死が通り過ぎていった。 - 2004年10月09日(土) 今週。結構思い入れのある患者さんが亡くなられた。 大変学生に理解のある患者さんで とっても面白いおじいちゃんで 肺の音とかむしろ聞いて行け!と学生をとっ捕まえ 採血で私が血を飛ばしてしまっても全然怒ることなく むしろ大丈夫!と励ましてくれた そんな患者さんだった。 私が直接担当グループとして関わったのはもう4週間も前のことで 採血は2週間前のことだったが その時は酸素マスクは手放せないけど、そのうち走るんじゃないかってくらいに 元気な方だった。走るのが好きで。 毎晩、びっくりするほど家族か面会に来ていた。 凄く慕われてんだなぁ、と感嘆したほどだ。 けれども私が内科を離れた週からは、そうもいかなかったらしい。 長い闘病生活でご本人もご家族も、疲れ切っていたらしい。 しかも。薬は思ったほどに効果を現さなかった。 明るかったその方も、さすがに呆然としていたらしい。 そんな中。少しずつ時間が明るさを取り戻させていった中。 突然に急変したらしい。 急変の直前まで、元気にお話しされていて 亡くなられる数時間前まで、意思の疎通が取れていた。 ご家族が駆けつけて。亡くなられたとのことだった。 私は別の科を回っていたので、当然ご臨終には立ち会えなかったのだが 彼氏は今週、その患者さんの担当グループだったので ご臨終に立ち会った。 そして、私に伝えてくれた。 聞いたとき。絶対人前で泣くまい、と思った。 大変思い入れがある患者さんだったのでショックだった。でも。 学生は一瞬患者さんの人生を横切り、また通り過ぎていくだけで 結局学生は学生でまだ医者ではなくてどこまでも無力で 悲しむのは私の問題だがそれを人にアピールするそのセンチメンタリズムは 許せなかったから。 実際別の人がそういうセンチメンタリズムを見せつけているのを目の当たりにして その悲しみは本物だろうけど、悪いけど少し嫌気がさした。 だから彼しかいないところで、ひっそり泣いた。 というよりも、涙が自然に出てきた。 今。数日経ってこの日記を書いていても少し涙が出てくる。 これからも幾つもの死が私を通り過ぎていくのだろう。 けれどもこの患者さんのことはずっと特別で忘れないんじゃないか。 そう思った。 苦しかっただろうな。 でも。楽になれたのかな。 心から、ご冥福をお祈りします。 -
|
|