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2004年06月17日(木)
「もっとも子どもに見せたくない番組」

共同通信の記事より。

【日本PTA全国協議会が16日公表した調査で、親の26%が「子どもに見せたくないテレビ番組がある」と答え、トップには「ロンドンハーツ」が挙がった。
 調査対象は小5と中2の子どもと親。見せたくないとした親の17%が「ロンドンハーツ」を挙げ、次いで「水10!」が13%、昨年トップの「クレヨンしんちゃん」は11%、「志村けんのバカ殿様」が7%だった。
 理由は「ばかばかしい」「常識を逸脱」「言葉が乱暴」など。
 だが、親が見せたくなくても実際には子どもが「いつも見ている」「たまに見ている」と答えた割合は「ロンドンハーツ」が全体の50%、「バカ殿様」は80%に達した。
 親の6%は「サスペンス番組」も「残酷な場面が多い」「生命を軽んじる」として、見せたくないと答えたが、子どもの38%が見ていた。
 逆に「親が見せたい番組」のトップは「プロジェクトX」の27%で、2位の「どうぶつ奇想天外!」「その時歴史が動いた」の10%を大きく引き離した。】

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 僕は最近「8時だョ!全員集合」のプロデューサーが書いた本とか、アニメ「北斗の拳」の制作の人のインタビューとかを立て続けに読んだのですが、この「子どもに見せたくない番組」にランクインするというのは、制作サイドにとっては複雑な感情みたいです。
 ひとつはもちろん、社会的非難を受けているという辛い気持ち。でも、その一方で、「自分たちの番組も、ここまでメジャーになったか…」という感慨もあるみたいなのです。社会的影響力がある、とでも言えばいいのか…
 それにしても、「クレヨンしんちゃん」や「バカ殿様」に対して「バカバカしい」とか「常識を逸脱」なんていうのは、それで怒るほうもなんだかなあ、という気もします。もともとそういう「バカバカしさ」や「非日常性」を追求している番組なのにねえ。
 「8時だョ」のプロデューサーは、こんなことを書いていました。「子どもは、大人が観ても面白いものだからこそ観たがる。『子供騙し』には引っかからないよ」と。
 僕が子どもの頃を思い出してみても、確かに、子供向け番組に対しては「こんな子どもっぽいの、面白くない!」とか感じていたような気がします。大人が「子供向け」と称してつくった「清く正しい子ども番組」というやつには、全然食指が動きませんでしたし。

 ただ、「ロンドンハーツ」と「水10」は、「子どもに見せたくない」って気持ちはちょっとわかるなあ。僕は「ロンドンハーツ」は、面白いとは思うけど観たらなんとなく自己嫌悪に陥るし、「水10」は、けっこう番組のネタのなさをイジメでカバーしようとしているような気がするから。でも、「子どもに」というか、「自分の好きな人には、こういう番組を喜んで観てほしくないなあ」とは感じます。
 まあ、「子どもに観せたくない番組」と決められるということは、少なくとも親の側は「観ている」か、最低でも「観たことがある」のは事実でしょうからねえ。
 本当は、「オトナはバカな番組観てるよなあ…」なんて、子どものほうが内心バカにしながら観ていたりするものなのかも。

 ところで、「残酷な場面が多い」「生命を軽んじる」のが問題ならば、本当に「もっとも子どもに見せたくない番組」は、「ニュース」なのではないかな、と僕は思うんですけどね。