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2007年02月22日(木)
「鉄道ファン」と「女性専用車両」

『女子と鉄道』(酒井順子著・光文社)より。

(「晩婚・少子化と女性専用車両」という項の一部です)

【新聞を読んでいたら、読者の声欄に「飛び乗ったら女性専用車両」という題の、男性からの投稿が乗っていたのでした。
 海外在住のその日本人男性が、日本滞在中に電車に飛び乗って座ったら女性専用車両で、隣の女性から注意された、と。彼は、
「だが注意を受けるまでも受けた後も、その車両に乗り合わせた女性たちの一様に困惑し、うつむき続ける対処の仕方はあまりにも受動的、画一的で、疑問に思えた」
 とし、さらには、
「(痴漢問題は)男性全員を痴漢予備軍におとしめ、女性を専用車両という保護下に置くことで解決したのだろうか」
 としてある。ま、電車に飛び乗ったら周囲は女ばかり、おまけに注意までされたら、
「あまりに受動的で画一的」
 と反撃したくなるのも、
「次の駅まで針のむしろに座る心境となった」
 というのも、ごもっともというところでしょう。
 また別の新聞投稿では、「先頭車両から閉め出さずに」というタイトルのもと、男性鉄道ファン(39歳)の意見が記されていたのでした。何でも、彼が久しぶりにとある鉄道に乗って先頭車両の運転室のすぐ後ろのかぶりつき席を目指したところ、そこは女性専用車両になっていた、と。そこで彼がどうしたかというと、「ためらいましたが」「乗車し運転席の後ろに立」ったというではありませんか。
 当然、運転士や職員に注意されたにもかかわらず、彼は果敢にもその度に事情を話して乗車を認めてもらった(!)そうなのですが、同時に「自分のわがままを反省」もしたのだ、と。しかし彼は反省しつつも「先頭車両から鉄道ファンを閉め出さずに、ラッシュ時間以外は乗れるようにしてほしい」という、非常に大胆な要望を書いているではありませんか。「鉄道ファンとそうでない男をどうやって見分けろというのか」など、突っ込みどころ満載のこの投書ですが、鉄道ファンの熱い思いを知る一助にはなった。女性専用車両の導入は、思わぬところで鉄道ファン達を傷つけていたのですね。】

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 映画『それでもボクはやってない』で、痴漢事件の裁判の実態を観て以来、僕としては、「痴漢冤罪の危険を考えれば、いっそのこと全部「男性専用車両」と「女性専用車両」に分けてしまったほうが良いのではないか?などと考えてしまうのですが、「女性専用車両」の導入のおかげで、「鉄道ファン」がこんなつらい目にあっているとは思ってもみませんでした。
 「鉄道ファン」ではない僕としては、「運転室を見るために、周囲の女性達の白眼視に耐えつつ女性専用車両に乗り続ける(しかも、注意されるたびに「事情説明」までして!)なんて、ちょっと信じられないというか、周りも「認めた」というよりは、「こういう人には関わらないほうが安全だと判断した」だけのような気もするのですけど、ここまで実際の行動に移すことはなくても、悲しい思いをしている鉄道ファンというのは、けっして少なくないのかもしれませんね。
 しかしながら、酒井さんも書かれているように、「鉄道ファンは『女性専用車両』であっても先頭車両に入ることを許す」というようなルールが非現実的であることは間違いありません。
 おそらく、この39歳の鉄道ファンも頭ではわかっていながらもこんな要望を出さずにはいられないのでしょうけど。
 実際は「先頭車両以外を女性専用車両にする」というのがいちばんの解決方法なのかもしれませんが、やっぱり「わかりやすい車両が女性専用」でないと非効率的であることも事実で、そういう意味では、「先頭車両」が選ばれるのはやむをえないことなのでしょう。「最後尾」だと、何両編成かによって乗車する場所が違ってきたりもしそうだし。

 「女性専用車両」というのは、痴漢被害の現状を考えるとやむをえない選択だと僕は思うのですが、その一方で、マイノリティである「鉄道ファン」がこんなに辛い目にあっているのかと思うと、やっぱり少し寂しくなりますね。いっそのこと「鉄道ファン専用車両」とか作ってあげてほしいものです。