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優しい=青い部屋=あたしとmasayaの日々。

2001年07月16日(月) masaya

一通のメールから始まった。


 こんにちわ。masayaといいます。 メッセージ見ました。


なぜ、彼が残ったんだろう。

masaya。

あたしより、九つ年下。
そして、あたしは彼に癒されてる。



2001年07月17日(火) きっかけ。

あたしは恋をなくしたばかりで、
とても落ち込んでた。

別れた彼に当てつけの様にネットで男を探す。
200通以上のメール。
目を通すのもわずらわしい。

その中から徐々にピックアップして、
最終的には4人になった。

その中で、一番の年下が彼。masayaだった。

付き合っていた男とぐちゃぐちゃになって、
結局別れる道しかないとわかって、
精神的に、ズタズタになっていたあたしは、
救いを求めた。

masayaとはチャットで話すようになり
あたしは彼に少しずつ話をした。
今までの事。別れた男の事。あたし自身の事。


彼は味方でもなく、
自分に置き換えるでもなく
慰める事もせずに淡々と感想を述べる。

…他人の目だった。

でも、あたしには、その時、
他人の目がありがたかった。



2001年08月06日(月) 月曜日/癒して。

masayaは変わったメールを書く子だった。
どこか他の男達と違う。
女に飢えているようでもないし
かといって、ヤリタイだけの子でもないようだ。

淡々としたメール。

それはチャットでも変わらなかった。
淡々として飄々として。

あたしはそんなmasayaに興味を持ちはじめた。

日曜日に付き合ってた男と別れて、
火曜日にはmasayaにはじめて逢う事にした。
そうでもしないと壊れてしまいそうだった。

前日のチャットであたしは彼にこう言う。

凹んでるの。慰めて。癒して。

俺で良かったら。
癒すつもりもないけど
勝手に癒されてくれるのなら、
それは嬉しいことだね。




2001年08月07日(火) 火曜日/午前:抱き締めてくれる?

火曜日の朝。
待ち合わせの時間には少し遅れそうだったので、電話を入れる。
はじめて声を聞く。

おはよう。ごめん少し遅れる。今どこ?

ん?今、向かってる最中。

待ち合わせ場所のホテルのラウンジはガラガラで、
奥の方にひとりで座ってる人が見えた。

ああ、アレだわ。

彼の向いの椅子に座る。
『遅れてごめんね。おはよう。』
いえいえ、来てくれただけで、嬉しいです。

目の前の男の子は
まだ男の子という感じで、
26と言う年令よりもずっと若く見えて
話す事はとても大人びていて
いろんな話をした。

ほとんど、別れた彼の事だったかもしれない。
でも、それも嫌な顔をせずに、彼は聞く。
時折入る、感想はとても客観的で、私情をまったく挟まない。

そうやって、1時間半程すごして、あたしは一旦家へ帰る。
地下駐車場まで一緒におりる。


午後からどうする?午後も逢う?

俺はそうして貰ったら嬉しい。

じゃぁ、そうしましょう。

でも、どこへ行くかなかなか決まらなくて、
車の中で話をしようと、ふたりであたしの車に乗り込む。

どうするどうする?
どうしよう。
とりあえず、2台で動くのはね。
じゃぁ、俺のうちの近くまで迎えに来て。
ん?いいよ。そのかわり、どこ行くか考えておいてね。


そうして話が決まった。

じゃぁ、そろそろ帰る。あたし。

うん。ありがとう。

あのさ。

ん?

あたしね、凹んでるの。抱き締めてくれる?


masayaは笑顔で頷く。
彼に抱き締められて、すこし落ち着いて、すこし泣きそうになった。

ありがとう。ごめんね。

いえいえ。どういたしまして。
俺が、抱き締めたかったから。
こちらこそ、ありがとう。

そう言って、もう一度抱き締めてくれた。
そうして、キスをしてくれた。
癒されるような気がした。�

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午後:=青い部屋=


午後3時半過ぎにmasayaの家の近くまで迎えに行く。
少し遅れてやってきた彼があたしの車に乗り込む。

ねぇ、どこ行く?

ん?結局考えてない。

うそ?

