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2006年02月16日(木)
ある人気若手俳優の「隠し子」という選択

スポーツニッポンの記事より。

【俳優山田孝之(22)に隠し子がいることがスポニチ本紙報道で明らかになった15日、山田は公式ホームページ(HP)でその事実を認めた。すべて「自分自身の未熟さゆえ」とし、子供の母親(22)と結婚しなかったことは「彼女も、ご家族も理解してくれた」と説明。母子には「精いっぱいの誠意で接していこうと思っております」と心情を明かした。
 山田はこの日、都内で主演中のTBSドラマ「白夜行」のロケに参加。収録を終えた午後8時ごろ、HP上でファンに対し、経緯と現在の心情を明かした。
 子供の母親である女性とは「結婚を前提という気持ちで、一昨年前から交際させていただいておりました」と告白。そして昨年春、女性から妊娠したと告げられた。
 結婚、出産について「2人で話し合いを重ねてきた」結果、子供を産み、女性が育てていくことで合意。「父親になり、家庭を持ち、役者を続けていくこと、どうしてもうまく自分自身の中で折り合いがつかず…」と、当時の苦しい胸の内を吐露し、「別々の道を歩いていくことを彼女はわかってくれ、ご家族も理解してくれました」と“未婚の父”になった経緯を説明した。
 スポニチ本紙の取材によると、話し合いは円満で、専門家に生活費や子供が成人するまでの養育費を試算してもらい、すべて山田が負担。結婚に至らなかった意味での“慰謝料”も支払っている。
 今後について、山田は「彼女と子供に対して、できる限り精いっぱいの誠意で接していこうと思っております」と固い決意。子供の母親であるかつての恋人は、家庭を捨ててまで選んだ道で成功することを願っており「役者として精進し、ご心配、ご迷惑をおかけした皆様にあらためて認めていただける自分になりたいと思います」としている。】

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 僕もこのニュースを見て、正直ちょっと驚きました。「隠し子」なんて、あまりに前時代的なのではないか、と。歌舞伎界の「梨園のルール」的なものが(彼らの中では)残存している市川新之助さんや市川染五郎さんならともかく、あるいは、大物政治家とかならさておき、テレビで高校生の役をやっているような、若手人気俳優の山田孝之さんが、その「隠し子」の父親だなんて。
 この記事を読んだ人は、いろいろな反応をしています。「山田くんがそんな酷いことを…」と嘆くファンの人がいれば、「人でなし!」と叫ぶアンチもいます。まあ、同世代とか若いファンからすれば、やはり、少なくとも好感度がアップするエピソードではないですよね。
 それとも、ファンというのは「山田くんが結婚しないでいてくれて良かった!」とか思うのだろうか?

 今はもう中年男になってしまった僕からすれば、彼の選択は、あんまり賢明なものではないように感じます。山田さんは「俳優」と「父親」は両立できない、と言っていたみたいだけど、「やってみればできないことないんじゃない?」とか、僕はつい考えてしまうのです。あるいは、そんなに「俳優の仕事に邪魔」ならば、不謹慎ながら、堕胎という方法だってあったはずなのに。
 例えば、高校時代に「受験勉強のために別れた」なんてカップルの話をけっこう聞きますが、実際に大学に入ってから思い返してみると、「本当に、勉強のために別れる」ことが必要だったのだろうか」と疑問になりませんか?まあ、実際は、その瞬間には、「そうしなければならない」という強迫観念的なものに囚われていて、「うまく両立する」なんていう選択肢は、ありえないものではあるのでしょうし、そういうのが「若さ」なのでしょうけど。
 もし山田さんが結婚したら、確かに、一時的に人気が落ちるかもしれません。でも、「父親」とか「夫」であることって、そんなに「役者としての人生」にとって、マイナスなのでしょうか。純アイドルならともかく、彼の今のポジションなら、結婚していて子供がいても、そんなに大きなダメージにはならないと思うのですが。そりゃあ、「役者」と「プロ野球選手」の両立は無理だろうけど、「役者」と「夫・父親」って、両立できないことはないはずです。
 これって、自分を愛してくれた彼女に対して、あまりにも酷い仕打ちなのではないかと思うし、「円満解決」なんてありえないような気がします。それに、今の時点では「彼の成功を願ってシングルマザーの道を選んだ」女性だって、これからの人生は長いのだから、この選択が「足枷」になる可能性も十分考えられるはず。
 僕はたぶん、山田さんが、これからどんなに素晴らしい役者になっても、「恋人と子供から逃げた男」だとしか思えないでしょう。「若気の至り」なのだったら、キレイゴトなんて、並べなければいいのに。彼女や子供に本当に必要なのは、「誠意」なんかじゃないはずです。そりゃあ、誠意すらないよりは、はるかにマシなのだとしてもね。
 22歳で「父親」だなんて、困惑するのはわかるんだけど、だからと言って「役者」に逃げるなんて最低です。もしこれで許されるのなら、すごく便利ですね「役者」って。
 まあ、外野としては、さんざん迷った末に「本人たちが決めた結論」なのだから、それが良い結果になってくれるといいね、としか言いようがないのだけどさ。

 でも、もうこれで、人生「リアル白夜行」確定かもね。