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2004年03月07日(日) イタリア式結婚(イタリア篇)



花の都フローレンスは街全体がさながら美術館のよう。

栄華を極めた15〜16世紀、かのメディチ家に愛され磨きぬかれたその美しさは今に至ってもまだ色あせず魅了されるばかりである。

フィレンツエは夕暮れがよく似合う。アルノ川が茜色に染まり空と川の境目をなくしてしまう頃、教会の鐘が夕べのミサを告げ茜色の空に鳴り渡る。

イタリア人の友人マリアテレジアから結婚式の招待状がイギリスの我が家に届いた。
友人と車でドーバー海峡トンネルを渡ってヨーロッパ一周しながらイタリアへの旅に出立する事となった。ヨーロッパには友人が各国に散らばっているのでそこここに泊めて貰うことにした。

いよいよマリアテレジアの家に到着すると小さな家が贈り物の花で埋まってむせかえるようだった。
結婚式は古い教会で厳かに行われた。純白のウエデイングドレスに長いヴェールを身につけた花嫁は美の結晶のようだった。花婿は長身で黒髪、自信にみなぎるようなダビデの像の様な人だった。
驚いたことに全員平服だった。私と友人二人だけ、すごい正装で居心地が悪かった。
披露宴会場は丘の上のお城だった。新郎新婦の車の後に続いて全員街の中をクラクションをけたたましく鳴らしながらお城まで行くのには驚いた。

お城は何世紀も昔の古城だった。ご馳走はビュッフェスタイルだった。ものすごいご馳走で各種とりどりにお皿に盛った私を見て隣のイタリア人が目を丸くした。彼等のお皿にはほとんど盛っていない。えー?なんで?と思ったらそれから永遠に明け方までご馳走が次から次へとでてきたのであった。
最初から山ほど取ったらメイン料理がお腹に入らないわけだ。宴もたけなわとなって花嫁、花婿のダンスが始まりそれに続いて全員ダンスである。私も素敵なイタリア男性と踊って目はハート。明日は早く立ってイタリア一周の旅なので、花嫁花婿にお礼のキスをして城をあとにした。月が古城を照らしロマンテイックなイタリアの夜は過ぎていった。
イタリアはもう何回も来た所なのにいつ来てもどこもかしこも素晴らしい。フィレンツエのヴェッキオ橋のたもとでみた夕暮れ。生涯忘れない。
そこからまたピサの斜塔へと旅は続いた。コモ湖、サンジミニアーノ、ミラノ、アッシジとイタリアを周り、帰りはアルプスを越え、氷河の青緑を見ながらフランスへ戻り、またドーバー海峡を渡り帰途についた。



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