猪面冠者日記
今さらだが当分不定期更新

2015年12月02日(水) 黄金のアデーレ 名画の帰還

伏見ミリオン座2 18:10〜20:05 109分

 仕事でセミナーに参加するために午後に離席してセミナー後はそのまま直帰の予定だったんだけど、思いの外セミナーが早く終わった。おおこれなら「黄金のアデーレ 名画の帰還」の夜の回に行けちゃうんじゃない? しめしめ。とにかく早く帰れたおかげで明るいうちに太鼓を散歩に連れていけた。また今日はあったかいこと。上着の下で長袖二枚重ね着しているせいもあって、上着はいらないんじゃ、というくらい。

 伏見へ。ちなみに今作は27日から上映しています。早めに行けたおかげで整理番号は6。いいねいいね。夕食を上映前にするか後にするか迷うな。ま、結構早く終わることだし、終わった後で映画館からすぐにある広小路キッチンマツヤでがっつり食べようかな。

 さてアデーレと言えばもう、私ゃ泣きすぎて。まったくどうなっているのやら。趣味と務めを兼ねてこの手の映画を見倒し、それなりにうるさいつもりでいる私ですが、最初から最後までこうも泣かされるとは。冒頭でクリムトが「黄金の女」アデーレのスケッチをしている段階からしてゴゴゴときて、その後の回想シーンやらなんやらの時点でもうダダ泣きでやんの。それなりにうるさいって、我ながらどこが。ちょろいです。

 いやしかし言い訳臭いけど、ちゃんと作られた映画だったのは事実。欧州を舞台にした第二次世界大戦ものってほんとたくさんあるけど、中には雑な作りのものもあるしねえ。あと個人的にアメリカ万歳な内容は好きじゃないし。まあこれも主人公が親を捨て、夫と共にウィーンを脱出してアメリカへ亡命したという経緯があるし、何より肝心の絵を取り戻すために、アメリカ側での訴訟を抜きにできないし。ひとまず、劇中のアメリカ万歳は個人的許容範囲内。そもそも、根幹にあるのが両親や故郷との永遠の別れと引き換えにある自分の人生に対する葛藤だし。決して好きこのんでアメリカへ渡ったわけではないということは、最初から最後まで描かれている。だから主人公が奪われてしまったもの全ての象徴としての「黄金の女」なのね。裁判や法律への解釈は添え物に過ぎないのだと思う。

 史実どおり彼女は「黄金の女」を取り戻すけれども、この映画が良心的なのは、作品を取り戻すことはできたけれど彼女の本当の望みはそれではないということを、最後に分かりやすく強調してくれたこと。決してハッピーエンドではないのである。ちなみに帰りにはパンフも買いました。

 当初は広小路キッチンマツヤで食べようと思っていたんだけど、あんまりそういう気分じゃなくなったし、とにかく静かな喫茶店でおいしいコーヒーが飲みたくなったので、地下鉄で一駅乗って、栄の西原珈琲店でスペシャルブレンドと今週のサンドウィッチを。ベーコンとカレーソースを絡めた細切りポテトのサンド。おいしかった。サンドイッチができあがるまで、コーヒーすすりながらパンフレットを読んでました。至福。

 ちなみに映画の元ネタとなった現実の絵画「黄金の女」を巡るあれこれは、結構残念な内容なので、知らない方がある意味幸せではある(笑)。



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