ほんと。

どうしよっか。

どうしよっか。

俺の家に来てもいいけど。暑いよ。エアコンないから。
そうなの?あたし大丈夫よ。扇風機の人だから。

そうして、あたしは逢った初日に彼の家に行く事になった。
どうしてだろう。
男と別れたからだろうか?
自暴自棄になってるのだろうか?

確かに、えいっと言うような気持ちはあった。
masayaといると単純に楽しいと思う気持ちももちろんあった。


築何年たつんだろう。
今どき珍しい文化住宅。
1階の端から二番目。

部屋に入ると小さな台所と、四畳半と六畳の和室。
奥の六畳間に入ると、そこは

=青い部屋=だった。

壁は青い砂壁。
ベッドとステレオとテレビと扇風機。
余計な物は何もない。
ベッドシーツも薄いブルーだった。


すごいね。青い砂壁だね。

そう言いながらベッドにもたれるように、あたしは畳の上に座る。
masayaもあたしの隣に座る。

抱き締められてキスされて
青い空間の中であたしは癒されてゆく。

ふたりでベッドに横になって
彼は延々とあたしを抱き締めて、キスをして
優しく撫でる。髪を腕を身体を。
徐々に落ち着いて行く。
傷付いてボロボロになっていた心が回復するような気がする。

慰めてくれてるの?

そう思いながら、聞けなくて。
そのままあたしは、masayaに抱かれた。


彼の愛撫は優しい。
彼のキスは優しい。

あたしの別れた男は、いつも責めるようなセックスで、
いつも犯されるように抱かれて
そういうのにあたしは慣らされていて。
だから彼とのセックスは少し物足りないような気もして。
でも、穏やかに時間は流れていく。

彼のペニスがあたしの中に入って来る時
思わず呻き声をあげてしまう。すごい快感。
自然に身体が動く。
もっと奥へと彼が入って来れるように。

はじめてだと言うのに、あたしは恥ずかしい程の声をあげて
何度もイク。
あたしの汗とmasayaの汗と体液と粘液とが
卑猥な音を立てる。
部屋にはあたしの声が響いている。

あたしは、別れた男以外では
もう快感を感じる事はないのではないかと
そう思っていたのに。
荒々しいセックスに慣らされた躯は
普通のセックスでは満たされないのではないかと
そう思っていたのに。

masayaに抱かれて、何度もイク自分を発見して
寂しいようなホッとしたような、そんな複雑な気持ちだった。


セックスが終わった後も
彼はあたしを抱き締めてくれる。
腕枕をして、抱き寄せて、キスして。
不思議な安心感。
いつも不安を抱えた恋をしていたあたしには
とても居心地の良い時間だった。


帰り仕度をして、駐車場まで送ってもらう。

ありがとうね。

いえ、こちらこそ。

あたしはこれが最初で最後になるかもしれないと思って
『またね』と言う言葉を言わなかった。
彼からそう言われる事を少しだけ期待して。



でも、彼は『またね』とは言わなかった。�


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夕方:ごめんよ。


少しの失望感を抱えて家に帰ったあたしは、
いつものようにPCを立ち上げる。

メッセンジャーにmasayaがいた。

おかえり。
ただいま。

何を話したんだろう。
詳しい事は覚えてない。

ただ、あたしは、こう言った。



ね、またねって言わなかったよね。

あ。ごめんよごめんよ。忘れてた。

忘れてたの?

そうだよ。そういうとこにぶいんだよ。

じゃぁ、またね。はあるの?

とーぜん。

とーぜんなの?

ん?とーぜんでしょう。


そう言われて、ほっとするあたしがいた。



ありがとう。癒してくれて。

ん?そうか。そう思ってくれると嬉しいよ。

うん。すごく癒された。

俺は癒しているつもりはないけどね。

勝手に癒されてるの。

勝手に癒されてくれ。



あたしは、またすぐに逢いに行こうとそう思った。
彼に逢いたいとそう思った。
あの=青い部屋=にもう一度行きたいと。
水の中のような、あの青い部屋に。
 
 



2001年08月09日(木) 木曜日/2時間

それからすぐにあたしは彼に逢いに行った。
翌日だっただろうか?
翌々日だっただろうか?

