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2004年03月03日(水)
どうしようもない「共働きの食卓」

「週刊SPA!」(2004.3/2号)の特集記事「実録・20→30代、『フツーの食生活』白書」より。

(建設会社勤務・34歳の夫と小学校教師・32歳の妻、そして保育園に行っている3歳の娘、という家族の場合。家で夕食を摂るのは週に2日くらいで、それ以外の日の夕食は「ジョナサン」「デニーズ」「手づくりうどん味の民芸」の3軒のローテーションとのこと)

【<ファミレス通い>
妻「ホテルで食事なんて言うと、夫が『なんで食べ物にそんなに金をかけるの?』って。ボーナスや誕生日でも、『カニ道楽』ぐらい。チェーン店なら、“子連れお断り”の心配もないし」
 一方、ファミレス食生活に対して、恵一さんに文句はないのか。
夫「文句?誰にですか?ファミレスに?妻に?文句があるなら自分で作れってことだし、僕は自分では作れませんから。働いて、家事も同じようにやれって言われたら、僕はできない。ファミレスは、パスタとかハンバーグとか、メニューが決まってしまうところはあるけど」
 和美さんはそんな食生活を振り返り、力強く笑った。
「昼は毎日給食でバランスいいから、長生きするわって言ってます」】

〜〜〜〜〜〜〜

 この記事そのものは、あまりに「コンビニ・ファミレス漬け」になってしまった日本の20〜30代の若者とその子供たちへの警鐘なのでしょう。僕も読んでいて、本当に耳に痛かったし。
 独身研修医の食生活なんて「何か食べられればマシ」という感じで、食事の時間は不規則で、内容も売店の同じようなメニューの弁当やカップラーメン、菓子パン、なんてのが多かったんだよなあ。
 それは今も基本的には同じで、昼は出前やコンビニ、夜は遅くなるからファミレスか居酒屋やラーメン屋というのが現状です。
 しかし、この記事でいくらライターが嘆いたところで(というか、雑誌のライターというのも、同じような食生活の人が多いのでは、なんて僕は思っているのですが)、どうしようもないよなあ、というのが実感。

 僕は夕食はひとりか同僚と一緒か彼女と一緒、なのですが、どのパターンにしても、「健康的な、いわゆる『スローフード』」なんていうのは望めません。彼女も仕事がいつも遅くて合流したときには22時とか23時、なんてのはザラですから、地方の中小都市ではそんな時間に「ちょっと手の込んだもの」なんて食べるのは難しいですし。毎日高級料理屋に行くわけにもいかないですし、ましてや「作って」なんて言えない。もちろん、僕にも作る技術もなければ、時間もない。
 そう考えると、僕たちは結婚していなくて、子供がいないというだけで、この夫婦を責められないんですよね。ああ、例えば僕たちに子供がいたら、こんなふうなんだろうなあ、とリアルに感じるだけのことで。
 この記事の中では、夫婦は確信犯的に描かれているのですが、実際は内心「このままじゃ良くないんだろうけど…」とは考えているんでしょうけどねえ。

 本当に、「仕事と家庭の両立」というのは難しいことだなあ、と最近つくづく思います。
 「これじゃあ、子供がかわいそう」と言われても、じゃあ、子供のために仕事を辞めたり、仕事をセーブするのが正しいことなのか?仕事をしたい共働きの夫婦は、どちらかが犠牲になるか、家庭を持つことをあきらめなければならないのか?それが、「正しい家族の姿」なのか?
 少なくとも、僕たちには「家族団欒の理想の食卓」は、実現できそうにないような気がします。

 どうしようもない「共働きの食卓」は、なんだかとてもせつない。