後日談として - 2011年06月13日(月) サシ飲みは結局行われなかったのである。 其の人の緊急手術の仕事が予定よりも長くなり 家庭持ちである其の人は帰らなければならない時間となってしまったから。 私はと言えば、其の人からの電話が来るまでの1時間半、 一人で店に入り酒を飲んでいたのである。 何度か職場に電話しようかと思ったけれど、邪魔するのは野暮だと思い 文庫本片手に一人、待っていた。 視線は痛いではあるけれど、まぁ耐えられない程ではなく きっと私普通に一人飲み出来ちゃうんだろうなぁ、と漠然と考えていた。 とはいえ電話を貰って、今日はやめよう、と言われた時は さすがにショックだったのは事実である。 問題はそこから。ちょっと展開に驚いた。 本当に一人飲みしていたことに、其の人は大変驚いたらしい。 それで不憫に思ったのだろう。 「車で家に送ってやるから。」と言ってきたのだった。 しかし飲み会のセッティング場所は、むしろ其の人の家に近かったんである。 それをわざわざ職場付近にある私の自宅に戻して、また帰るというのも非効率的。 そう思ったので、一旦は断って電話を切った。 でも切った後、やっぱり少しムカつくのでもう一度掛け直して 「本当に送ってくれるんですか?」と聞いたら、「迎えに行く」と言われ。 で、本当に来てくれたんである。 思わず「本当に来てくれると思いませんでした。」と素直に言ってしまうが 「俺はいつも呼ばれたら来るから、って言ってるだろ。」と返され。 確かに私が当直の時、困ったら俺を呼べといつも言われているけれど まさかそれがこの状況でも通用するとは思わなんだ、と内心思う。 其の人は「今度必ず飲みに行こう」と言ったけれど そもそも今回の約束だって発端は3月の出来事だったのがここまで延びてきた訳である。 「そんな約束、信じられません。」と正直に言ってしまう。 「信じられないとか言うな。」と、本当に直近の日程で再度組まれることになった。 そんなことや他愛も無いことを話しながら、本当に家まで送ってもらったのだった。 飲み会が反故にされたのは悲しかった。 けれどそれも其の人の意志ではなく、仕方が無かったということも同業者なのだから勿論解っている。 私が解っている、ということを其の人も解っているだろう。 だから正直こんなにフォローされるなんて思ってなかったし 何より有無を言わさず「送るから」ときっぱり宣言されたり 新たな約束を取り付けてくれたりしたこと。 最近其の人への気持ちは醒めてきていたのだけど さすがに今回、ときめいた。 それに考えようによっては車で送って貰うというシチュエーションはかなりレア。 まぁ怪我の功名ということにしておいて、次のサシ飲みの予定を立てていきたいと思っている。 -
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