おひさまの日記
日記インデックス前の日の日記を読む次の日の日記を読む


2005年12月06日(火) 時の力

久しぶりに来てくださったクライアントさんのセッションがあった。
彼女が東北に越したために、2年近く会っていなかった。
東京に戻る予定があり、その流れでセッションを受けに来てくださったのだ。

東北に越してからも、彼女はずっと苦しんでいた。
苦しみながら現実の中にいた。
不安定な感情に翻弄され続けていた。
詳しいことは書けないけれど、凄まじい痛みと闘って生きてきていた。

そして、再会した今日、私は感動した。
別段セラピーを受けるでもなく、日常を過ごしていた彼女だったけれど、
明らかに以前とは違っていたのだ。

彼女のプロセスは確実に進んでいた。
苦しみ抜いて、それでも続く苦しみの中にただ身を沈めていた毎日だっただろうけれど、
それでも彼女のプロセスは進んでいた。

かつて何度もセッションを繰り返して受けてくださった彼女。
私のルームで泣いたことはなかった。
別に泣くことがいいという意味ではないが、
自分自身を掘り下げていった時、感情が出てくることがなかった。
そして、それは、彼女の傷が深いものであることを物語ってもいた。

けれど、今日、彼女は、私のルームで初めて泣いた。
赤ちゃんのように泣いた。
ただ、ただ、泣いた。
感じた。
自分の中に息を潜めていた、けれど、日常のそこかしこで顔を出して彼女を苦しめていた感情を。

私は「時の力」を感じた。

私達は「どうしようもない」ことに直面することがある。
本当に成す術なく、ただそのままでいるしかない、そんな状態に。
そんな時、私達は絶望するだろう。
人や状況や運命を呪うかもしれない。

けれど、そんな中で、時だけが流れる。
その時の流れが私達を成熟させることがある。
そこでの体験や、その体験の中での感情、
時には、年齢を重ねることでのみなし得る成熟が、
私達を知らず知らずのうちに前進させているのだ。

それを改めて強く感じた時、私は光明を見た気がした。
生きることそのものを信頼したいと思った。
人間が介入することなど到底できない、時の力の中で。


エイミー |MailHomePage
今日も読んでくれてありがと♪すごくうれしい!
My追加
エンピツユニオン