陸橋...東風

 

 

なにもない - 2007年01月24日(水)

昨日の当直は結局一件のみ。
お陰で恩田陸の『夜のピクニック』を読破したのでした。
久々に、本当に面白い本でした。大変拙い感想ですが。
この人って本当に高校生とか、その年代の心の描写が上手いなぁ、と。
『六番目の小夜子』もそうだったけど。
自分の高校生活を思い出してみると
本当に良い友達に囲まれて過ぎていった季節だった、と思う。
女の子を好きになるという経験もその時独特のものだったと思うし。

但し高校の頃の思い出には他にはない、陰もはっきりと存在していた。
子供の頃のどうやっても封印したかった記憶を、初めて口にしたのもこの頃だった。
はっきりと解離を起こしていたのもこの頃だったと記憶している。
ただ医者になろうと思ったきっかけも、きっとこの頃にできたものだ。
そう思うと今の私はその経験を踏まえなかった限り存在しなかったであろう。
結局、何がどう転ぶかは後になってみないと解らないし
今だって将来どう転ぶかはわからない。


その頃の、陰の部分というのは色んなところが朧げな記憶になってしまっている。

それが影響しているのかどうか。
最近また眠れない。
何度も起きる。その度に夢を覚えている。
夢が果てしなくて、苦しい。

睡眠薬を使えばそれなりに眠れるのは解っているのだけど翌日残るのが辛い。
残らない日もあるので、そこはもう賭けだ。眠りたいのに、眠るのが憂鬱。

で、当直していた昨日はさすがに睡眠薬を飲んで眠る訳にはいかないので頑張ってみたが
入眠すら出来ないきついタイプの日だった。
翌日に響いてしまっては仕方がないので、4時前にジアゼパムで入眠だけはどうにかしたのだけど
やはり眠りは全然持続しなかった。

いっそ呼ばれれば良かったな、と思ったのだけど
実際はあのひとは働いていらっしゃったらしく。
病棟で2人お亡くなりになって呼ばれたとのことだった。
どちらも延命しないという方で、呼んでもあまり勉強にならないとコールしなかったらしい。
優しいひとだなぁ、と思った。
呼んで貰っても全然構わなかったのだけど。
けれど気を遣って貰ったことは本当に有難い。

それよりも麻酔で泣きそうに、つまり泣かされそうになりました。
このまま麻酔が嫌いにならないといいけれど。
けれどこんなことで自分の将来の方針を変更するなんて、癪に触る。
そう思えているうちは続けられるような気がする。


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