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2008年07月07日(月)
「僕は長年連れ添っている夫婦に、どうすれば結婚を続けられるのかと訊かずにはいられなかった。答えはみんな同じだ」

『最後の授業〜ぼくの命があるうちに』(ランディ・パウシュ+ジェフリー・ザスロー著、矢羽野薫訳・ランダムハウス講談社)より。

(膵臓癌の転移で46歳の若さで余命半年と診断された、カーネギーメロン大学教授、ランディ・パウシュさんの大学での「最後の授業」について書かれた本の一部です)

【僕は普通より1年早く就寝在職権を認められた。それはほかの若手を感心させたようだ。「早かったじゃないか。秘訣を教えてくれよ」
 そう言われて僕は答えた。「簡単なことだよ。金曜日の夜10時に僕のオフィスに電話してくれ。そうしたら教えるから」(もちろん、当時の僕にはまだ家庭がなかった)
 近道を探す人はたくさんいる。僕は、最高の近道は長くかかることを知っている。一生懸命にやること、それだけだ。
 僕の考えでは、人より長い時間働けば、それだけ多くのことを学べる。より効率的になり、有能になり、幸せにさえなれる。一生懸命にやることは、銀行口座に複利がつくようなものだ。見返りは、より早く貯まる。
 同じようなことは仕事以外の人生についても言える。大人になってからずっと、僕は長年連れ添っている夫婦に、どうすれば結婚を続けられるのかと訊かずにはいられなかった。答えはみんな同じだ。
「一生懸命にやってきたから」】

〜〜〜〜〜〜〜

 「学問に王道なし」という言葉がありますが、このパウシュ教授の話を読んでいると、本当にそうだなあ、と痛感させられます。
 この話、仕事に関しては、正直、「まあそうだろうねえ」と、ちょっと食傷気味で読んでいたのですが、最後の「長年連れ添っている夫婦の『結婚を続ける秘訣』」については、すごく感心するのと同時に、反省もさせられました。
 とりあえず好きだから結婚したのだし、なんとなく、結婚すれば幸せになれるだろう、と思っていたのに、現実は……ということって、けっして少なくないはずです。
 いままでの生活習慣が異なる「他人」と一緒に暮らしていくというのは、そんなに簡単なことじゃないんですよね。
 「結婚がうまくいかなかった理由」として、「性格の不一致」や「親族との関係」などが挙げられることが多いのですが、もちろん、そういう要素はあるとしても、「うまくいっている(ように見える)夫婦」のほうが、よりいっそう「一生懸命に努力している」ことは、知っておくべきなのかもしれません。
 「相性」や「直感」で結婚することはできても、それを続けていくためには、やはり、それなりの「努力」が、お互いに必要なようです。
 ダイエットと同じで、この「一生懸命にやり続けること」がいちばん難しいからこそ、みんな「近道」を求めてしまうのですが、結局のところ、「人間関係にも王道なし」ということなのでしょう。