甘い煙
頭出し|巻戻し|早送り
彼とのつきあいは安定していて、ぽわぽわと二人の日々を送っている。 今年の4月から一緒に住むっていう話も出たけれど、私はまだ思い切れなくて、見送った。 先に進むのはいつでもできるもの。 部屋の更新時期が一緒だから、再来年の春から一緒に住み始めるかもしれない。 そのことを想像すると、まだそれぞれに部屋を借りていたいような、どちらでもいいような。 この気持ちは変化するだろうか。
彼とは別れる気がしない。 だったら続くんだと思う。 身軽になりたい時もたまにある。 ふらっと気兼ねなく地方の友達のところに遊びに行きたいとか。 してもいいしやればできるんだろうけど、そういう奔放に動くことはしにくいように感じさせられる彼だ。 彼自身がそうしない人だからだろうな。 彼とのつきあいが続くと、男友達を失っていきそうな気がする。 彼が男友達と私のつながりを嫌がるのと、私が元々男女問わず自分から積極的に連絡を取ろうとする方ではないから。 でもこれは、窮屈。 学生の時みたいに、つきあっている相手の交友関係をお互いある程度把握しているという状況ではないし、気持ちはわかるけれど。 でも実は彼の方が総じて大人。精神的に断然大人。 珍しい子だと思う。 だから私は時々余裕がなくなる。 余裕がなくなるということは遊びがなくなるということで、それはどうにかしたいなぁと思うのだけれど、なかなかに。
最近、西加奈子作品を読み漁っている。 そんなにぴんとこないのもあるけれど、そういう作品でもピンポイントでズキュンと心を打たれて輝く場面が必ずある。 『きいろいゾウ』がダントツで好き。
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