陸橋...東風

 

 

久々ではないでしょうか。 - 2007年10月14日(日)

家に一日中いるなんて!!
しかも独りでなんて、本当に無いことだと思うんだけど。
旦那は日当直なんですよ。今日は。

最近全然書いてなかったので、いろいろ思うところがあり。
長々と書いていこうと思います。

昨日友人のお見舞いに行って来ました。
子宮内膜症で、明日手術です。
私は4月から7月まで、麻酔をかける立場で
また子宮内膜症の手術は腹腔鏡の手術で、それほど難しくないものですが
やはり初めて手術されるとなると手術の大きい小さいはそれほど関係ないのだな、と改めて思いました。
無事に手術が終了することを願ってやみません。
彼女は子宮内膜症が解ってから、治療のためにピルを飲んでいたのだけど
それが抑うつ状態、イライラなど精神状態の方に大きく副作用が出てしまったらしい。
私は殆ど副作用が出ることなく中容量ピルを飲み続けていたのだけど、人によって違うんだなぁ、と。
医者になってから、良く利益と弊害とという言葉を使っている気がします。
そして自分が薬を使うように周囲の人に勧めている気がするなぁ、と。
もちろん必要だから、と思っているのですけど…。
ちょっと自分を振り返ってそう思ってしまいます。


で、今進路を麻酔科と精神科で悩んじゃってます。
私は精神科になりたくて医学部を再受験しました。
ところが実際入学して、学生実習で回ってみると想像以上に自分の心がしんどくて、これは続けられないと思った。
それで一時期は目標を見失った気がして、一体何科の医者になればいいんだろうと悩んでいた時期に、麻酔科っていいなと思い。
8月まではもう殆ど麻酔科で決まっていたはずだった。
だけどやっぱり未練があったから、精神科の必修は1ヶ月だったけどそれを敢えて選択と組み合わせて2ヵ月にして。
それで綺麗さっぱり麻酔科に行くんだ、と思っていた。

実際医者として精神科で働いて。8月の最初の1ヶ月は辛くて辛くて。
やっぱり麻酔科で良かったんだ、と確信さえしていた。

ところが2ヶ月目に入ると、辛さはなくなって少し楽になった。
しかもその2ヶ月目最後の1週間に、ある症例が入院してきてしまった。

その症例。思春期の症例なのでたかだか1週間関わるというのは、その子にとって何も良いことなんてない。
でもその症例に関わりたくって、だから今月まで精神科を延長して受け持たせて貰うことにした。

何でその症例をそんなに持ちたかったのだろう?
何度も何度も考える。
でも理由は至極シンプルで、多分、バックグラウンドは違うけれど自分と被るのだ。
その子の治療に携わることで、私は、多分あの頃の私にアプローチしようとしている。

本当はそれがある意味危険なのも解っていた。
彼女にとっても、私自身にとっても。
自分が傷つくのはまだいいけれど、彼女の治療に悪影響を与えてしまうのが何より恐ろしかった。
私が彼女に感化されるのはまだいい。彼女を逆に感化してしまったら、と。
だから精神科の医局長にはそのことまで話して、更に『私の方の』サポートまでして頂いている。
本当に、ありがたいことだ。

実は私と「或る部分」、それはこれまでの私のほぼ核心の部分なのだけど、別の患者さんでオーバーラップする人も今月、入っている。
更に来週、本当にやばいぐらい揺さぶれるであろう症例を受け持つことになった。

そういう意味で今月はターニングポイントだと、そういう予感がしたのだった。

で、今の私だが、正直楽ではない。しんどいと思う。
何気ない一言が、それも自分に向けられている言葉ではないのに、耳ざとく聞き取ってしまって吐き気がする。
これは私じゃない別の人だ、と言い聞かせる。

でもここで逃げるのが嫌で、だから自分を傷つけてまでここにいようとしているのだな、と感じている。
眠れなくて、睡眠薬と抗不安薬と、夜は両方使っている始末だけど。
それでも今過去から逃げて麻酔科に進めば、きっと私はいつか後悔する。

医局長には「逃げても良かったかもしれないのに、それでも立ち向かうんだね」と言われた。
これは能動的な力であるかと言えば、そうなのだけれど
実はこのタイミングに抗えなかったのだ。
そして私はこのタイミングには従わなければならないと、何故か本能的に知っている。

本当は、来週が来るのが少し怖い。でもそういうひとが傍にいて、しかも関われる環境であるのならば
私は関わらずにはいられないのだ。
そうやって過去の経験を彷彿とさせる状況に、強迫的に身を置こうとすることがあるらしい。
多分過去に救えなかった自分を救いたいと思っているのだろう。

来週はしんどそうだな。
乗り越えられるだろうか。
そこが本当に、一つのターニングポイント。


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