月の輪通信 日々の想い
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2005年02月28日(月) 校則改定

オニイの中学で校則の改定があったそうだ。
オニイの学校は同じK市内の4校の中でも比較的落ち着いたマジメな学校。
制服や通学靴などの規定も他校よりは少し厳格なようだが、生徒もそこそこ大人しく校則に従って過ごしているように思う。
そんな中で生徒会が中心になって、服装の規定などについて何点か改定を要求し、学校の許可を勝ち取ったのだと言う。
先日保護者には、校則改定の内容の書かれたプリントが配布された。

1.夏場はシャツ出しOK・・・夏場の制服はチェックのズボン、スカートに白のポロシャツ。そのシャツのすそをズボンやスカートのベルトの中へ入れないで外に出して着ること。
2.靴は白を基調とした運動靴。色ライン可・・・これまではラインも白限定だった。
3.靴下は白、紺、黒を基調に派手でないもの。・・・これまでは白限定。
4、マフラー可。(11月から3月まで)・・・これまでは全面禁止。
5、髪の毛のゴムの色・・・何色でも可。

どれもささやかな、ほんとに大人しい要求なので、くすっと笑えてしまう。
校則というのは今も昔も、重箱の隅をつつくようなささやかでかわいらしい権利闘争なのだなぁと思う。
遠い昔、汗臭いセーラー服や学生服の学生時代、校則の細かい網の目を掻い潜って、「ちょっとおしゃれ」「ちょっと素敵」を気取った日々が懐かしい。
校則で三つ折ソックスが決められると、ソックタッチ(懐かし!)でソックスを伸ばしてはきたがり、長いスカートと決められるとウエストをくるくる巻いてスカート丈を短く見せたがる。
大人の目から見れば、さほど変わりがあるともいえないささやかなことが、自分達の唯一の権利や個性の主張であるかのように、思えたものだ。
「社会」とか「規則」とか「権力」とか、そういうものを初めて子ども達が意識して、自分達の「自由」との対立概念として捕らえるための練習問題のようなものだったのかもしれない。
ま、どちらにしても微笑ましい、青春の一こまに過ぎない訳だけれど・・・

ところで今回の改定で面白いなと思ったのは、運動靴の事。
この間の入学説明会の席で、先生方からは「『白一色、色ラインなし』の靴に限定されると、どうしても選択の幅が狭められ、経済的にも負担が大きくなると言う理由で保護者からも改定の要望が多かった」と聞いた。
確かに、店頭に並ぶ安売り靴の多くは色ラインの入ったものが多く、白一色の靴を探すとどうしても、少し値段が高いものを選ばざるを得ない事も多く、「色ライン可」になるとちょっと助かるなと言う観もある。
同じ理由で、これまで学校指定の業者から買っていた上靴も、同じような仕様のものであれば、量販店のものを使用してもよいとのお達しがあった。
子ども達の校則の改定に関して、親の立場から経済的理由による後押しがあるのだなということがちょっと意外な感じがした。
そういえば、近隣の中学では、制服に定められていた学校指定のセーターが高価で実用的でないという理由で廃止され、白、紺、黒、茶色などのセーターなら何でもよいという事になったと聞く。
みんなが決まった同じものを着るということに厳然たる権威があった制服に、家庭の経済事情が加味されて縛りが緩やかになっていく現実に、現代の日本を感じる。

確かに今のオニイ達の制服は高い。
制服、体操服、制かばん・・・。
先日、アユコのためにそろえた新入生グッズの数々は、全部買い揃えると一人当たり、7,8万円。
先輩たちのお古を活用したり、ちょんちょんに短くなったズボンの裾上げをぎりぎりまで延ばして着せてみたり、色々苦心はしてみるものの、やはり公立の義務教育の学校の入学必需品としては結構大きな出費である。
「せめて、上靴くらい、量販店の安価なものを・・・」
「どろどろになっても汚れの目立ちにくい、濃い色の靴下を・・・」
という保護者の本音も致し方ないのかもしれない。

改定が決まって以来、町では紺のソックスの女子中学生をたくさん見かけるようになった。オニイの言うには、女の子達の90%くらいが紺、黒のソックスに変えたのではないかと言う。
若干ほっそりと大人びて見える紺ソックスも、皆が揃って履けば効果は半減。傍目には何ほどの変化があったとも思えない。
そういう些細な事に生徒会が一致団結して教師に改定を求める。
そのエネルギーこそが、幼い中学生達が「社会」との戦い方を学ぶ第一歩なのだろうなぁと微笑ましい。
そういうときに、訳知り顔のおばさんたちの「そうよそうよ、こっちの方が経済的にも助かるわ」なんて、余計な後押しはないほうがいいんじゃないかな。私はそう思う。

実際には「色ライン靴が認められるようになった」からといって、安売り靴を買いに行く家庭もあれば、高価なブランド物の色ライン靴をせしめる口実にする家庭もある。
どちらもアリなんだからこそ、学校には校則があるのだ。
子ども達はまた、社会と言うものを学ぶだろう。


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