おひさまの日記
日記インデックス前の日の日記を読む次の日の日記を読む


2009年12月27日(日) きっかけは天使のいたずら

私が写真を始めたきっかけは、実は、すごくくだらない。

キムタクの出ていたNikonD80のCMを見て、
あああっ、カメラかっこいい!なんか欲しい!写真撮ってみたい!
そう思ったからだった。
ぶっちゃけ、ただそれだけ。

コンデジ(小さくてシャッター押すだけで撮れるデジカメね)でさえ、
それまで、まともに扱うことのできなかった私。

あれー?どこを押したら電源入るの?
あれー?なんでこんな色になっちゃうの?

そんな私がいきなり立派そうなカメラを買ってもいいのか、
不安はほんの少しあったけど、
キムタクの宣伝してるカメラ欲しい、写真撮ってみたい、
その衝動があまりに強く、近所のカメラ屋さんに駆け込んだ。

その時も、ボディとレンズが別売りだなんて知らなかった。
お店の人に、

「あれ、これレンズついてませんよ」

と、平気で言い放った。
店員さん、苦笑。
一眼レフって何のことかさえわからなかった。
レンズに種類があるってことも知らなかった。
つか、レンズってカメラにくっついてるもんだと思ってた。

でも、カメラ買って写真を撮るんだ、
そう考える時の自分の奥の方が沸騰するような感覚、
それに導かれたとしか言い様がない。

カメラが手元に来て、パシャパシャ撮る日々。
すべて独学。
写真が面白くて、fotologueという写真サイトに登録してみて、
そこで知り合った人達に少しずつカメラや写真のことを教わる。

そんなある日、本屋である写真雑誌を手に取った。
そこで衝撃的な1枚を目にする。
その写真が私の中に重くて心地よいくさびを打ち込んだ。
引き込まれるというのはこういうこと。
私は異空間に入り込んだかのように現実を離れ、
写真を見て生まれた感覚の海を漂った。

それが、私に多大な影響を与えた写真家、
細江英公氏の写真だった。

なんなの、これ!
どうやったらこんな写真が撮れるんだ!?
撮ってみたい、こんな写真!

いつまでも本屋でその写真を眺めていた。
ふと、我に帰り、あ、この雑誌買えばいいんじゃん(笑)と気づき、
買って帰った。

そして、数年が経ち、今に至る。

突然、ある日、その細江英公氏に会うチャンスが巡ってきた。
いや、会うと言っても、もちろん個人的にじゃない、恐れ多い(笑)
同じ会場に居合わせることができるかもしれない、ということ。

もし幸運の女神が味方してくれたなら、
自分の写真が見てもらえることもあるかもしれない、
そんなチャンス。

見てもらえなくても、同じ場所で同じ空気の中、
そのエネルギーを感じられたら、
それだけでも何かつかめるかもしれない、そう思った。

そして、私は、あるポートフォリオレビューに参加を申し込んだ。

ポートフォリオレビューってのは、
写真家が自分の写真を持ち込んで、
レビュアーと言われる評価する側の人達に自分の写真を見てもらって、
意見をもらったり、自分を知ってもらったりするイベント。
才能のある人はそこで誰かの目に留まってチャンスをつかむこともあるだろう。

そんな恐れ多いイベントに申し込んだのも、
そもそも、レビュアーに細江氏が名を連ねていたからだ。
でなかったら、小心者の私は、
人に写真を評価してもらうような場には出て行かなかったはずだ。
だってー、こわいもーん(笑)

でも、まるでカメラを突然買った時のように、
あーっ、あの写真家さんにナマで会えるかもーっ!会いたいーっ!
不安に勝るそんな心の奥が沸騰するような感覚が後押しして、
思わず申し込みメールを送ってしまった。
そうしたら、参加できることになってしまった。

「しまった」と言うのも、申し込んだ後、こわくなって、
やっぱり落ちればいいな、選考からもれたらいいな、って、
考えたりしていたのだ、あはは…

まぁ、選考と言っても、先着順ということなので、
つまりは、申し込みが早かったということなんだけどね。
とにかく、もぐりこめたんだからよしとする。

レビュアーリストから希望レビュアーを10名選んで伝えて、
その中の人に写真を見てもらえるんだけど、
私は希望レビュアーの中に細江英公氏の名前を入れてメールを送った。
希望リストのいちばん上にね。

参加者52名が色々な人を希望するわけだから、
自分が選んだ人のリストのトップの人に見てもらえるかどうかわからない。
あとは神様にお任せ。
まだ結果は出ていない。

これで、直接話はできなくても、
細江氏と同じ会場にいることはできるようになった。
遠くからでも細江氏を見ることができる。
空気からでも何かを学びたい、感じたい、そう思う。

今は郵便局の仕事の合間をぬって、
そのポートフォリオレビューの準備に追われている。
寝足りないけど、楽しいね。

日々、

「郵便局行ってる場合じゃねーよ。
 年賀状売ってる場合じゃねーよ。
 書留やゆうパック交付してる場合じゃねーよ。
 お客様に怒鳴られてる場合じゃねーよ」

そう思いながら仕事してるのであった。

そして、そのイベントには、abuも一緒に参加する。
実は、私が申し込む前に、abuにその話が持ちかけられた。
abuはレビュアーの中のひとりの方の推薦枠に入っていて、
参加しないかと、突然その話が持ちかけられたのだ。
自分のダンナながらスゴイ…
そして、私はそのイベントを知り、一般公募で申し込んだのだ。

レビュアーに細江氏がいなかったら絶対に申し込まなかったよ。
だって、そんな大それた場所で写真見せるなんて、こわいもん。
(((( ;゚Д゚))) ガクガクブルブル

私が写真を始めたきっかけは実にくだらなく、
キムタクが「いいわ、ニコン」と言ったからだった。

それが私の人生をすっかり変えてしまった。
写真を始めてから私の人生は、
ジェットコースターに乗ったみたいに、
激しくめまぐるしく動き出したのだから。

今回のオープンポートフォリオレビューへの参加も、
きっかけは実におこちゃまじみて、
尊敬する細江英公氏と同じ場所に立てるんだー!という気持ちだけだった。

立派な意思と情熱と、確固たる写真への信念、
そんなものも私には語れず、
すべてが曖昧なまま、けれど写真が大好き、撮り続けていきたい、
そんな気持ちだけ持っていて。

けれど、きっかけはどうあれ、
自分に訪れたものは自分に必要なもの。
逆に言えば、その必要なものをつかむためには、
きっかけはどんなものであってもいい。
うん、きっかけは天使のいたずらなんだと思うんだ。
ある方向へ導くためのね。

そして、今回、私はきっとつかんだのだ、必要なものを。
写真の道に進むことを、改めて自分に言い聞かせるためにも、
宇宙への意思表示のためにも、
参加することに意義がある、ということで、
結果がどうあれ、私は勇気を出して行ってこようと思う。

そのために急遽emaのサイトもリニューアルしたし。
そんな作業も楽しいのだけどね。

まあ、まとまりのない日記だけど、
そっちの方向に進んでいる私なのだった。


エイミー |MailHomePage
今日も読んでくれてありがと♪すごくうれしい!
My追加
エンピツユニオン