんと他の方法考えようよ。 でも、さゆちゃんの小百合は、昔の戦後の映画女優さんのような、正統派で、清潔感があって、それで芯が強い女性。現代っ子でありながら、その雰囲気を出せるところが凄いし、そう言うのが分かるのって、舞台人としてやっぱりセンスがあるんですよね。それに、光り方がやっぱり違うんですよね。本当のヒロインタイプなんだなあと思います。
・呆然と立ち尽くす、ロバートのもとに、テリー織田がやって来て「残念だったなあ」と嫌〜な感じで言ってきます。 そして織田は、「ああ、それから、俺は、お前が、だぁいっきらいだぁ」と、キモ〜くゆっくりねちっこくロバートの耳元でささやき、高笑いで去っていきます(物まねできます)。 そらちゃん、この人なんか凄いですよ!何考えてるんだか分からないような掴み所がなくて、でも凄く危険なにおいプンプンさせられるんですね。キチクで変態が凄く出来るタイプ。 …つーかね、何か、壮君のキャラに似てきたよ。さすがAB型一人っ子の会員だなあと、妙に納得してしまいました。
・ロバートは、ウィリーの最後の面会に行きます。 そして、小百合の髪の束を、ウィリーに手渡します。号泣するウィリー。 あの頃に戻りたいな…と呟く、ウィリーに、戻ろうと言うロバート。 すると、真っ暗な舞台から、背景に真っ青な青空が広がるんです。後ろの高いステージには、少年時代のロバートとウィリー。そして透き通る影コーラス(多分さゆちゃん)。 泣き崩れるウィリーを後ろから抱きしめるロバート。ただひたすら楽しく、美しかった少年時代を思い出して、涙を流します。 そして、訪れた死刑執行。 目隠しをされ、処刑台へと向かうウィリー。 つーか、目隠し好きだな! そして、処刑代でウィリーは叫びます。「小百合!」 ロバートも叫びます。「兄さん!」 …は? かなり納得いかないんですけど。だって、さっきまで少年時代に思いを馳せて、やっと兄弟の絆が戻って、兄弟愛を確かめ合ったんですよ。 なのに、この期に及んで、「小百合!」だ?感情が擦れ違っちゃってるじゃないですか。 そして、幕が下りる。…と、下りきる直前で、信じられないことが。目を疑いましたが、ロバートが…おもむろに、ピストルを出し、こめかみに…。 そして、幕。 えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!! 本当にありえないんですけど!! ロバートが自殺なんてするわけないじゃないですか。 最後には憎い兄を許して、助けようとしてあげるような、優しくて、真っ直ぐで純粋な人がですよ、感情に身を任せて自殺するわけない。 しかも最後の面会で、父さんは、退職してすっかり野球も見なくなった、母さんはすっかり体は弱くなった、なんて言ってるんですよ。そんな話をしておいて、その直後に両親を置いて自殺すると思いますか? まだね、両親も戦争で死んでるのなら、小百合も死んでるし、兄も死のうとしている、自分の周りに誰もいなくなってしまったならそうなっても。 小百合の自殺もそうだけど、自殺で物事を解決させりゃいいってもんじゃない。今回の斎藤君の扱う自殺は唐突で安易なんですよ。 ラストのギリギリまでは良かっただけに、非常に、後味が悪くて、残念です。 見た目の演出の上手さは、素晴らしいなと思います。でも、役に命を吹き込んで欲しい、そう思いました。
【カーテンコール】 11時…「友の会の会員の皆様、ご観劇、有難うございました!」でした。まあフツーだな。 14時半…「祐輝千寿、前へ」と、かなめが一歩前に出させて、「今日は祐輝千寿の誕生日です!」と! そして、高速ハッピバースデートゥーユーを出演者全員で歌いました。 ぐっちょんは「今日、この舞台に出られたことが何よりもの誕生日プレゼントです」と。いい子だNa〜!
長くなりました(汗)。読んでくださった方、有難うございました。明日の日記にて、ショーの話をしたいと思います。
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