あたしは午後1時に美容院を予約していた。 ひさしぶりにパーマをあてようと思って。
ずぅっとロングヘアなので、滅多な事ではカットにも行かない。 そういうとこ、めんどくさがりなの。
2時間くらいで終わると言う事だったので、 3時過ぎには逢えるかと思ってた。 が、予想外に時間がかかる。 途中で何度かメールを入れる。
今、あたまが栄螺です。
ほぉ、栄螺なのか。
場所は○○の本屋の近く。
ぢゃぁ、立ち読みにでも行ってみるかな。
午後3時を過ぎてもまだ終わらない。 結局終了したのは午後4時。 急いで、本屋に行く。 メールも当然いれておく。
つのだ☆ひろ かも。泣。
で、どーなんだ?結局。笑。
クリクリにカールされた髪は恥ずかしい。 本屋から出て来た彼が、一瞬笑う。 (あ、笑った!くすん)
あんまり変わってないやうな気がするよ。
ええ、変わったよぉ。でもね、一週間後が勝負なんだよ。
うーん、勝負はもうついてて結果待ちだろ?それは。
どうするどうする。って言いながら、車を走らせる。 masayaが昨日スタバに行ったというので、 あたしも行きたいと言う。
じゃぁ、行こうか?
うん。
日曜日に出かける事など滅多にない。 というか、あたしは出来ないから。 車を止めてスターバックスに行くと、満席。
あたし、キャラメルフラペチーノ。 masayaはアイスカフェラテ?かな。 座る場所がないので、そのまま飲みながら、 適当にお店を見て回る。
100円ショップがあるよ!
鬼門だろ?そこは。
100円ショップをひやかして、あたしはやっぱりちょっと買い物して、笑われて。 masayaは本屋で買いたかった本を見て、東急ハンズでクッションを触って喜んで。
ねぇ、お腹空いたぁ。何食べる?
なんでもいいぞ。
ふたりともなんでも言いって言うと、決まらない。 不二家に行こうとかいいつつ、話しているうちに回転寿司に行く事になった。
なんだかしらないが、彼が変な道から行くので とっても遠回りだ。
いいよいいよ、ドライブだと思え。
思う思う。
日曜日の回転寿司は家族連れで一杯。 待ち時間30分らしい。 名前を書いて、車に戻る。 だって、座るところもないくらいに混んでるもの。 だって、車に居れば、キスもできるぢゃない。
駐車場の車に戻って、キスをする。 でも、人の目が気になるねぇ。 でも、何度もする。
やっと順番が回って来て、テーブル席に着いた。 あたしは、マヨネーズが好きだ。 回転寿司には、マヨネーズが乗った寿司が回る。
こういうのが好きなんだよぉ。
そうか。俺は普通がいいなぁ。
適当にお寿司を頼んで食べながら、 あたしはミュールを脱いで、向いに座るmasayaの太股を つま先で撫でる。 masayaはあたしの脚を撫でる。 席は窓側。
ねぇねぇ、きっと外から見えるだろうねぇ。
うん、見えるねぇ。
そう言いながら、脚先で遊ぶのも楽しい。
お腹一杯になって、珈琲が飲みたいので、となりのマクドナルドへ。 珈琲と煙草。 ああ、おいしい。 ねぇねぇ、デートだね。
そうしてるうちに、もう帰る時間。 あまり夜遅くまではいられないから。 残念だけど、送って。
帰り道。 赤信号で止まる度に、あたしと彼はキスをする。
いいねぇ。
うん。楽しい。
いつもなら赤信号にイライラする癖に、 キスが出来るなら、それも嬉しい。 そうやって、家の近くまで送ってもらって 最後にさよならの軽いキスをした。
ありがとう。 文鳥のようなキスばっかりだけど、 とっても楽しかったよ。
でもねぇ、、、足りない。笑。
本当は二人で出かける予定にしてたのが、 あたしの都合でキャンセルになってしまった。
masayaは今日は仕事はテキトーでいいと言う。
じゃぁ、行く。
朝10時過ぎに駐車場に車を入れる。 天気は雨。 masayaは銀行に行っててまだ車が戻ってない。
コンビニで暇を潰そうと思って入ると すぐに走って来る彼の車が見えた。 ふたりで、ジュースと軽く食べるお昼御飯を買い込む。 雨なので、外に出たくはない。
部屋に入ると6畳の青い部屋は、 干した洗濯物でいっぱい。 洗濯物を横にずらして、少し天井のスペースが広くなる。
畳に横になるmasaya。 あたしも同じように横になる。 横になりながら、煙草を吸って、1本のジュースを飲んで キスをして抱き合って戯れる。
昨日足りなかったもんね。
さうだね。
買って来たパンを食べて、笑う。 80円のハンバーガーは80円の味。 ビーフシチューパンは、、、何の味? ビーフシチューぢゃぁないねぇ。 そうだねぇ。
ハンバーガーの味のキス。 ビーフシチューパンの味のキス。 かぅひぃの味のキス。 デルモンテのジュースの味のキス。 たくさんのキス。
あたしもmasayaもジーンズを脱いでしまう。 素足を絡めると暖かい。
ねぇ、あったかい。
ブラとショーツだけになって、あたしはmasayaのTシャツを脱がせる。 だって、裸の方があったかいんだもん。
相変わらず彼はキスする事が好きだ。 もちろんあたしも彼の好きにされる事が好きだ。 でも、いつも我慢できなくなるのは、あたし。 だから、今日は言わない。
優しいキスが徐々に激しくなる。 彼の重みを身体に感じて、彼の変化を下半身に感じて あたしも熱くなる。
masayaの手が、あたしのブラにかかる。
脱がせるのね?