青い部屋で座っているあたしがいた。

masayaは相変わらず、あたしを愛でる。
感触を確かめるように撫でる。抱き締める。
ふたりで、ベッドに並んであたしたちはほとんど言葉もなく抱き締めあう。

ねぇ。気持ちいいね。
そうだね、気持ちいいね。

1時間近くそうやって、言葉少なにお互いを確認して
それから、あたしたちは、セックスをする。
はじめての時よりも感じる。
子宮の奥まで届く。
貫かれる快感。
声を抑える事は、あたしにはできない。

抱き合った後、身支度をして、煙草を吸いながら話をする。

またやっちゃったね。

やってしまったね。

顔を見合わせて笑いあう。


午前中二時間だけの秘密の時間。


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深夜、masayaとメッセンジャーで話していた。


明日は午後から出動しやうかなぁ?

そなの?うーんと、じゃあ行こうかなぁ。


少し期待感を持ってそう言ってみる。


ん?いいよ。

いいの?

寝てるかもしれないけど。

そうか寝てるかもしれないのね。

それなりに起きるから。

それなりか。

だから、それなりでおひで。


その会話の後、また他の話題に流れた。
何ごともなく、チャットは流れる。

午前3時前、おやすみを言って落ちようとすると
masayaがこう聞いて来た。

あのさー。

何?

明日来てくれるのかな?

うん。行く。


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朝10時前に彼の家に着く。
こないだはじめて逢ったばかりなのに、
あの青い部屋に行くのはもう3度目だ。

今日もまた二時間だけ。
あたしはmasayaと青い部屋に癒されにゆく。



2001年08月15日(水) 御盆休み

世間は御盆休み。
でも、masayaは相変わらず仕事に出てる。

御盆期間は、あたしの時間が取れないので、
逢う事が出来ないかと思ってた

けど。
1時間でもいいと思って
あたしは車を走らせる。

青い部屋の畳に座ってあたしは言う。


また来ちゃった。

いいよ。嬉しいから。

たった、一時間だけなのに。
もっとゆっくりしたいね。
もっともっともっと。



ねぇ、気持ちいいよ。こうやってだらだらゴロゴロするの。

そうだねぇ。気持ちいいね。でも時間が足りないね。

ねぇ。1週間会えないね。

そうだね。長いね。逢い過ぎてるしね。

うん。長いね。



そんな事を話しながら、あたしはmasayaに抱き締められる。
そうして、それは徐々にセックスの前の愛撫に変わってゆく。

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金曜日。
午後、あたしは彼とチャットをしていた。


今日は暇だなぁ。そろそろ帰ろうかなぁ。

帰るの?

いや、帰ろうかと思ったら、ゆうちゃんがメッセに来たから。

そっか。

どうしようかな。

もし、帰るんだったら、行こうと思ったのに。

ん?来る?

うん。でも仕事が残ってたら悪いから。

どちらでも良いよ。俺は。

あたしは
masayaの都合に合わせる。

じゃぁ。帰る。



30分後、あたしは彼と肩を並べて
彼の家に向かって歩いていた。

また来ちゃったねぇ。

そうだねぇ。まただねぇ。


青い部屋はいつも通りにあたしを迎えてくれる。
不思議にほっとする空間。
エアコンもなく、扇風機だけ。
ベッドで抱き合うと、うっすらと汗をかく。


彼の躯に馴染んで行くあたしがいる。

彼の動きに反応するあたしがいる。

彼の上でみだらに動くあたしがいる。

どんどん敏感になる。

薄い壁の文化住宅。
きっと外にも隣にもあたしのいやらしい声が聞こえてるだろう。
声が大きくなりそうになると
キスで唇が塞がれる。
壊れるかもしれない。
彼に貫かれて、何度果てたかわからない。


ねぇ。
画像を撮って。

前にチャットで言ってたので、あたしはデジカメを持参した。

いいよ。

masayaはテキトーにシャッターを押す。


テキトーだなぁ。

いいんだよ。


前の彼と作っていたHPで、
あたしはたくさんの画像を公開した。
それはいつも、排他的で孤独感のある一種独特の雰囲気を持ったものだった。
確かにそれは、綺麗に撮れている。
でも、どこか、いつも不安感や淋しさを感じさせるものだった。
だからあたしも、いつもその雰囲気に合わせて加工を施していた。

家に帰って、masayaが撮った画像を見てみる。
扇風機の前で座るあたし。
何枚も。
普通のあたしがそこにいた。

扇風機の風にふかれて、
うっすらと微笑んでいるあたしが
そこには写っていた。

何の加工も必要無い、素のあたし。


ああ、これが普通のあたしなんだ。
なんかちょっと幸せな感じがして
撮ってくれた彼にこっそり感謝してみた。




2001年08月20日(月) 月曜日/朝のメール

月曜日。
朝起きて、メールを入れる。

おはやう。

ほどなく、彼からレスがある。

おはやう。


何度かメールをやりとりするうちに、今日は午後から出勤するらしいとわかった。

 行ってもいい?

