Wanderings / 千津
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 2004年02月06日(金) 命の負い目 

猫を保護してしまった。

大学からの帰り道、いつも野良猫がたむろするマンションのゴミ捨て場近くに、寒風を避けるようにして擦り寄ってきた猫がいた。

私は猫のことはぜんぜんわからないけれど、見た目に小さく見えたのと、触ってみて背骨が露骨に感じられたので捨てられてガリガリに痩せた猫なのかと思った。今日は小雪の抜糸に動物病院に行くつもりだったから、ついでに診てもらいたいと思った。けれど、猫を外飼いする人も居ると言うし、餌付けされているのかもしれないし、ただのお散歩途中なのかもしれないし、よくわからないので彼氏(実家でずっと猫を飼っていた)を呼んで聞いてみた。

多分保護しても大丈夫じゃないかという結論になったので、スルメで釣って抱き上げて帰った。多分ノミが付いていると思ったからすぐにケージに入れて小雪とは隔離した。

それから病院に行って、小雪の抜糸と健康相談の後、猫を見てもらった。爪を切ってもらって、耳掃除をしてもらって(耳ダニが居た)、エイズと白血病の検査をして、ワクチンを打って、今できることは全部してもらった。先生は普通の日本猫でメス、1歳〜2歳、出産経験は無し、以前人間に飼われた経験はあるかもしれないが今は野良だろうと言っていた。

私はこの猫を里子に出して、それでも貰い手が付かなければ飼おうと思った(正確には連れて帰ると決めた時点で彼氏が、だが)。

だけれど彼氏は元々猫好きな上に早くも情が移ってしまったらしく、里子には出したくないと、病院からの帰りの車中で言っていた。どちらにしろ、既に成猫でこれ以上育つ可能性は無いので、急に里子募集を決める必要は無いので、そのことについては彼に判断をまかせるつもりでいるけれど。

飼う気が無いのに懐かれただけで連れ帰った私が軽率なのは重々承知している。ただ、私は小雪と言う命をお金で買った事に対してどこかで負い目を感じていて、その償いに野良の犬か猫に献身したかったのだと思う。もちろん初めからそこまで考えていた訳ではないけれど、命を金銭で買った事に対する負い目を感じていたのは、事実だ。

彼氏は以前からの約束があって帰宅してすぐに友人と出かけたので、近所のホームセンターに行って猫砂とご飯を買い、適当なダンボールを持ち帰って、見よう見まねでトイレとハウスを作って、小雪の余っていたサークルでスペースを作ってそこに収めて、猫に蚤取の首輪を付けてご飯とお水を出して。

だけど全然食べてくれないし警戒心も解けないみたいなので、諦めてハウスにバスタオルを掛けた。眠そうだったし。

飼い犬は猫に興味津々。買って来た猫じゃらしに大興奮。なんだろう。私、ひとりで何やってるんだ。


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