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2006年03月01日(水)
リリー・フランキーさんが「20歳のオレに言いたいこと」

「週刊アスキー・2006.3/7号」の対談記事「進藤晶子の『え、それってどういうこと?』」より。

(『東京タワー』がミリオンセラーとなった、イラストレーター/文筆家のリリー・フランキーさんと進藤さんの対談の一部です)

【進藤:あのぉ、リリーさんの1日のなかで、エロ時間ってどれくらいなんですか。

リリー:いろいろなエロがあるけど。

進藤:ぜーんぶ、ひっくるめて。

リリー:具体的には計ったことないしなぁ、たぶん平均的だと思います。

進藤:ふーん、平均的なんだ?

リリー:まあ、オレの場合、1日中エロ時間と言えば言えなくもないけど(笑)。あとそうね、原稿もイラストも手書きで、メールもしないから、パソコンで作業することはほとんどないんだけど、17インチの『パワーブックG4』を持ってて、エロサイトからエロ動画をダウンロードするだけに使ってるんですよ。

進藤:それ、全部保存してるの?

リリー:内蔵ハードディスクがもうパンパン。そのためにハードディスク増設したほどだし(笑)。でも観返したりはしないんで、ためておくだけなんだけど、それをゴミ箱に捨てる勇気は持っていないし、無料動画ってところがセコいんだよね(笑)。

(中略)

進藤:週アス読者に向けて、なにかメッセージをいただけますか。

リリー:まず20代の人なら、今、想像している自分の40歳の姿なんて、まるで当てにならないと言いたい。

進藤:どういうことですか?

リリー:20代のときの40代像って、まともに結婚して子どももいて、立派になってるイメージがあると思うんだけど、そんなことはない。

進藤:リリーさんがそうだったの?

リリー:だって20歳のオレが、今の自分を見たらビックリするもん(笑)。20歳のオレに言いたいね。「20歳のお前より、42歳のオレのほうがオナニーしてるし、もっとワガママになってるなんて信じられるか」とね。

進藤:理想像にしがみつくなと。

リリー:10代や20代が思う大人像なんて、たぶん実在しないんですよ。】

〜〜〜〜〜〜〜

 『東京タワー』以前に、「ココリコ・ミラクルダイブ」などに出演されていたリリーさんを観ての僕の印象は、「なんかしょうもないエロオヤジだなあ……」というものでした。いや確かに、あの「脱力感」みたいのはものすごく新鮮で、「ギラギラしていないエロ」っていうのは、けっこうインパクトがあったような気もしますけど。
 そのリリーさん、『東京タワー』で、まさに「時の人」となっています。サイン会には若い女性がたくさん押し寄せてくるらしいです。
 でも、このインタビューでの「エロ動画を保存するためだけにパワーブックG4のハードディスクまで増設してしまうリリーさん」には、なんだかとても親近感がわいてきます。僕の場合は「エロ動画」ではないのですが、確かに、ネット上で見つけた面白い動画とかって、なかなか捨てられないんですよね。そして、わざわざ保存しているわりには、本当に観ないのですよこれが。それこそ、必要なときに、またネットで探せば見つかりそうなものなのに、それでも「ゴミ箱」に捨てられない。そういえば、うちのDVDのハードディスク内もそんな感じです。あれだって、映画などは、必要なときにレンタルビデオ屋に借りに行けば済む話のはずなのですが。
 確かに、10代の頃の僕は、自分がそんな「セコい大人」になるなんて、想像していませんでした。
 僕はいま30代半ばなのですが、この時点で既に、20歳くらいのときに想像していた自分の姿とあまりにかけ離れてしまっていることに愕然としています。もっと仕事熱心で、もっと社交的で、もっと人に一目置かれる人間になっていたはずなのに…これは悪い夢なのだろうか?
 実際にやっていることは、20歳の頃とそんなに変わらなくて、時間がないのとお金が少しはあるために、かえってタチが悪くなってしまっているような面すらあるのです。それこそ、結婚でもすれば、違うのかもしれませんけど……
 でも、さすがに「20歳のお前より、42歳のオレのほうがオナニーしてるし、もっとワガママになってるなんて信じられるか」というのには、ちょっと僕も絶句してしまいます。ワガママのほうはともかくとして……