そうメールを入れる

 おひで。俺も嬉しいから。


そのレスを受け取ったとたん、あたしは、もう車のキーを握りしめてた。
うちから、車が混んでなければ、15分程で彼の借りてる駐車場に着く。


来ちゃいました。

来ちゃいましたねぇ。


そう言いながら、二人で煙草を吸う。
吸い終わると抱き締められる。
この瞬間が好きだ。

並んで座る時、彼の手が腰に回るのが好きだ。

彼の肩に頭を乗せかけて、ぼーっとするのが好きだ。

彼の首筋にキスするのが好きだ。

彼に貫かれて感じるのが好きだ。

セックスの後、抱き締められて撫でられるのが好きだ。

この青い部屋で。



ねぇ。明日も逢えるのにね。

そうだね。

でも、明日は台風が来てるから、もしかしたらダメかもしれない。

それなら仕方ない。


明日の火曜日は、masayaは休みを取ってくれた。
いつも二時間だけなので、もっとゆっくりと、
ふたりでゴロゴロするために。
でも、ちょうど台風11号が大阪に近付いて来ていて
どうなるかわからない。

できるだけ、来れるようにするから。

いいよ。無理しないで。

うん。わかった。



一緒に家を出る。
masayaは出勤、あたしは家に帰る。
少し離れた駐車場まで歩いて、別れる。

おつかれ〜。

お疲れって何よ。笑。
いつもそういうねぇ。

うん、癖なんだよね。

そんなお疲れなんて言わないで、別れる時は軽くキスして頂戴。




2001年08月21日(火) 火曜日/少し長い時間。

火曜日。
彼が休みを取ってくれたので、
あたしは本当は夕方まで一緒にいるつもりだった。

台風11号。
ちょうどこの日、大阪に台風の影響が一番出る日らしい。

ああ、少し早く帰らないと。


朝起きて、メールを入れる。

時間短いけど今から行く。駐車場まで迎えに来て。

15分後、駐車場に着く。
あたしは、友達からの電話に出ていて、なかなか車を降りる事ができなかった。
電話を切って、外に出ようとすると、メールを受信する。

 発 見。

masayaだ。
もう、そこに見えてると言うのに。
こういうのがとても楽しい。
コンビニに寄って、ジュースとか買って、すごい風の中を歩く。
でもまだ、雨もそう強くはない。

青い部屋で、あたしはちょっとパンを食べて、ジュースを飲んで
それから、煙草を吸う。
一緒にテレビをちょっと見る。
時間があると思うと、やっぱり違う。

ベッドで抱き合って、延々とキスをする。


いいねぇ。気持ちいい。あったかい。

うん。いいねぇ。こういうの。


外は台風。徐々に風雨が強くなる。
なんか、この世にふたりきりみたいでいいなぁ。

かぅひぃかもぉーん。

はいはい。入れて来ようか?

うん。いい?

いいよ。ちょっとまって。


masayaの入れたコーヒーを少し飲んで、
あたしたちは、裸でまたゴロゴロと抱き合う。
抱き合ってゴロゴロしていると、どうしてもシタクなる。

シタイねぇ。

シタイねぇ。

いつもこうやって、ゆっくり出来ないねぇ。

そうだねぇ。シテしまうもんねぇ。

いつもより、長時間のセックス。
あたしは声を抑えられない。
だから彼の腕を噛む。
声を抑える為に。でないと、思わず大きな声で喘いでしまうから。

彼のペニスは大きくて、あたしは躯の奥の方まで貫かれる。
内臓をかき回されるような感覚。
子宮口にダイレクトに当たる快感。
知らず知らずにあたしは動く。
快感が大きくなると、キスで唇が塞がれる。
声が外に漏れるから。

masayaの上で、あたしは動く。
時折、下から突き上げられて、強く感じる。
何度もすぐにイってしまう。

…もう、ダメだよぉ。

そう言いながら、躯は動きをとめない。

セックスして、少し休憩して、またセックスして。
どれくらいしてたんだろう。
終わってから、身体の震えが止まらない。


ねぇ。
プリン食べたい。

持ってこようか?

