どんなに願っても - 2009年08月19日(水) 私はきみのものになり得ない。 きみは私のものになることはない。 学会があったので また彼と二人で観光したのだった。 多分学会に出ている他の人は誰も行かないだろう場所も 私たちにとっては面白そうだったから 炎天下の下 道に迷いながらもずっと歩いてた。 暑かったし、ヒールは高いし 歩き続けるのは決して楽ではなかったけれど 彼と一緒に歩いていることが嬉しかった。 今回の日程でも割と長いこと、彼と一緒にいたのだった。 一緒にいるのが楽しくて。 一緒にいる時間がとても自然なので 最早緊張することなどない。 彼のとなりで私は一番ありたい自分でいられる。 だから彼の傍にいたい、と本気で願うけれど。 それは無理な話。 きっと彼がそれを望まない。 私には帰らなければならない場所がある。 彼が先に帰路に着いたとき 追いかけてしまおうか、と一瞬、思った。 でもどうやってもやっぱりさよなら。 だから思いとどまった。 まだまだ話したいことが本当はあった。 私たちの周囲の人々の話、彼に聞いて欲しかった音楽。 そして決して口には出せない想い。 口に出してしまえば、また関係は捻れてしまうだろう。 とっくに捻れてしまっているのかもしれないけれど それでも私たちは親友でいられている。 だから、そのままで。お願い、私。壊さないで。 彼との距離が私に彼を思い出させる。 恋心にも似ている、この気持ち。 だけどこの気持ちを抱ける相手が彼で良かった。 恋でなくても。私は彼が好きだから。 私たちの様子を見ていた後輩がこんなことを言っていた。 「Bさん(彼のこと)ってAさん(私のこと)と話したくってしょうがないって感じで。邪魔しちゃ悪いかと思うくらい。親友じゃないですか。」 私は笑いながら、実は逆なんだよ、と訂正した。 だって彼と話したくて仕方ないのは私なのだから。 けれども人から見てそう感じるということは お互いが二人で話したくて仕方がない、と思っていると 自惚れてしまっても良いのだろうか。 -
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