月の輪通信 日々の想い
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2003年05月06日(火) アユコが一番

連休も終わり、またあわただしい朝が始まりました。

アプコ、制服の紺のブレザーを脱いで、白いブラウス姿で、新緑の道を駆け下っていきます。

久しぶりに先生やお友達に会うのが嬉しくて、短いお下げ髪がピンコピンコと跳ねています。

「オカアチャン、今日はアユ姉ちゃん、早く帰ってくる?」

アプコが振り返って、聞きました。



実はこの3連休、アユコは一人で加古川のおじいちゃんの所へあそびにいきました。

ちょうど遊びに来ていた小さいいとこのあやちゃんの遊び相手をしたり、おじいちゃんおばあち
ゃんに甘えてお洋服を買ってもらったりして楽しく過ごしてきたようです。

アユコの留守の間、お兄ちゃん達とうちに残ったアプコは面倒見の良いお姉ちゃんの不在がよ
ほどこたえていたようです。

「アユ姉ちゃんはいつ帰ってくるの。」

そればかり尋ねて連休を過ごしました。

「アユ姉ちゃん、あやちゃんにあげちゃおうか。」

冗談でそんな意地悪を言ったら、アプコは本気でお姉ちゃんをとられちゃったらどうしようと心
配していたようなのです。



お休みの終わりにようやく帰ってきたアユコに、アプコはべたべた、くっつきっぱなしです。

いつもはお小言を言われたり、駄々をこねて困らせたりしているお姉ちゃんですが、数日の不
在でそのありがたみを痛感したのでしょう。

元々、オカアチャンよりずっと面倒見が良くて、気持ちをよく理解してくれるアユ姉ちゃんは、末
っ子甘えんぼのアプコにはなくてはならない存在だったのでしょう。



「ね、オカアチャンとアユ姉ちゃん、どっちが好き?」

時々アプコに意地悪な質問をします。

「う〜ん、どっちも!」

アプコもどちらにも差し支えのない要領の良い答えかたを覚えました。

「じゃ、おばあちゃんとオカアチャンは?」

「う〜ん、どっちも!」

「オトウチャンとオカアチャンは?

「う〜ん、どっちも!」

今日はちょっと質問の仕方を替えてみました。

「アプコが一番好きなのはだ〜れ?」

アプコが迷わず元気に答えました。

「アユ姉ちゃん!」

「2番目に好きなのは?」

「オトウチャンとオカアチャンとろくちゃん!」

あらら、父さん母さんはランク落ち?しかもワンコと同列かい・・・。



ショックを受けたオカアチャンは何度も何度も聞いてみたけれど、

「アユ姉ちゃんが一番!」

は変わりませんでした。

「アユ姉ちゃんをアヤちゃんにあげちゃおうか?」なんて、さんざん意地悪を言ったお返しかな。

アユコのリードで、毎日楽しそうに遊ぶアプコ。

風呂もご飯も、夜一緒のお布団に寝てくれるのも面倒見のいいお姉ちゃん。

オカアチャンはとってもラクチンだし、姉妹が仲良く肩を寄せ合ってる光景は何とも嬉しい。

でもなぁ、まだまだ、

「オカアチャンが一番!」でいたいよなぁ。

「ねえねえ、アプコ、今日は幼稚園終わったらお菓子買いにいこうか。」

ついつい、物で、アプコの関心を買おうとする卑怯なオカアチャン。

「アユ姉ちゃんのぶんもね。」

すかさず付け加えるアプコは、確かに母より一枚上手です。






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