陸橋...東風

 

 

いろいろと考えた。 - 2011年05月01日(日)

例の彼とは結局溝を埋めることができなかった。
最期にはもう殆ど会話をすることもなくさよならだった。
職場が分かれたので、距離と時間があればまた元のように仲の良い友人でいられるかと思ったが
彼がそれを望まないようである。

でも或る意味今回の仲違いは私の精神衛生上には良かったのかもしれない。
2年前。やはり彼と職場が分かれる時が迫った頃。
胸が痛くて仕方がなかった。要するに私は辛かった。

今回は殆ど辛くなかった。むしろ残念なくらいに。
彼に未練が無くなってしまったこともそう。
それ以上に、私の心が別に向いたことが大きいのだろう。

君は気付いていただろう?
私が君の知る別の人に強く惹かれ始めていたことを。
其の人と私の距離が、微妙に狭まっていく様を。

彼は恐らくその人が好きだったのではないか、と私は思う。
好きというのは大げさな表現かもしれないが。
まぁ、それももうどうでもいいことだ。

其の人と私の関係は、もう彼の知るところではない。


其の人はとても尊敬できる上司である。
私はまた尊敬と好きを区別できないでいるのかもしれない。
其の人はこれまで幾度となく、私が落ち込んでいる時に見守ってくれていた。
けれど一方で其の人が完全無欠ではないことも知っていて
其の人が落ち込んでいる時、時折私が力になれることも何となく解っている。
其の人もこれまでと同様、私のことを忠実な部下以上に思うことはないだろう。
要するにまた純粋な片思いだ。
けれども互いに既婚者である以上、これ以上のことは望めない。
望める訳がない。
既婚者である以前に、私が愛されることなんて有り得ないのだから。

けれど互いにお揃いのサンダルだったりお守りを持っていて喜んでいる。
むしろ其の人の方が喜んでいるのには驚いた。
仕事以外では、他愛もない話をするだけの関係。
けれども私には思った以上にこの関係が大切だ。
其の人に会いたいと思う。もっと話したいと思う。
もっと知りたいと思う。もっと知ってほしいと思う。
それが恋じゃなくてなんだというのだろう。

今のままの恋心は、誰も傷つけないだろう。
勿論自分の夫にも悟らせる気など毛頭ない。
私はこの小さな恋心を、ただひたすら自分の中で暖め続ければ良い。
いつか枯れてしまうまで。誰にも見せずに、ひっそりと。


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