初日 最新 目次 MAIL HOME


活字中毒R。
じっぽ
MAIL
HOME

My追加

2006年09月27日(水)
児玉清、「アタック25」の長寿の秘密を語る

佐賀新聞の記事「児玉清さんインタビュー」より。聞き手は峯岡浩子さんです。

【峯岡:児玉さんが司会を務める「パネルクイズアタック25は、今年で32年になる長寿番組。最近はお笑い芸人の博多華丸さんが司会の様子を物まねして話題となり、番組もさらに注目を浴びているようですが、ここまで長く続く魅力をご自分でどう分析されますか。

児玉:2つあると思います。1つは番組が目立たなかったことです。パッと人気が出ても、必ず、そのあとは下降線をたどるだけですから。クイズマニアに支えられて、気がついたら長く続いていたという一番いいパターンでここまできました。そういう意味では最近、華丸さんのお陰で注目されるのは、有り難く嬉しい半面こわくもありますが。

峯岡:2つ目はなんですか。

児玉:この番組は人生そのものなんですよ。回答者1人が調子よく答えていても、途中でリズムを崩す時がある。別の人の調子が出てきて、予想と違う人が勝ってしまう。山あり谷ありです。また最後の一問で、赤が答えれば青に大逆転勝ちという時に、今まで全然答えてなかった白がポンと正解を答えて終わってしまう。人生の縮図がそこにある。勝負の分かれ目の時に答えが分かっていても、「もし、間違ったら」とボタンを押せない人がいるんですよ。収録が終わったあと「あの時、押していたら」「押していれば」というわけです。後悔は先に立たず。間違いを恐れず、勇気を持ってボタンを押すことが、人生においても必要ですね。】

〜〜〜〜〜〜〜

 博多華丸さんのネタであらためて注目されている、この「パネルクイズ・アタック25」なのですが、華丸さんのネタがあれだけ多くの人に受け入れられるのも、「アタック25」そのものが「誰もが一度は観たことがある番組」だからなのですよね。僕は今まで「あっ、『アタック25』観なくちゃ!」と思ってチャンネルをあわてて合わせた記憶は一度もないのですが、それでも、けっこうこの番組を観ているのです。日曜日の昼間という時間帯もあり、それほど高い視聴率を期待されているわけではなく、スポンサーも理解があるのかもしれませんが、それにしても、「アタック25」よりも、はるかに人気があるクイズ番組はこの30年あまりの間にたくさんあったのに、ずっと生き残り続けたのは、この「アタック25」だけなんですよね。最近は、「実力勝負の視聴者参加型クイズ番組」というのは、ほとんどみられませんし。
 この、児玉さんが「アタック25」について話されているインタビューを読んでみると、児玉さんは、「目立たず、一気に消費されなかったこと」と「シンプルだけれども、『人生そのもの』を反映しているシステム」が、「アタック25」をここまで長続きさせてきた原動力だと考えておられるようです。僕はテレビの向こう側の解答者に「ここでなんで勝負しないのかなあ」なんてついつい言いたくなってしまうのですけど、実際は僕自身も「勝負の分かれ目の時に答えが分かっていても、『もし、間違ったら』とボタンを押せない人」なのです。
 「勇気を持ってボタンを押さなくては!」と思いつつも、間違って「ここで立ってしまわれたっ!」と児玉さんに言われたら恥ずかしい、という逡巡って、やっぱりありますよね……