あい。脱がせます。
次はショーツ。
それも脱がせるのね?
あい。とーぜんでせう。
何も纏わない裸になって、あたしは彼を受け入れる準備をする。
でも。 今日は前から言っていた『勝負』をする日に決めた。 あたしがマグロになれるのかどうか。 最後まで声を出さずに、最後まで自分から動かずに、 それで終わればあたしの勝ち。 勝ったら、あたしは秋の新色の口紅を手に入れる事になる。
感じない方がおかしい。 だから、一生懸命我慢する。 声を出さないように。 動かないように。
masayaは勝負を楽しんでいる。 あたしの反応を見ながら、最初は強く激しく突いて来ていたのに 途中から中途半端な位置での動きを繰り返す。
もどかしくて、涙が出そうになる。
延々と続く中途半端な快感。 時折深く貫かれると、あたしは抑え切れずにみだらな声をあげる。
・・・ああっ、、。
その声を確かめると、彼はまた同じように中途半端な動きを繰り返す。 もう、だめ。ちゃんと感じたい。 masayaの顔を見て、泣きそうになったあたしは彼に御願いする。
もう、負けでもいい。だから、ちゃんとシテ。御願い。
ん?どうしたいの?
ちゃんと。御願い、、、。
そうお願いして、やっと、彼が全部あたしの中に入って来た。 抑えていた声が、抑えていた快感が、溢れ出す。 何度もイッテ、少し動きが弱まった時に あたしは彼の首に腕を回す。
来たいの?
・・・うん。
あたしは上になるのが好きだ。 感じるように動けるし、より深く受け入れる事が出来るから。
ねぇ、もっと、もっと奥まで。
言葉には出せないが、身体がそう欲している。 自然に腰が動き出す。 合わせるように下から突き上げられる。 我慢が出来なくて、大きい波に飲み込まれて、あたしは彼の上に倒れ込む。
はぁ、はぁ、はぁ、、。息が荒い。
もう、ダメですぅ、、。
正常位で最後にもう一度イッテ、彼もあたしの上でイク。 キス。深いキス。 震える身体。快感の余韻。
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終わった後もキスと抱擁は続く。 あたしは、笑いながら彼のペニスを弄ぶ。
ちっちゃいぃ。
そだね。
なんか別物だねぇ。
キスして抱き合いながら、あたしの右手は彼を弄ぶ。 徐々に変化してくるのが、楽しい。 彼の上に馬乗りになる。
入れるの?
入れて、、、。
そう言いながら、自分で導く。 余韻が残るあたしは、徐々に彼を飲み込んで行く。
ああっ、、。
いつも思う。この瞬間が一番好きだ。 彼をあたしの中に感じる瞬間。
ねぇ、全部入った?
ん?まだ。こうだよ。
一番奥まで彼を飲み込むと とても感じる。動かなくても。
ここだ。
masayaは悪戯っ子の様にそう言う。 そう言って下から突かれると泣きそうになる。
座った体位で、彼があたしの肩を押さえる。 一番奥まで届くように。
すごいの。気持ちいいの。
気持ちいい、、。
そうやって、ほとんど動かないのに、 とっても感じる。 奥まで、一番奥まで、そう思いながらあたしは動く。 ゆるやかな動きなのに、 激しいセックスにはない深い感覚がある。
当たるの。奥に。
当たってるね。動いてる。
うん、、。恥ずかしい。
彼は仰向けになる。 あたしはそのまま彼の上で動き続ける。
ふと気付くと彼が繋がった所を見てた。
うーん、ちゃんと見えないね。
ヤダ。恥ずかしいでしょう。
クリトリスを刺激されると、また違う快感。 身体の奥の快感と、クリトリスの快感とふたつが重なって 気が狂うかと思う。
脚を高く持ち上げられて、今度はあたしが下で。 彼の視線が気になる。
ヤダヤダ、、、見ないで。
そう言いながら感じているあたしがいる。 いつもより。
そのままの体勢で、あたしたちは最後にまた大きな快感を得て、 そして、イク。
両脚が、プルプルと震える。 起き上がる事も出来ない。
プルプルしてるねぇ。
はひ。してます。気持ちよかったです。
俺も気持ち良かったよ。
きゅぅぅぅ。masayaくぅん。好きだよ。
堪らなくて、耳もとであたしはそう言う。
ん?嬉しいよ。俺も好きだから。
えへ。ありがとう。 そう言って貰えるとねぇ、嬉しいよねぇ。 負けちゃったけどね。笑。
うむ。努力賞をあげませう。
あい。ありがとうございます。
すごい我慢したのよ。口紅は諦める。
うーん、頑張ったので、今度見てあげよう。
ほんとぉ?嬉しぃ!
