サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2007年08月20日(月) 熱狂!GS図鑑 〜黒沢進に捧ぐ〜 大成功!!

 
 『熱狂!GS図鑑 〜黒沢進に捧ぐ〜』8月19日@下北沢 CLUB Que
 本当にたくさんの人が来てくれました。
 今回は出演者それぞれと事前に打ち合せをしリハーサルに立ち会わせてもらい、さらにいろんな偶然も重なり、今宵限りの特別な構成で大成功に終わった。これはもう黒沢さんが天から演出していたのだと思う。

 それでは当日の模様を簡単にレポート。敬称略。

 トップバッターは、この日のためにお願いして、再編成されたザ・ガリバーズ。山形からオリジナルボーカルの多勢正隆が参加する予定だったのが、ご家族の病気のため、急遽キャンセル。ベースの北久保誠がボーカルをとったが、これはこれで凄くよかったのだ。「パープルヘイズ」からはじまり、「ダークな瞳」「赤毛のメリー」も披露。元祖和製ガレージパンクに相応しい60'S 感覚の強いライブだった。この第3期ザ・ガリバーズはまた続けて行きたいとのこと。

 2番手は、田渕純、バックは元はちみつぱいの渡辺勝ほかによるムード・アンサンブル東京(←命名者は俺)。黒沢さんとは縁が深かった勝さんは、この日はピアノではなく全編サイケなギターを弾いてくれた。田渕が歌ったのは、黒沢さんからアドバイスを受けた選曲「あなたに抱かれて死にたい」(ルビーズ)「哀愁のシルバーレイン」(レオビーツ)というムードGS曲に続き、ほとんど発狂状態の「お前のすべてを」(モップス)、黒沢フェイヴァリット曲「シェビデビでいこう」(プレイボーイ)。
 続いて田渕に替わって渚ようこが登場。「新宿マドモアゼル」(チコとビーグルス)「朝まで待てない」(モップス)「アリゲーターブーガルー」をムードアンサンブルをバックに歌った。終演後、俺は渚に「一人GSをコンセプトにしたアルバムを作るべきだ」としつこく言い寄ったほど、この日の渚はハマっていた。

 そして、元ザ・ダイナマイツの瀬川洋が、森園勝敏、金子マリ、湊雅史らとともに演奏。「ウォーキング・ザ・ドッグ」や「ムスタング・サリー」などをやったあと、客席にいたダイナマイツのベーシスト吉田博を呼び、コーラス担当にして、「恋はもうたくさん」「トンネル天国」をやったのだ。これには一段と盛り上がった。

 そしてラストはザ・ファントムギフトの3人。チャーリー森田をリードボーカルにして「離したくない」(ヤンガーズ)「いい娘だね」(ジャックス)「テルミーモア」(テンプターズ)の後は、ゲストボーカルで田渕純がミリタリールックにサングラスで登場。「海と女の子」(早川義夫作品)を歌ったあと、ローリングストーンズというかオックスの「テルミー」。最後はやっぱり感極まって失神してしまった(笑)。田渕が関係者に運ばれていくのを無視するかのように、「お前の夢中さ」(カーナビーツ)をやって終了。アンコールは、スペンサーデイビスをインストにした「アイム・ア・マン」、「夜明けに消えた恋」(ブルーインパルス)で大団円。

 約4時間という長丁場で、それぞれがまったくダレルところのない緊張感のあるステージだった。懐かしいだけではなく、いつでも熱狂できるカッコイイ音楽、そしてちょっぴりくだらない、それがカルトGSの真骨頂なのだと思う。この日、会場にいた150人以上の全員が黒沢さんに感謝していたに違いない。
 
 そして当日、黒沢さんの妹の恵子さんからメッセージをいただいた。それを以下にアップしておきます。

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 早いもので今日19日は兄の4回目の月命日です。この日に『〜黒沢進に捧ぐ〜』ライブイベントを行なっていただき本当に嬉しく思っております。
 兄を亡くして辛く悲しい毎日ですが、その中においても、いろいろな方々の兄に関する記事やブログを拝見して、この4ヶ月間どんなに心をなぐさめられたか知れません。兄がこれほどまでに皆様から惜しまれる存在に思われていたとは、正直、考えてもおりませんでした。
 兄が亡くなってからGSを何十年かぶりで聞きました。私自身、思いもよらずいろいろな曲を知ってたので、泣けて泣けてしょうがありませんでした。子供の頃、知らず知らずのうちに色々なGS(それもB級どころ)を聴かされていたんだと思うと可笑しいです。
 兄は亡くなるのは早すぎましたが、それでもいろいろな方たちと知り合い、そして支えられ、好きなことが出来て、(辛くとも)楽しい人生を過ごせたと思います。
 皆様、生前は本当にお世話になりありがとうございました。そして今日このようなライブイベントを開いてくださいまして本当に感謝しております。ありがとうございました。     
                                    黒沢恵子





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