三月の吐息...三月

 

 

見えない力 - 2003年05月31日(土)

あの時、
あなたの後を
じっと見つめながらも
追いかけていかなくて
良かったと、想う
お酒のせいにしたとしても
もし
あなたの背中にすがっていたら
きっと、
みんなを不幸にしていた

あなたの背中は断固として
踏み込んではいけないと
拒んでいた
それも分かっていた
それでも
飛び込んでいこうと思えば

自分の想うように生きて来たけれど
なぜか、あの時は
踏み止まった
一歩も動けなかった

わたしを留めた
見えない力は
きっと今でも
わたしを守ってくれている
それだけは分かる。



...

夢のあと - 2003年05月30日(金)

ふたりで過ごした時間が
夢だとしたら
今は、もう夢のあと

夢は夢のままで

指の間をすり抜ける
砂の音のように
何も掴むことは出来ない

わたしに残ったのは
似合わない
悲しい詩と
儚い想い出
センチメンタルな日常





...

まぼろし - 2003年05月28日(水)

あまりに長い時間が経過した
ふっと
すべて幻だと錯覚する
顔も声も手も
歩き方もしぐさも
いったい誰
一緒に過ごした時間は
夢の中の出来事
遠い約束は
いつ果たせるの。


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素直になれないまま - 2003年05月27日(火)

遠くなる遠くなる
あなたの姿
消えていくあなたの声
素直になれないままに
時は過ぎて
こんなに離れてしまった
わたしはわたしのままで
こころだけおいてきぼり
夢は夢で儚くて
想い出はうつろい
透明になっていく
もう後ろは振り向かないけれど
それでも
寂しい。




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徒労 - 2003年05月24日(土)

土曜の午後、空は曇り
カーテンを締め切った薄暗い部屋の
ソファにねころび
新聞のテレビ欄を繰り返し見る
新しい発見など有るはずもないことも
分かっていながら、
又、手を伸ばして
見る
そんな動作を何度も繰り返す
何時の間にか
夜が来る。










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他人とは共有できない個別の希望 - 2003年05月18日(日)

朝刊をぱらぱらとめくっていると
久しぶりに、龍の記事を見た。
新しい短編集が出たらしい。
龍は好きだ。
一番は「コインロッカーベイビーズ」
それ以外の長編より、
短編集が好きだ。
去年沢山の本を処分したが、
「ライン」は処分しないで持っている。
龍は時代と共に、
そしてわたしと共にここまで来た。

近代化を達成した国では、希望は共有できない
格差をともなって多様化してきた
結局個人の問題になったいく。

龍の言葉が分かる。
わたしの希望は
わたしだけの希望なのだから。

それでも、
たった一人、希望を共有して欲しいと想う
そんな気持ちも
確かにここにはあるのだけれど。




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傘があっても - 2003年05月14日(水)

雨の日は
傘があっても
車で出かけても
やっぱり雨にぬれます。
そういうものです。
そういうふうにできています。


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フェイドアウト - 2003年05月13日(火)

これが以前あなたの言っていた
終り方?
少しづつ消えていく
小さくなる
見えなくなる
そして
オフ
これでいいの?


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恋を失うということは - 2003年05月11日(日)

ただ恋人を失うということだけでなく
ずっと思い描いていた
将来の自分までも全て無くすと言うこと
ふたり手を繋いで桜の下を歩くこと
美味しい中華料理を食べること
オシャレしてコンサートに行くこと
料理を作って
テレビを見て
そんな日常を過ごすこと

全てが無くなる
自分の姿が消えていく
ただひとり佇み
途方に暮れる
これから何処に行くの?



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消えていく - 2003年05月10日(土)

携帯に残っていた
ボイスメモの
あなたの声が、
知らない間に消えていた。
こうして、
ひとつずつ
あなたが消えていく。



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答えなど - 2003年05月08日(木)

答えなど何処にもない
誰も教えてくれない

優しい歌声が
ココロに響く
そう、
そうなんだよね。
だから想うように生きたらいい





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縁側 - 2003年05月07日(水)

縁側に
座布団を縦に3つ並べて
足の先だけ出して
寝転ぶ
おひさまが
ぽかぽか
極楽極楽。




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八十八夜 - 2003年05月02日(金)

今日は八十八夜
その名のとおり蒸暑い日になった
午後からは事務所にも
エアコンがはいった
明日から3連休
GWとはうらはらの
ささやかなお休み



...

私信 - 2003年05月01日(木)

たくさんのメールは全て
個人あてではなく
大勢の中の一人として
ここに来た。
わたし個人に宛てたものは
ひとつもなく
誰もわたしに関心がない
寂しいけれど、
センチメンタルな感情などなく
くやしいけれど
かえってすがすがしい。



...



 

 

 

 

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