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2003年07月01日(火)
結婚式に「仲人」が立てられなくなった理由。


毎日新聞の記事より。

【結婚式で仲人を立てるカップルが激減している。リクルート社の結婚情報誌「ゼクシィ」が01年4月〜02年3月に結婚した全国4350組を調査した結果、仲人を立てた割合は11.5%。先行して調査が行われた関西では、96年の66.7%から10.5%と、6分の1に減った。ライフスタイルの変化や「上司に頼むのは当然」といった職場付き合いの変化などが影響しているとみられ、「消滅するのも時間の問題」との見方も出ている。

 結婚式のスタイルが多様化し、民家風の建物を借り切って行うハウスウエディングや、式を親族だけで済ませて友人同士で「1・5次会」を開くケースなどが、当たり前になってきた。親の世代にも家庭的な雰囲気が人気で、「仲人を入れると堅苦しくなる」と敬遠されがちだ。

 ゼクシィ編集部は「バブル崩壊後、年功序列や終身雇用といった仕組みが崩れ、上司と公私ともに生涯付き合うという感覚が薄れている」と分析する。あるホテルのブライダル担当者は「いまや仲人を立てるのは、大学の医局勤務の医師ら限られた人だけ。下手に上司に頼めば転職の足かせになりかねないという世の中ですから……」と話す。

 一方で、古き良き伝統として惜しむ声も。服飾評論家の市田ひろみさんは「仲人は本来、夫婦の結婚を社会的に証明し、生涯心の支えとなる日本独自の存在。わずらわしさを理由に無くなっているとすればとても残念」と話している。】

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 僕自身は、仲人を立てない結婚式が、ここまで一般化しているという認識はありませんでした。まあ、自分が結婚したことがないから、深刻に考えたことがない、っていうのも事実だし、もうひとつ、僕がいままで参加した結婚式の大部分が、まさにこの「いまや仲人を立てるのは、大学の医局勤務の医師ら限られた人だけ」の限られた人だったものですから。
 こういうことから考えると、大学の医局というのは、日本社会のなかでも、かなり旧体質が依然として残っているところだといえるんでしょうね。
 実際、教授に仲人を頼むとけっこうお金がかかる(もちろん、あからさまに要求されるわけではないですが)という話も聞きますし。
 もっとも、医者の世界でも、最近は「地味婚」というのがけっこうあるのです。やりはじめたらキリがないところがあるので(同じ医局や職場の人など、膨大な数になりますから)、家族とごく親しい友人のみの小規模な結婚式というのも最近は増えてきたような気がします。
 
 僕自身は、結婚というものに対して、当人同士の意向が反映される時代になってきたのは、良いことだと思うのです。実際は仲人を自分たちの意思で立てたいと思うカップルは、あんまりいないんじゃないでしょうか?
 たぶん、こんなふうに「仲人」が減ってきたのは、自分たちが結婚するときに「仲人なんて立てなくても…」と思いつつ、「家」の意向に押し切られていた夫婦の子供たちが結婚する時代になった、ということなのでしょう。
 社会制度が変化していくには、やはり何世代かが必要なようです。

 市田さんの言われることも一理あるのですが、親の友達の議員さんとか、職場の大学教授が、生涯の心の支えになってくれるなんて思えませんし。
 でも、2人がお世話になった学校の先生とか、そういう仲人は、あってもいいとは思うのですが。
 
 「絶対仲人が必要」というよりは、「必要なら立てればいい」という風潮は、僕は自然な時間の流れだと思いますし、たぶん、これからもこの傾向が変わることはないでしょう。
 離婚率の上昇傾向も、たぶん変わることはないでしょうけど。