うん。

カクテルプリン350円。
あたしはこれが好きだ。
そう言ってたら、masayaが買っておいてくれた。
でも、持って帰る時に、根性がなかったらしく、倒れたらしい。

あたしの目の前のプリンは微妙に崩れている。
スプーンで一口食べる。

いやぁぁぁぁぁん。おいしいぃぃぃぃ!!!

350円のプリンで喜んでいただけるとは。買って来た甲斐があります。

うううううう。きゅぅぅぅぅ。おいしぃよぉぉぉぉ。

たまに、彼の口にも運びながら、あたしは350円をたいらげる。

ああ。おいしかったですぅ。

それじゃぁ、これも。

と、masayaが今度はウメッシュを持って来てくれた。



いやぁぁぁぁん!おいしひ。

なんというか、500円程でこんなに喜ぶなんて。

そうねぇ、あたしって、安い女ね。
お望みならば、ブランドとか言うけど。

いえいえ、望んでないです。


そんな下らない話をしながら、
少しお酒を飲んで、抱き合ってゴロゴロ話す。


ねぇ、たまには好きって言ってよ。

ん?

ねぇねぇ。

うーん。・・・好きだよ。


きゅぅぅぅ。嬉しい。
あたしねぇ、青い壁と、四角い和風電球と、プリンアラモードと、ウメッシュとmayasaがいたら、
すっごい幸せだよぉぉぉ。
そんでもって、今ので、幸せ度150%だよぉー。

ああ、なんて、単純な女だろう。

そう言いながら、あたしたちはじゃれあう。

『そんな事をすると、まぁた入れたくなっちゃうよ。』 彼が言う。
『入れて。』あたしは答える。


帰り真際に、最後の一口のように、
あたしは彼を感じる。彼の上で果てる。

ああ。もう帰らないと。



身支度をして、外に出るとまだ台風はそんなでもなかった。
手を繋いで駐車場まで歩く。

気をつけて。

うん。ありがとうね。

お疲れ。

ああ、またお疲れって。
だから、別れる時は軽くキスしてくれって、言ってるのに!

ねぇ、もっともっと、ゆっくりしたいねぇ。




2001年08月23日(木) 木曜日/メンソール煙草

いつものように、水曜日の夜からチャットがはじまる。
他愛のない会話が延々と続く。
それが楽しい。

masayaの受け答えが微妙に面白くて
延々と下らない話をする。
そうして、日付けが変わって木曜日になった。

午前2時。
あたしはいつも吸っている煙草が切れていたので、
買いに行こうかどうしようか少し迷った。
いつも、午前3時頃にお開きになるので、それまで我慢してもいいかなと。

でも、夕方くらいから吸ってなかったので、
ああ、もう我慢の限界かなと。

ああ。吸いたい。1本頂戴。

メール添付でいいか?

そんなやり取りをするのも楽しい。


買って行ってあげやうか?

ほんとに?嘘でせう?びつくり。

ん?まぁ様子見たら自分なりに安心ぢゃない。

あたしは前日の早朝に、喘息の発作を出してたので
少しは心配してくれてるみたいだ。


はいはい、何を買っていけばいいんだ?

メンソール。プティート。
緑のだよ。みどりの。

じゃぁ、スカイメールで入れておいて。

入れたよ。

じゃぁ、適当に買って目指すから。
迷子になったら連絡します。

待ってるぅ。



彼の家からうちまで、普通に来れば15分程で来れる。
それなのに、30分が経とうとするのに、彼はまだ来ない。

事故でもしたんじゃないだろうか?
そう思って、外で待つ。
10分程待ったところで、やっと彼の車が見えた。

お待たせぇ。道に迷ったよ。

助手席にはセーラムがふた箱。

ありがとう。心配した。事故にでもあったかと思った。

事故にあったら電話するよ。

ねぇ。ドライブしよう。

いいよ。


適当に車を走らせる。
夜に出る事がめったにないあたしは、それだけでもすごく楽しい。

ああ、もっとちゃんとした格好で来れば良かった。
あたしは寝る前そのままで、薄いワンピースの下は下着をつけてない。
これじゃ、どこにも行けないねぇ。

しばらく走って、彼が言う。

どこに行く?

