diary/column “mayuge の視点
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ちょっとしたこと

 昨日、一昨日と午後は書店回りをしてきました。

 最近では「販売」も少しやっています(笑)。大井町から川崎、横浜エリアまで、ざっと20店舗ほど。時に店員さんに迷惑がられつつ、時にあたたかい言葉もあり。売るというのは、やはり大変なことです。
 
 話は変わりますが、JR蒲田駅で気づいたこと。発車のベル、というか音楽が『蒲田行進曲』でした。「♪チャーララー、チャララ……」と、なんとも和みました。恵比寿駅が「♪ちょっと贅沢なー、ビールー」の曲だというのは知っていましたが、蒲田も一ひねりしてあったとは。

 もう一つ。スタバの紙カップが「クリスマスバージョン」になってました。

 こういう「ちょっとしたことなんだけど普通と違う」ってのは、結構好きです。

2004年11月30日(火)

手に取るヨロコビ

 今日、『****』の印刷見本が出来上がってきた。

 手に取って一瞬しみじみ。
 「できたか……」
 我が子を抱く喜びってこういうことなんだろうな、なんて思う。広告代理店を辞めてあちこち彷徨った挙句、辿り着いた雑誌編集の仕事。こうして自分の「作品」を手に取ってみて、自分が求めていたものがこういうことだったんだと改めて思う。一冊いくらという商品を汗水たらしてつくって、その一冊一冊を買ってもらう。そういうことがうれしいんだな、俺という奴は。発売日の26日金曜はあちこちの書店を見て回ろう。誰かが買ってくれるのをこの目で見てみたい。
 さっそく、デザイナーさんに見本を持っていく。彼とは真っさらな状態から誌面を作ってきた。校了前に連日、朝4時半から打合せをした仲でもある。いわば「同志」。見本を手に取って、デザイナー氏もしみじみ。「だから本つくるのはやめられないんだよね」。その通り。
 なーんて、感慨に耽ってばかりもいられず、早々に創刊号の残務に忙殺される。広告掲載誌をクライアントに配って回ったり、著者や取材先へ贈本の手配をしたり。あ、広告の請求書も作らなきゃ。『メディアデータ』からも問い合わせが。定期購読の払い込み用紙も刷らないと。原稿料も編集長に確認。新聞広告の原稿も一気につくる。ホームページの最終チェックも忘れちゃまずい。当然ながら次号の準備もあり……。こうして定期刊行物をつくる「サイクル」はつくられていく。
 
 というわけで、ぜひ買ってね。

2004年11月24日(水)

『****』編集後記 2005年1月号

 編集部で働きはじめて早二カ月余り。
 その間、著者の方々のお話を聞く機会に恵まれたわけですが、H編集長をよく知る諸“先輩”方は、私が新入りだと知ると、皆さんとてもよく似た反応を示すのです。
 「それはそれは。……勉強になりますね」
 その……は何なのですか?
 「むふふふふ」
 どうして笑うのですか?
 その答えは、校了日が近づくにつれて理解されました。
 編集長、とにかく「粘る」。
 ギリギリまで、決めない。
 当然、我々は関係各位に顔向けできない日々。そうしたハラハラドキドキのなかで「おもしろい雑誌のつくり方」は叩き込まれているわけですが、問題がひとつ。
 お父さん、お母さん。
 丈夫に生んでもらった心臓に、最近産毛(うぶげ)が生えてきました。

2004年11月19日(金)

「オヤジ化」は、いつか君にもやってくる 〜PART 3

 今日お話しするのは、「価値観の変化」についてです。

 僕は小さいころから、ずっと「姉専(あねせん)」でした。好きになる女性、気が合う女性というのが、圧倒的な割合で「年上のひと」だったわけです。5年生のときに、6年生からもらったラブレター。おそらくあれがきっかけでしょう。それ以来僕は、オトナな女性に憧れ続けてきました。中学のときには、通学電車にいる女子高生のお姉さんに心を奪われ、高校生になると女子大生がまぶしく見えました。大学生のころには、OLモノのアダルトビデオを続けて3本借りたこともあります。
 好きなタレントでもそう。自分が26、7歳のときには藤原紀香ネエさんや、天海祐希ネエさんのフェロモンに反応したものです。顔カタチは別にタイプでもないのに、ただ年上だというだけで興奮してしまうわけです。女子高生ブームとか、セーラー服とか、ションベン臭くて付き合ってられません。お前らギャーギャーうるせえんだよ。らっきょうが転がっただけなのに。年下の女の子を見ても、そんな具合なわけです。
 そんな僕にも、とうとう「その日」がやってきました。先日来、あるモデルの女の子が気になっていたのですが、その子はなんとハタチ。ちょっと待った。1984年生まれって、何それ。わたくし、そのときすでに11歳。つまり、「じゅういっこした」。ショックでした。思えばその子が生まれたのは、まさにあの「オネエさんからのラブレター」の年。これも何かの縁なのでしょうか。
 ちなみにその子は『セブンティーン』のモデルです。セブンティーン……。ありえない。それでもその子は、CoolでMatureでEllegant。カンペキなわけです。小娘なのに。何か、今まで自分を支えていた「姉専」という柱が、グラグラと揺らいでいるように感じます。これからどうなるのかが、とても不安です。
 とはいえ、今朝の電車で見かけて素敵だなと思った女性は、どう見ても三十代中盤。グラつきつつも、僕のなかのお姉さん好きはまだまだ健在のようでした。疲れた肌の女性を見て、ちょっとホッとする僕なのです。

