Sotto voce
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2012年07月15日(日) 時間を止めた君へ。

肝心なところではいかれぽんちな私の記憶力だが、
興味のあるジャンルと、
車のナンバー、人様の誕生日…など、
なぜか数字に関する事には能力を発揮する。
(だから、日本史の年表覚えとかすごい得意だった)


わけあって、
もう二度と会うことがないであろうかつての仲間や
昔の恋人…などの誕生日すらも覚えていて、
何かの拍子にふっと思い出したりする。


そして、今年も例外なく思い出した。

8年前、31歳で永遠に時を止めてしまった
大切な大切な男友達の誕生日を。

生きていたら、私と同じ39歳。
誕生日が父親と10日違いの、
彼の愛息ももう10歳ぐらい?

彼がなくなって数年は、
遺された家族と連絡を取り合っていたが、
ここ数年は途絶えてしまった。

彼が、ずっとずっと待ち続け想いつづけ、
ようやく結ばれた最愛の女性、
そして二人の間に生まれた一粒種。
彼が愛した人たちは、今も元気でいるだろうか。

そして何より彼は
空の上で元気にしているだろうか。
私たち仲間の記憶の中から
彼の存在が少しずつ消えていく。
彼の時間は永遠に止まってしまったのに
私たちはどんどん時間を重ねていく。

だけど、彼に関すること
…言葉、音楽、紅茶、南林寺の町、それらのキーワードで
突如として彼の面影が記憶のかなたから呼び起こされ、
二度と地上で会うことはないという現実が、激しく感情を揺さぶる。

彼を忘れないことがいいことなのか、悪いことなのか
それはわからない。
でも、いつまで、彼がここにいない現実を突きつけられて
心かき乱されることになるのだろう。

彼と、遠い空の上で再会できるのはいつだろうか。
否、いつか空の上で会うことができるのだろうか?


安積 紗月 |MAILHomePage

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