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2005年12月23日(金)
「電車男」から、ヲタク男性へのアドバイス

『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)2006年1月号の特集記事「5236人の本好きが選んだブックオブイヤー」より。

(総合ランキング1位に輝いた『電車男』さんへのメールインタビューの一部です)

【編集部>あの、電車男さんはもうオタクではないんですか?

電車男>ヲタクじゃありません!(`・_・´)

編集部>じゃあ本のなかでも電車男さんがエアチェックを怠っていなかった『ふたりはプリキュア』『ケロロ軍曹』は、もう見てない?

電車男>そういえば見てないです。

編集部>実は、『ダ・ヴィンチ』編集部には、23歳、彼女いない歴23年・童貞という、オタク編集者がいます。彼は、電車男さんにエルメスさんという彼女ができたことを羨ましいと思う反面、「裏切り者!」という気持ちもあるようです。彼のような感情を抱くオタクは少なくないと思うのですが、これに対して、電車男さんはどうお考えになりますか? 所詮、負け犬の遠吠えでしょうか?

電車男>多くのヲタクは趣味や萌道を極める為に、収入や時間をつぎ込んだり、萌えキャラに全てを捧げたりするのが当たり前なので、それ以外の事に気を移すのはヲタにとってよろしくないことなんですね。今は特にそういう傾向が強いと思います。でも、全てのヲタがそういう訳じゃないんですしね。普通に恋愛して恋人がいたり、結婚してたりするヲタも世の中にたくさんいます。もし三次元で好きな人が出来たりしても、ヲタだから恋しちゃいけない、しない。とか諦めるとかはすごく勿体無いことだと思います。

編集部>では、恋愛をしてみたい!というヲタク男性にアドバイスを。

電車男>勇気を持って行動することでしょうか。他にも自分を磨くことや、誰かに相談することなど。他にも相手に迷惑をかけないように心がけるとか。あと、自分の話ばかりしないで、相手の話をよく聞いて関心を持つこととか。】

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 今年、2005年に社会現象になった「電車男」。その真贋については、いろいろと言われてはいるようですが、「女性に縁のない男が、努力して素敵な女性の心を射止める」という純愛ストーリーは、王道であるだけに多くの人々の心を捉えました。ネットや書籍の「電車男」に比べれば、テレビや映画の「電車男」は、よりシンプルなラブストーリーになりすぎているような気はしますけど。僕は電車男とエルメスの「純愛」よりも、「電車男」がエルメスとの恋を成就させたあとに延々と書き込まれている、「名無しさん」たちのたくさんのアスキーアートのほうに、より感動していたので。それでも、「電車男」によって、「ヲタク」という存在が、良くも悪くも注目された年にはなったと思います。
 「電車男」さんがここで言われていることは、「ヲタクにもいろんな人がいる」ということであり、それはもう、厳然たる事実だと思うのです。「電車男」を読んで、「うらやましい…」と思ったヲタクもいたでしょうし、「裏切り者!」と思ったヲタクもいたように。女性にだって、「浮気よりヲタク趣味のほうが安全」だという人だっているそうですし。もちろん、フィギュアに負けるなんて…という悲劇的な状況だって起こりうるのだけど。

 このコメントで僕がいちばん印象に残ったのは、【自分の話ばかりしないで、相手の話をよく聞いて関心を持つこと】を電車男がヲタク男性たちにアドバイスしていることなんですよね。僕にもその傾向があるのですが、ヲタクの弱点というのは、「コミュニケーション慣れしていないために、『自分が何か面白いことを言わなければ!』と気合が入りすぎてしまう」ということなんですよね。実は、コミュニケーションで大事なことは「自分が面白いことを言う」だけじゃなくて(というよりむしろ)、「相手の話を面白そうに聞いてあげる」ということなんですよね。そりゃそうですよね、どんなに話が面白くても、こちらの話に全然聞く耳を持ってくれない人とは、長時間話すのは辛いもの。
 でも、【電車男>ヲタクじゃありません!(`・_・´) 】って、そのリアクションは、やっぱりヲタクだろ!と思ったもの事実なんですけどね。
 ヲタクの魂、百まで、だよなあ。