月の輪通信 日々の想い
目次|過去|未来
お隣からお庭で採れたゴーヤをもらった。 恥ずかしながら、我が家ではゴーヤを食べた事がない。 ニガウリというくらいだからきっととっても苦いんだろうという認識はあるものの、調理する私自身が食べた事がないモンでどうも尻込みしたまま現在に至る。 「苦いから好き嫌いはあるけれど、体にはいいというから・・・」とおっしゃってくださるので、「せっかくのいい機会だから。挑戦してみます。」と格別大きな一本を頂いて帰る。
「ほらほら、見て!これなぁんだ!」 「あ〜、ゴーヤだ!」 子ども達も食べた事はないものの、名前くらいは知っているらしい。 外から帰ってきたアプコも、机の上に忽然と置かれた緑色の物体を不思議そうにぶら下げてやってきた。 「ねぇ、これ、どうしたの?」 ごつごつ、でこぼこのグロテスクな姿が面白くて、アプコ、けらけら笑う。 「面白い形してるよね。もしかして、これ、怪獣のたまごじゃない?」 何を馬鹿な事言ってんのよ、この人は・・・というように、しらけた顔でまじまじと私の顔をみあげるので、 「あ、ごめんごめん。ほんとはコレ、ゴーヤだよ。お料理して食べるの。 でもね、なんか、怪獣の卵に似てない?」 とあわてて、とりなして言う。 アプコ、冷ややかな目で母をにらんだまま 「見たことないから、わからん」 確かにそうでした。 母も怪獣の卵は見たことないです。 すみません。
アプコも少しずつファンタジーの世界と現実の世界をしっかり見分けるようになってきてるんだなぁ。 理屈っぽい大人びた発言をするときには、小さなお鼻がぴくぴくするのがまだまだ可愛いアプコだけれど、ファンタジーやたとえ話よりもちゃんとした理に適った説明を聞きたがるようになってきたことに最近気がついた。 ちょっとびっくり。 ちょっとさびしい。
「○○山、来る?」 しばらくして、アプコがつんつんと私をつついて、聞いた。 「へ?なぁに?きこえなかったよ。もう一回言って。」 「あのね、○○ヤマ!」 「え?何やま?」 よく聞き取れなくて何度も何度も聞き返す。 しまいにアプコがプッとふくれて、言い放った。 「ゴーヤーマン!」 はぁはぁ、あの一昔前のキャラクターグッズのあれですか。 もしかして、アプコ、ゴーヤーマンはいると思ってんの?
・・・・まだまだアプコのファンタジー時代は続きそう。 ちょっと嬉しい。
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