陸橋...東風

 

 

またしてもまとまりが無い。 - 2011年05月12日(木)

其の人といずれ飲みに行こう、という約束をしているが
その前に昨日病棟全体の飲み会があったのだった。
ただ其の人は数日前からご家族の体調が悪い、とも聞いていたので
この飲み会には来ないのかなと思っていた。

だが実際は来ていたのである。

最初は来ていることすら気付かなかったし
席も近くなかったから話も殆どしなかった。
一度お開きになった後、其の人の姿が見えなくなったので
タバコを置いて帰ったのか、と思い、勝手に一本貰って吸っていた。
だが戻ってきたのである。

その後のだらだらとした流れの中で、ずっと其の人の隣にいた。
だが私はそこまでに結構酒を飲んでいたので、少し記憶が遠く感じる。
でも内容はしっかり覚えている。

同じ部署の看護師さんの話である。
その方も其の人に以前好意を持っていたようである。
結局関係は無かったらしいが、きわどいところまでいったようで。
その看護師さんもだいぶ酔っていて、いろいろぶちまけていたのだ。
全ては良い思い出のようであったが。

其の人は確かに見た目も恰好良いし性格も男気がある。
癖はあるものの看護師さんには人気が高い。
そういう人だから、これまでも数々の浮名を流している。

「だから俺はそういうのはもういいんだよ。」
と其の人は言った。
私のことも時折見ながら。
私は何故か急激に絶望する。
「私の恋心など、この人には全く取るに足らないことに違いないのだ」と。

酒のせいで随分と感情のタガが外れていた。
トイレの中で、笑いながら泣いていた。
「死んでいることと生きていることに1mmの差も無い」
何故だか私は唐突に、そう理解した。

席に戻った後、其の人は何度か私に「また今度の飲みでな。」と言ったのだが
私はそれに僅かな苛立ちを覚えるのだった。

そして帰り際、誰かと二人まとめてハグされた。
其の人は背が高くて手足も長いので、二人まとめて両手に収めることなど訳はない。
私の感情はさらに不安定になる。
つい
「生きていることと死んでいることの間の差なんて1mmも無いんですよ」
と其の人に吐き捨てる。

今度飲もう、という約束は何となく少人数でという話であったが
けれど去り際に
「お前やっぱり面白いからサシで飲みたいな。」
と言われてしまう。

苛々は頂点に達する。
雨の中、酔った頭で40分以上歩いて帰った。
混乱を収めるために。
自分の中の熱を消してしまうために。

其の人に完全に心を乱されてしまっている。
こんな自分は嫌だ。
どうやっても叶うはずが、届くはずのない想いで
これほどまでに乱されてしまう私が嫌い。


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