ねぇ。1週間くらい彼女と逢わない?
ん?当分は予定はないよ。
んじゃぁ。
そう言ってあたしは彼にキスマークをつけた。 あたしは単純な女なので、こういうのが嬉しい。
身支度を終えてあたしはもう帰らなきゃならない。 masayaが聞く。
水曜日、お誘いしても良い?
あい。良いです。
俺は行く気満々だから。
あたしより、【御殿】なのね?
違うよ。ゆうちゃんと一緒に行くんだよ! 今日は休むつもりだったが、水曜日の為に出動することにしよう。
明日の火曜日は逢えない。 そして、明後日の水曜日は、遠足に行く予定。
でも、だんだん予定が消化されてくと、 とっても淋しいね。 新しい予定、立ててもいいかなぁ。
水曜日は[遠足] 月曜日に、あたしの都合でキャンセルになったお出かけ。 ふたりが気になる、レトロなラブホテル。 前から一度行こうって言ってて。やっとこの日が来た。
火曜の深夜のチャットで詳細を決める。 masayaはウキウキしてる。もちろんあたしもそう。
8時頃に集合って事で。 了解。朝メール入れる。
朝起きるともう携帯にメールが入ってる。意気込みが伝わってくるやうです。 近くのコンビニまで迎えに来てもらう。
おはやう。 おはやう。
出勤ラッシュの時間と重なって、道路は渋滞。 到着まで1時間くらいはかかるのかもしれない。 masayaは渋滞をじっとしてるのが嫌いなので、 あたしの知らない道路を走る。 でも、なぁんとなく遠回りしてるような気もするのだけど。
彼は終始御機嫌で、あたしも御機嫌で、 時たま赤信号でキスをして、手を繋いだり撫でたりして。 そんなことをしてると1時間なんてすぐ。
目的地について一通りホテル街を探検する。 一応、これがメインだから。 目指すは【御殿】。ああっ、外観はほんとに御殿だ!
サービスタイムなので、食料を買い込んで少しばかりのお酒を買い込んで あたしたちは部屋に入る。
ああ、思ったより綺麗だあ。広いねぇ。
畳だぁねぇ。
畳に座布団。 座ってしまうとなんだかほっとした感じになる。
いいねぇ。 うーん、いいねぇ。マターリしそうだぁ。
部屋には石灯籠。壁は石壁。 お金がかかってそうに見える。昔は最高級のラブホテルやったんかなぁ。 そんなことを言いながら、ふたりでデジカメでパシャパシャと画像を撮る。 masayaは嬉しそうだ。子供みたいにはしゃいでる。
ねぇ、お風呂入る? いいねぇ。
バスバブルでお風呂に泡が立つ。 一緒に浸かって、抱き合ってキスをする。 向かい合って抱き着くと、あたしの背中がお湯から出る。 寒くないようにmasayaは時折お湯をかけてくれる。 背中を撫でる手が優しくて、ほっとする。 しばらく、お湯とmasayaとあたしは戯れる。
お風呂から上がって、ベッドに行く。 少し飲んで、煙草を吸って。
煙草を吸うあたしにmasayaは悪戯する。 壁にもたれて座るあたしの太股を撫でる、触る、 唇が太股から徐々に上に上がって来る。 舌の動きに、身体がびくっと反応する。
まだ、煙草吸ってるのに、、、。
俺はこっちのがいいんで。
敏感な部分でmasayaの舌が跳ねる。 堪え切れなくて、あたしは声を出す。
・・・は、あぁ。
溜息のような、吐息のような、そんな声が自然に出る。
煙草を吸い終わって、あたしは彼に身をまかせる。 相変わらずキスが好きだ。 いつまでも何時間でも、キスをしていたいと思う。
ホテルという場所だからだろうか、いつもと違う感じがする。 masayaにしては珍しく、2度目はバックから。 少し無理矢理のようで、でも、あたしはとても感じて。 やっぱり何度もイク。
だらだらと、キスして抱き合って繋がって。 そんな怠惰な幸せな時間を【御殿】で過ごした。 楽しかったぁ。ほんとに。
帰りに欲しかった抱き枕を近所のディスカウントストアで買って、 渋滞の中を帰る。 途中まで来たところで、あたしは両手の指を見てふと気付く。
指輪、、、忘れた。
取りに行こうか?
はい。御願いします、、、。
せっかくだいぶ帰って来たのに、またUターン。 幸い、指輪はまだ部屋に残っていたので、良かった。 引き返した事で思いがけずのドライブ。 赤信号毎にキスをして、また1時間程かけて送って貰った。
自宅前。 様子を伺って、あたしは車から降りる。 人さし指で、あたしの唇から、masayaの唇へさよならのキスをした。 ほんとは、ちゃんとしたいのにね。 今は出来ない。
ねぇ。御殿は楽しかったねぇ。 また連れて行ってくれるかなぁ、、、。 ちゃっかりmasayaはメンバーズカードを貰ってたし。
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