2004年11月08日(月)

「オヤジ化」は、いつか君にもやってくる 〜PART 2

 二つ目の変化は、「シワ」です。

 僕は笑うと目じりに「笑いジワ」ができます。これは自慢なのですが、ティーンネイジャーのころ友だちから、「mayugeの笑いジワっていいよね。オジさんになったら味が出てカッコよくなるぜ、きっと」と言われたことがあるのです。
 それ以来、「そうか、俺はオジさんになったら笑いジワでカッコよくなるのか」と、将来の自分の輝ける姿を想像したものでした。
「カッコよくなるんなら、早くならねえかなあ。でもずいぶん先の話なんだろうなあ」
 などと不満に思ったこともありました。笑うと現れて、でもすぐに消えてしまうシワを、恨めしくさえ感じていたわけです。
 その、待ちに待った「笑いジワ」が、とうとうやってきました。忙しくしていたため気づくのが遅れたのですが、ここ最近それを発見したのです。いよいよ本物の、消えないシワが現れたわけです。
 ところがどうでしょう。待望の笑いジワが、ぜんぜん「カッコよくない」。しかも、「右だけ」。これが期待していたシワなのか!?  ショックでした。笑ってなくても、右目だけにシワ。こんなシワのどこがカッコいいんだよっ(怒)。例の言葉を言った友だちに、文句の一つも言いたくなります。ちなみに言ったのは森田です。
 僕は今、深夜の会社でこれを書いています。「逆ギレを誘発するシワ」は、そんな僕の目もとで今もジリジリと増殖を進めているわけなのです。

2004年11月07日(日)

「オヤジ化」は、いつか君にもやってくる 〜PART 1

 最近、自分に起こった変化が3つほど。まず、衝撃的だったのが「“オエ”デビュー」。とうとう僕もデビューしちゃいました。

 それは突然の出来事でした。朝、洗面所で歯磨きをしていたときのことです。もうお分かりでしょう。寝ぼけまなこでシャカシャカとブラッシングしていたとき、急に吐きそうになったのです。
「ウウッ……。うううっ……、ゥおェェェッーーー!!」
 これって……。これって昔、僕が小学生のころ、毎朝のように布団のなかで聞いた、あの音じゃない? 父親が発する、不快なノイズ。それが今、自分から出てきたわけです。
 僕は正面の鏡を覗き込みました。そこにいるのは、間違いなく自分。今、あの音を出したのが自分。ショックでした。鏡の中にいる僕の目からは、ボロボロと涙がこぼれています。それは、「ゲロのときに反射的に出てくる涙」だけではなかった気もします。
 憎いのが、「吐きそう」になるものの「吐けない」ところ。だから「第二波」がまたやってくるわけです。最初の「オエ」で吐けてしまったほうがどれほど楽か。ゲロとゲリのときは、いつも死んだほうがマシだと思います。
 しばらくすると、オエの波が引いていきます。僕は考えました。こんな思いはもうたくさんだ。二度とこの苦しみを起こすまい。きっとこれには原因があるはずだ。それさえ突き止めれば、もうオエとはおさらば。
 何がいけなかったのか。起き抜けで吸った煙草? いやいや、毎朝吸ってるけど、オエは今日が初めて。じゃあ、歯ブラシが喉の奥に入りすぎた? いや、そんなことはなかった。これまたいつも通り。わかった! ゆうべのビール? ていうか、そもそも飲まない日なんてないじゃん。じゃあ何? 体を折り曲げる姿勢がよくないってこと? だって、でも、でもそれって、今に始まったことじゃないし……。
 それ以来、僕は毎朝、洗面所の前で片膝をつき、お腹を折り曲げないようにして、ブクブクと口をゆすいでいるわけです。突然襲ってくる、あの苦しみに怯えながら。

 明日は「シワ」をお届けします。

2004年11月06日(土)

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