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2005年11月06日(日) そしてまた、ひとつ終わる。

■お祭り騒ぎの中、大きな仕事が無事終わった。出演者たちは、今頃大阪の街で盛り上がっていることだろう。
わたしは、病中の母に会いに実家へ戻った。

■身体の調子は格段によくなったものの、目が見えないこと、近過去の消滅と記憶力の低下からくる、鬱に、母は陥っている。人に元気を与えるのが仕事だったような、わたしが何度も「ひまわりのような」と讃えた母が、だ。かつて自分がどんな人間だったかがよくわかっているだけに、この鬱の状態が、本当に辛そうだ。鬱状態の人に、また、かつてあれだけ元気だった人に、簡単な励ましのことばは必要ないし、逆に疲れさせる。ただただ、手を握ったり、馬鹿話をして笑ってもらって、少しでも楽な時間を共にするだけ。

■ふだんのわたしの生活とはまったく違う時間が、ここには流れている。
 父は、献身的な、ということばが陳腐に思えるほど、人として夫として生活のパートナーとして、母を支えている。主夫として家事のすべてをこなし、看護人として療養の助けをし、友達として話をし、夫として、母を愛でる。そのすべてがあまりに自然で、驚いてしまう。因果応報と言うけれど、母のこれまでの生き方が、周囲の温かい励ましや、父の愛情を招いている。
はて、わたしの人生は?

■明日一日、母と過ごし、あさってはもう仕事で東京へ。
 早く、恋人と会いたい。そして、将来の布石になる勉強を、いくら孤独でもかまわないから、始めたい。


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