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浮かぶ顔


 理不尽なことに飲みこまれ気持ちが負けてしまいそうになったとき
 彼の顔が浮かんできました。。。    
 何の前触れもなく顔を出し私がひとりではないことを思いださせてくれました。


 彼は小雪の涙をとめてくれました。。。



 ***目を閉じて最初に浮かぶ顔は誰ですか。。?
    その人が貴方にとってとても大事な人なのですよ。。***


 そんなフレーズを思い出した一瞬でした。。。

嬉しい言葉


 『そばにいるのがあたりまえになってた』


 味付けすることなく彼がくれた言葉。。。
 嬉しい言葉をくれました。。。

 彼が何気なく言った言葉でも私にとっては嬉しい言葉だったりします。
 肩に力を入れずに言ってくれる言葉だからよけいに嬉しいのかもしれません。

拗れた心

 7.29~31


 『一緒に行くかぁ?』。。。


 前日は遠足前の子どものように荷物を準備。。。<
 3日間も傍に居られる喜びはとても大きなものでした。<
 嬉しすぎて早くに待ち合わせ場所に到着したほどです。


 彼の車に乗って出張先へ出発。
 その日に仕事がすぐ入っていたので急いで行き、
 それでもおいしいカレー屋さんに連れていってくれてお昼ご飯を食べて
 彼は仕事先へ。。
 私はその間近くの駅でお土産屋さんを見たりしてました。

 1時間ほどして彼は仕事を終えて迎えにきてくれました。
 宿はいつも彼が使っているところ。。
 『急だったから他が取れなかった』と彼は言っていたけど
 私にとっていつも彼が使っている場所に行けることは嬉しいことです。
 お話しに聞いていたことを自分の目で見て、味わって。。
 それは贅沢なことです。


 お部屋に入りゴロゴロとしているとき私の膝に彼は頭を乗せました。
 膝枕をしながらお顔を触ったり、お話しをしたり。。そして肌を合わせまし   た。。。



 夕方、居酒屋さんで食べながらいろいろな話しをしました。
 出逢う前・出逢ったとき・出逢ってから・そしてこれから。。。
 二人してお酒をたくさん飲んでしまいほろ酔い気分で帰路へ。。。
 そのとき、私は小さなことで拗ねてしまいました。。
 でも私にとっては決して小さなことではなかったのですが。。。
 
 一人で部屋に戻って布団に寝転がり気持ちを収めようとしていました。
 自分で我侭だとわかっていたから収めようとしていました。。。
 でも部屋に戻ってきた私のちょっとした一言で追い討ちを
 掛けられてしまいました。。。
 素直に戻ろうとしていた心が悲しくて捻くれてしまったのです。
 そんな私に気付いた彼は、

 『どうした?言ってごらん。言わないとわからないよ』


 『**したことが嫌だったんだろ。。?』


 耳元で言ってごらん・・と彼は抱きしめてくれようとしているのに
 私は彼の足を蹴ったり。。と怒りと悲しみをぶつけていました。
 彼は『言わないとわからないだろ?こういう沈黙の時間は嫌いなんだ』と
 強く言いました。。。

 (嫌い・・・)
 なぜだか『小雪は嫌いだ』と言われているように感じたのです。。。
 もうそうなると私は元に戻れません。。。
 口を貝のように閉じ、目は彼を避け心に鍵をかけてしまったのです。。
 素直さは消え失せ意地っ張りに。
 
 でも彼の違う面も触れるようになりそこで捻くれてその言葉を
 解釈してはいけないと思いました。。。
 でもポロポロと涙は出てくる。。。
 その涙も否定されその場に居たくなくなり、
 部屋を出て入口のところで蹲り泣いていました。。。


 
 すると部屋の中から高イビキが聞こえてきました。。。
 部屋に入ると彼は寝ていました。。。彼にお布団を掛けました。。

 私は一人ぼっちになり、声に出して泣きながらお布団の中に入りました。
 言えなかった言葉を彼の携帯に送り、
 いつのまにか泣き寝入りしていました。。




 遠くで声がします。。。

 『○○。。○○。。。』と私の名を呼ぶ彼の声がします。
 『ごめんね。。』という声がします。。。
 意識がだんだんとはっきりとしたものになり、
 彼の声がはっきりと私を抱きしめるぬくもりがはっきりと感じ取れました。