うんと、masayaんち、、でもいいよ。

じゃぁ、適当に走って、そうしますか。


深夜というか、もう早朝の時間。午前4時。
夜に来る青い部屋は、少し違った印象。
周りの家々も寝静まって、とても静かだ。

黄色い小さい明かりの中、
あたしはmasayaと抱き合う。
昼間でも声が漏れるというのに、深夜は気を使う。
こんなに静まり返った中、少しでも声をあげればすぐに響くだろう。

声を抑える為に、あたしはタオルケットを噛む。
声をあげないように、あたしは自分の指を噛む。
声がもれないように、あたしは彼の肩を腕を、噛む。
そうしているのに、どうしても声が出てしまう。

正常位で、激しく突きながら、彼があたしに言う。

噛んでもいいよ。

目の前にある彼の腕をあたしは噛む。
快感が高まると、どうしても力が入る。
加減をしているつもりだけど、、、。


何度もイッテ、彼もイッテ、そうして、少しだけ抱き締められてゴロゴロして。
もう、帰らないと行けない。
朝までには帰っていないと、、、。

masayaの両腕には、紅い噛み痕。


ごめんね。

ん?いいよ。声を出されるよりはいい。


そう言って笑う。

でも、すごい痕だねぇ。

大丈夫。



明け方5時半、あたしは家へと送ってもらう。

ありがとう。

ん?安心しに来たんだから。


降りる前にキス。
ああ、今日はお疲れって言わなかったね。
彼の車を少し見送って、あたしは午前6時前に、家に帰った。



2001年08月24日(金) 金曜日/誘う

木曜日の夜から、金曜日にかけてもあたしたちは、いつものようにメッセンジャーで話しをする。

あたしは、今日はほとんど1日中寝ていた。
彼は遅くまで仕事をしていたらしい。


おかへり。
ただひま。

いつもこうしてチャットがスタートする。
何を話しているんだろう?不思議と内容はあまり覚えてない。

今気になるのは、あるレトロなラブホテルの話題だ。
ほとんどこの話題ばかり。

行きたいねぇ。声出せるもんねぇ。

連れて行ってあげたいねぇ。

ねぇ、今日のお昼にね、思い出した。自分でしちゃった。

あらまぁ。


そんな話題が続く。
そうしているうちに、あたしはとってもシタクなってきて、
彼に言う。


したひです。

したひね。

うん。今したひの。

あい。どーぞ。

こんな事をしているうちに、masayaんち行けば良かったぁ。

ん?迎へにいかふか?

ほんと?

いいよ。


急にそう言う事になった。
と言っても、誘ったのはあたし。

今日は迷わずに来て、15分程で彼が到着した。
車に乗り込んで、そのまま、彼の家に行く。
煙草を吸って、そうして、ふたりでベッドに入る。

ねぇ。また来ちゃった。

1週間に4回ですか?

そですね。

来週は会えないかもしれないから、来週の分。

でも、すぐに消費しちゃうだろ?

・・・そうかも。笑。


ゆっくりする暇もなく、セックスする。
終わった後、本当は、このまま寝てしまいたい。
でも、そうすると帰れなくなるから。


ねぇ。たまには好きって言ってよね。

うん。でも、今言うと強制されたみたいだから、言わない。

ううううん。言わないんだぁ。ケチ。

そのかわり、ゆうちゃんも、たまには好きって言ってくれよ。

あたし、言ってるよ。毎日。
青い壁が好きだ、四角い和風電球が好きだって!

はひはひ。


そうやって、話してると、もう帰る時間。
ああ、やっぱり短いね。

来週逢えないかもしれないけど。

御盆の時も、確かそう言ってたよ。

あ、そうだねぇ。


送ってもらって、別れ際にキスをして、
来週は逢えないかと思うと、少し淋しいなぁ。

でも、メールもチャットもあるし。
きっと大丈夫。
ていうか、あたしきっと何とか時間作るだろうな。
 
 


   INDEX  will>


~*Yuu
エンピツ