ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年01月08日(日) ロード・オブ・ウォー

監督:アンドリュー・ニコル
出演:ニコラス・ケイジ
    イーサン・ホーク
    ブリジット・モイナハン、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ソ連崩壊前のウクライナに生まれたユーリーは、家族と共にNYに移住し、両親が営むレストランで働いていた。ある日ロシア人ギャングの銃撃戦を目撃したユーリーは、自分が成すべき仕事はコレだ!と戦場に武器を供給する仕事を始める。天性の商才があったユーリーは「ソ連崩壊」という追い風に乗り、瞬く間に世界有数の武器商人となった。だがそんなユーリーに、インターポールのバレンタイン刑事が背後から忍び寄るのだった。


【感想】
実在する5人の武器商人の話をまとめて1人のキャラクターに作り込み、「フィクションでありながらノンフィクション」というリアルな架空の武器商人「ユーリー」の半生を描いた作品。
映画の内容的にアメリカでは製作資金が得られず(当たり前だろう。苦笑)、結局カナダでようやく資金繰りが付いて製作されたという、何ともこの映画に似合うユニーク且つシニカルなエピソード付きです。

社会派ドラマなんだろう・・・と思って見に行ったら、ニコラス・ケイジ扮する「ユーリー」が自分の半生を独白しながら時系列に見せていくという趣向の「なんちゃって自伝モノ」でした。
ニコちゃんファンのぴよにとっては、最初っから最後まで「ALLニコ出ずっぱり状態」なので大満足ぅ♪

まあ・・・全然楽しくない話です(^-^;
この映画見て「面白かったー♪」という感想の人は恐らくいないだろうと思いますが、少なくとも見て損はない。
楽しくも面白くもなく、しかも何の救いもなく更に鑑賞後は何とも絶望的な気分にまでなってしまうのだが、それでも絶対に見て損はない「考えさせられる作品」だと思いましたね。

本作は「反戦映画」とも取れるのかもしれないが、少なくとも映画中に説教染みた反戦スローガンや、銃器所持反対を声高に叫ぶような野暮なセリフは1つも出て来ない。
それどころか、主人公のユーリーは「世界の12人に1丁銃を持っている計算になる。残る課題は1人1丁の世界だ」とまで言ってのけているのだ。
要するに反戦とは全く逆の動きを見せて・・・「何が諸悪の根源か?」を遠回しにチクチク刺すという趣向。

世間では、「反戦モノ・米国コケ下ろしモノ」と言うとマイケル・ムーア監督のようなわざとらしい「直撃ドキュメンタリー」がウケているみたいだけど、ぴよはムーア監督の作品よりもよっぽど本作の方が説得力もあるしリアルに感じるし「怖いなぁ」と思わされましたネ。

怖い話だが、実にユーモアたっぷりにシニカルに見せてくれて飽きない。
ニコちゃんの語りやセリフの一つ一つがまた絶妙で、随分笑わせてもらったんだけど・・・でも薄ら寒くなる程怖いのだ。
ユーリーは「死の商人」「戦争王」とまで呼ばれる大物武器商人だが、「たまたま武器を売る才能があったから」この商売をやっているだけで、彼自身には多少の良心の呵責はあろうが「罪の意識」というモノからは程遠い。

夫が武器商人だと知って詰め寄る妻に、ユーリーは苦しそうに(でも決然とした口調で)妻に語るのだ。
「(武器商人をやっているのは)金の為じゃない。才能なんだ」
・・・このシーンがぴよには一番恐ろしいと思ったし、武器商人達の本音であり、尚且つ今後もこの商売は益々栄える事があったとしても決して絶える事はないだろう、と実感させられる一言でしたね。

ウクライナだけでも、1982年〜1992年の10年の間で320億ドル以上もの武器が盗まれてどこかに行ってしまったという事実があるのを、日本人(世界中の人)はどれくらい認識しているのだろうか?
しかし、インターポールはそれだけの大規模な犯罪がありながら、今だ1人も逮捕したり告訴したり出来ていないのだ。

その理由がこの映画を見れば判る。空恐ろしい現実に目を背けたくない方は、是非本作をお見逃しなく!







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加





 < 前の作品  INDEX  あいうえお順INDEX  次の作品 >


ぴよ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加