 『○○。。ごめんね』
 『お風呂に入ってこよう?』
 朝が近くなっていた時間。。5時前のできごと。

 なんで謝ってるのかな。。と思いました。
 記憶が蘇ってきて(あぁ。。送ったメールを読んだのかな)とわかりました。
 混浴ではないお風呂に二人でこっそり入りました。

 まだ素直になれない私がいました。。。
 彼の目が見られない。。謝ってくれている彼にに「もういいよ」と
 目も合わせずに首を振る。。。
 
 本当は「私も悪かったの。。ごめんね」と可愛く言いたかったのです。
 でも意地っ張りで。。。素直になれない。
 せっかく一緒にお風呂に入ったのだからいつものように湯舟で
 彼にくっつきたい。。でも一人で湯舟に背をつけ入っていました。
 
 

 たくさん謝ってくれている彼に比べ私はなんて可愛くないんだろうと
 思いました。
 楽しい時間を濁してしまったのは自分なのにどこまでも頑固な自分が
 嫌でした。。。

 お部屋に戻り、少しずつ素直になろうとボソボソと答える私。。
 でも自分の非を謝ることができない。
 お布団に入ると彼は手を繋ぎキスをしてくれ眠りに誘ってくれました。
 朝、ぎこちない私に彼はいつもどおり。。。
 結局いつも彼に助けられてしまいます。。


 昼近くにドライブに行きました。
 車の中で昨日のことを少し話しました。

 『ごめんね。。』

 「もういい。。」
 素直さの欠片もない。。。伝えたい言葉はそんな言葉じゃないのに。。。
 少しずついつものように戻り、喫茶店でコーヒーを飲みました。
 素敵な街並みを歩いたり、途中素敵なおば様に出会ったり。。
 船にも乗りました。海を漂いながら彼は昔の話をしてくれました。
 嬉しかったです。。私の知らない彼に触れることができたとき
 素直に嬉しいと思います。


 帰ってくると肌を合わせました。汗ばむ体を一つに。。。



 夜、おいしいとんかつ屋さんでお腹いっぱい食べ、
 帰ってくると彼は少しお仕事をしました。
 ほんの少しだけお手伝いをして仕事を終えテレビを見ながらのんびり。。。
 

 まだ昨日のことを謝れていないことがずっと引っかかっていました。
 お布団に入ったとき眠気がきている彼に謝るタイミングを探していました。
 どうしても今日中に言いたかったのです。
 眠ろうとする彼にやっと「昨日。。ごめんねって言いたかったの。。。」と
 言いました。
 なんだか意味不明な言い方で謝ったことには思えなかったけど
 意地っ張りな私には精一杯の努力と勇気でした。。。
 そして手を繋ぎながら眠りにつきました。。。


 夜中、何度か起きた時彼の顔が見えました。。
 偶然なのだと思うけど目を開けると彼の顔がいつも私の傍で
 こちらを向いて眠っているのです。。。
 そのお顔を見て私は安心して眠ることができました。



 『3日も一緒だとあきただろう?』と問う彼・・。

 彼と一緒なのにあきるわけがありません。
 何日一緒にいたってあきることはないです。
 今回楽しい時間を少し濁してしまい、もう出張のお供には
 誘ってくれないだろうな。。と思っていました。。。
 でも彼は『また行こうな』と言ってくれました。。。
 本当にホっとしました。。。
 子どもな私を彼はどうしてこうも傍に居させてくれるのでしょう。。

 もっと素敵な人になりたいと思いました。。。
 心も身体もしっとりとした素直な女性に。。
 彼にふさわしい女性になりたいと思った2泊3日でした。
 天候に恵まれて心地よい日々を過ごせました。
 

 『特別』なことをするのではなく、『普通』をすることの贅沢さを
 味わいました。
 普段過ごしていると忘れてしまいそうになるけれど彼と過ごしていると
 『普通』の楽しさや贅沢さを感じることが多いのです。
 彼が普段話してくれている場所に行ったり、味わったり。。
 二人で見つけたところに入ったり。。。


 『どこ』に行くかではなく、『誰』と行くか。。。
 そこで楽しさや喜びが変化するのだと思いました。
 とても贅沢な旅でした。。
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